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社会文化科学研究科文明動態学シンポジウム「モニュメントから見る文明動態論」を開催(2月24日)

 2018年2月24日(土)13時~16時,岡山シティ・ミュージアム4階講義室にて開催し,県外からの参加者,地域の関連施設の方々含め73名の参加者がありました。

 開会に先立ち,文部科学省学術機関課の西井知紀課長よりご挨拶をいただきました。岡山大学大学院社会文化科学研究科の田中共子研究科長による開会挨拶に続き,杉山三郎氏(愛知県立大学/アリゾナ州立大学)による「テオティワカン考古学の近況 -モニュメント,儀礼,戦争と都市生活-」についてのご報告,松木武彦氏(国立歴史民俗博物館)による「文明動態論からみた日本列島の古墳時代 -都市なき初期国家の謎-」についてのご報告をいただきました。

 杉山報告では,テオティワカン(メキシコ)の最新の調査結果にもとづいて,太陽のピラミッド,月のピラミッド,羽毛の蛇神殿という3つの主要なモニュメントが,独特の暦システムと尺度に基づく綿密な都市計画に基づいて建造されていること,宗教センターとしてマヤ地域など周囲の多様な民族との交流があったことなどが説明されました。松木報告では,日本列島の古墳が世界有数の規模と密度を誇るモニュメントであること,高さを持ち,特定の個人と結び付けられるという階層化した社会によくみられる墳墓型モニュメントであること,山城などの防御施設がみられないことや都市が発達しないことと古墳築造への多大な労力の傾注とが関係しているという説が提示されました。

 討議では,テオティワカンと古墳時代日本列島との共通点や相違点について活発な議論がありました。テオティワカンを含むメソアメリカにおける国家形成期と,日本列島の弥生・古墳時代は,時期的にはかなり重なっていますが,都市型のモニュメントを中心とするメソアメリカと墳墓型モニュメント主体の日本列島では,儀礼空間の作り方や時空間認識のあり方に差異があったようです。短い時間でしたが,こうした比較研究により,多くの新しい知見が得られることを実感することができました。
数万年前にアフリカを出たホモ・サピエンスは世界各地に広がり,多様な文明を築いてきました。旧石器時代には世界で数万人ほどであった人口は,1万年の間に農耕や牧畜の拡大により急激に増加し,現在76億人に達しています。発達した技術,複雑な社会組織,豊かな芸術は,人類に繁栄をもたらしましたが,同時に環境破壊やさまざま社会問題も生み出しています。現在の危機的状況を打開するためには,これまでとは違う新たな価値観,世界観の構築が必要であり,そのためには,文明がどのようにして形成されてきたかを,長期的な視座と学際的・国際的な分析によって明らかにすることが必要であろう,という認識を共有して討議を終了しました。


文部科学省 西井知紀学術機関課長による挨拶


社会文化科学研究科 田中共子研究科長による挨拶


国立歴史民俗博物館 松木武彦教授による報告


討議の様子