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タンパク質が加熱失活する過程を解析する新手法を開発~タンパク質耐熱化の設計指針に~

 岡山大学大学院自然科学研究科(生命医用工学)の二見淳一郎准教授の研究グループは、タンパク質を加熱して不可逆的に変性・失活する際の「起点」を解析する新手法を開発しました。本研究成果は9月29日、英国の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されます。
 20種類のアミノ酸から構成されるタンパク質は、特定の立体構造を形成してさまざまな生命機能を発現する万能素材です。タンパク質は複雑な立体構造を形成・維持するために、システインというアミノ酸の側鎖同士が架橋したジスルフィド(SS)結合を「柱」のように利用しています。タンパク質を加熱すると立体構造が崩壊した変性状態になりますが、この「柱」さえ無傷であれば冷却後に元の立体構造に戻れるタンパク質が多くあります。二見准教授らの研究グループは、加熱によりタンパク質分子内のSS結合が壊れ始めると連鎖的に壊れていく機構に着目。その反応の起点となるチオール/ペルチオール基を速やかに消去するメタンチオスルフォン酸系の試薬を添加することで、タンパク質の不可逆熱失活を大幅に抑制できることを発見しました。
 今回の研究手法を活用すれば、個々のタンパク質の加熱失活の弱点を探り、産業利用に有益なタンパク質の耐熱化を進める上で重要な情報を得ることができます。

図1.タンパク質のSS結合の崩壊に起因する不可逆失活とその抑制法

<論文情報等>
著 者: Futami J, Miyamoto A, Hagimoto A, Suzuki S, Futami M, Tada H.論文名:Evaluation of irreversible protein thermal inactivation caused by breakage of disulphide bonds using methanethiosulphonate掲載誌:Scientific Reports
掲載号:Volume 7 (2017)
掲載日:平成29年9月29日(報道解禁は、イギリス時間午前10時、日本時間午後6時)
オンライン:www.nature.com/articles/s41598-017-12748-y

<詳しい研究内容について>
タンパク質が加熱失活する過程を解析する新手法を開発~タンパク質耐熱化の設計指針に~


<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科
生命医用工学専攻(工学部・化学生命系学科)
准教授 二見淳一郎
(電話番号)086-251-8217
(HP) https://www.okayama-u.ac.jp/user/proteng/