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「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラムポリシー)

 理学部生物学科は,広い視野・論理的な思考力・科学的モラル・高い研究能力・行動力と国際性を身につけ,自然科学,特に生物に関する専門知識を活かして新しい分野に積極的に挑戦できる研究者や,教育を含めた社会の諸分野で活躍できる人材の育成を目的としています。このため,生命活動の基本的原理を,個体,組織から細胞,分子レベルまで多面的に理解することができる専門教育科目のカリキュラムを策定しています。また,広範な自然科学のみならず社会科学や地球規模の諸問題も理解し,人類の持続的発展に貢献できるよう,多彩な教養教育科目と理学部共通の専門基礎科目を選択することもできます。
 理学部生物学科では,4年間の一貫した教育コースを設定しています。1年次には,教養教育科目に加えて,専門基礎科目と生物学の基礎的な専門教育科目を学びます。理論と実験の両面から広く自然科学を理解するとともに,英語や数学,物理学,化学の基礎を身につけることを目指しています。2年次は,専門教育科目の割合が多くなります。現代生物学の基盤となる生化学,遺伝学及び分子遺伝学,細胞生物学,免疫生物学,発生生物学,植物発生生理学,系統生物学など,多彩な科目が設定されています。さらに,生物学実験の基礎を習得するための実験科目が設定されています。3年次には,生物学の各分野をより深く理解するために,それぞれの分野でのより高度な内容の講義や学際分野の講義が設定されています。また,これまでの専門教育科目で習得した知識を,自ら実践・確認しより深く理解するため,より多くの時間を実験科目に当てるよう設定されています。この実験科目では,科学的な思考力も養います。講義科目と実験科目の連携により,観察-仮説-実証-報告という自然科学に共通する方法論を身につけるカリキュラムが提供されています。4年次には,配属された研究室での課題研究と生物学ゼミナールを中心とした密度の濃い専門教育を提供しています。最先端の研究を自ら実施することで,社会の要請に応える専門知識と実践的技術が獲得できる内容になっています。
 生物学科では,少人数授業や能動型形態の授業やゼミナール,実験科目を多数提供しています。これらの科目を積極的に受講することで,情報処理能力,レポート作成能力,プレゼンテーション能力,コミュニケーション能力,国際性などが身につくカリキュラム編成になっています。

人間性に富む豊かな教養【教養】
  • 自然科学のリテラシーや科学的モラルを身につけ,自然や社会の多様な問題に関心と自らの意見を持てるよう,共通教育機構が提供している教養教育科目および理学部が開講している専門基礎科目が受講できます。
  • 教養教育科目では,知的理解科目,言語科目,実践知・感性科目,汎用的技能と健康科目を設定しています。
  • 専門教育科目では,講義と実験により幅広い自然科学(理学)の基礎知識を修得し,高度な専門知識を獲得するための継ぎ目のない学力向上を目指しています。自然科学の奥深さを感じるとともに,将来,学際分野の開拓を目指す人材の育成にも対応できるカリキュラムが設定されています。
豊かな知識に基づく論理性の確立【専門性】
  • 生物の種類,形,働きを理解するため,現代生物学の基礎である生化学,遺伝学,分子生物学,細胞生物学,発生生物学,免疫生物学,行動生物学などを,2-3年次にわたって修得するカリキュラムを提供しています。そして,生物学の各分野で最先端の内容を理解するため,より高度な専門教育科目を設定しています。積み重ねてきた基礎となる個々の専門科目を体系化し,生命現象の多面的な理解を目指す講義を提供しています。
  • 講義で修得した専門知識について,より実践的な理解が深まるよう,充実した実験科目を設けています。この実験科目では,問題を解決するための論理的な思考力を磨くため,実験後のレポート等の提出も求めています。
  • 理論的な背景をしっかり獲得した上で専門的な実験に取り組み,実験結果に対する科学的,論理的な考察を自ら行うことができるようカリキュラムが編成されています。
  • 最終学年の課題研究では,生物学科の各教員の研究室に配属し,3年次までに獲得した専門的な知識や論理的思考力を総合的に駆使して教員や先輩とともに未知の研究課題に取り組みます。想像力を持って意欲的に取り組むトレーニングは,3年次の実験科目でも行います。
効果的に活用できる情報力【情報力】
  • 実践的な情報力の活用を目指し,情報の検索・収集・分析を行い,それをもとに自らプレゼンテーションを行う講義およびゼミナール科目を設定しています。これらの講義では,プレゼンテーション技術の向上も目指しています。
  • 現代生物学では,実験が重要な研究手段となっているので,実験によって得られるデータを多面的に解釈する能力が必要です。基礎的な講義および実験科目では,実験のやり方や,その結果の解釈やまとめ方についても配慮した授業を行っています。
社会をリードする行動力【行動力】
  • 国際的に活躍できる言語力を獲得するため,教養教育科目の言語科目に加えて,専門科目でも英語の講義を提供しています。
  • 少人数クラスでの授業を多く実施し,学生同士もしくは学生と教員がお互いをよく知ることができ,学生ひとりひとりに目が届く指導や,課題に関する議論を重視した双方向教育を行っています。
生涯に亘る自己実現力 【自己実現力】
  • 大学4年間で獲得した生物学に関する広範な知識と能力を,その後の実社会での研究開発や理科教育などに継ぎ目なく活かせるよう,実践を含めたカリキュラムが組まれています。
  • 生涯に亘って自己の成長を追求できる学士力を育成するため,スポーツや文化活動を含む教養教育科目を広く提供しています。また,専門教育科目でも,自然や語学に対する自らの興味と関心に基づいて,進んで学びを追求できる素養を涵養しています。
その他
  • 理学部生物学科では,卒業要件単位の他に,「課題研究」を履修するために必要な単位数を設定しています。これは汎用性のある専門知識と論理的な知識の体系化ができてこそ,生物に関する未知の課題に挑戦できるからです。
  • 岡山大学理学部では,複合的・学際的な学問分野に対応,進出できる学生を育成することを目的として,幅広い分野の科目を選択履修することができる「複合領域科学コース」を設けています。複合領域科学コースに登録を許可された者は,3年次終了時に必要単位数を修得し,課題研究を担当する教員の同意が得られていれば,志望する教育・研究分野で課題研究を行うことができます。