国立大学法人 岡山大学

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唾液が“うま味”の感じ方に影響を与えることを発見!~うま味を敏感に感じるには唾液の“緩衝能”が重要~

2024年06月25日

◆発表のポイント

  • 唾液にはさまざまな機能がありますが、味覚を生じさせるためにも重要です。
  • 唾液の緩衝能は口中の酸を中和し、歯を酸から守る働きがありますが、酸味を低下させる可能性もあります。
  • 唾液の緩衝能と味覚の感受性との関連を調べたところ、酸味の感受性には影響せず、うま味感受性と関連することが分かりました。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)口腔生理学の吉田竜介教授らの研究グループは、健常な日本人学生における唾液の緩衝能と味覚の感受性との関連を調べ、緩衝能と関連すると考えられる酸味の感受性は唾液緩衝能と明確な関連がなく、うま味感受性のみ唾液緩衝能と関連することを発見しました。この研究成果は、2024年5月29日、口腔科学系専門誌「Achieves of Oral Biology」に掲載されました。
 うま味は食べ物のおいしさに関係する味覚です。しっかりと唾液が出ると唾液緩衝能も高まることから、唾液分泌を促すことで、食べ物をよりおいしく感じることができるかもしれません。

◆研究者からひとこと

おいしく食べ物を食べることは、人類共通の欲望です。よりおいしく食べ物を食べるために、唾液はたくさん分泌される方が良いのかもしれません。引き続き、いろいろな味に関する研究をしていきます!
吉田教授

■論文情報
論 文 名:Salivary buffering capacity is correlated with umami but not sour taste sensitivity in healthy adult Japanese subjects
掲 載 紙:Achieves of Oral Biology
著  者:Aiko Hyodo, Ayaka Mikami, Kengo Horie, Yoshihiro Mitoh, Yuzo Ninomiya, Seiji Iida, Ryusuke Yoshida
D O I:10.1016/j.archoralbio.2024.106013
U R L:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003996924001341?via=ihub

■研究資金
 本研究は、「科学研究費助成事業」(基盤研究(B)JP21H03106、挑戦的研究(萌芽)JP21K19601、研究代表:吉田竜介)の支援を受けて実施しました。

<詳しい研究内容について>
唾液が“うま味”の感じ方に影響を与えることを発見!~うま味を敏感に感じるには唾液の“緩衝能”が重要~

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)口腔生理学
教授 吉田竜介
(電話番号)086-235-6640
(HP)https://www.okayama-u.ac.jp/user/oralphys/OralPhysiology.html

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