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学部長の部屋

第16回 ゲスト
北川咲玲さん(法学部4年生)
~子ども虐待防止のオレンジリボン運動について~

黒神:「今日のお客様は、法学部4年生の北川咲玲さんです。北川さんは、先日、法学部生として教育や社会貢献で優秀な功績を収めた学生に贈られる岡山大学法学部長賞を受賞されました。子ども虐待防止に関する活動において、頑張ってこられたことが認められ受賞されました。北川さん、おめでとうございます!

北川:「ありがとうございます!」

黒神「今日は、そのご活動を中心にお話をお伺いできればと思っていますので、よろしくお願いします。」

北川:「よろしくお願いします。」

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 (撮影時のみマスクを外しています。)

黒神:「まず、北川さんは、子ども虐待防止支援オレンジリボン運動において、岡山大学生の代表を務めておられると伺いましたが、その団体や活動内容について、お聞かせ願えますか。」

北川:「オレンジリボン運動とは、子ども虐待防止の意思を示し、さらに多くの人々の関心と賛同を広げていく活動です。そのために、私たちはオレンジリボン運動について知ってもらったり、子どもたちのためにできることとして学習支援を行ったりしています。」

黒神:「ありがとうございます。なぜこの活動に興味を持たれたのですか。」

北川:「もともと教育に興味があり、いつか教育活動ができればと考えていました。そんなとき、丸亀ハーフマラソン大会にてオレンジリボンを着けて走っている方をお見かけし、オレンジリボン運動について知りました。そうしているうちに、虐待防止に取り組んでいる友達に出会ったりSDGsアンバサダーの方たちと話したりしているうちに、自分も何か活動しようと思い、この活動に興味を持ちました。」

黒神:「そうだったんですか。日々の生活の中で常に高い意識を持っているからこそこの活動に目が留まったんですね。素晴らしいことです。北川さん自身がこの活動の中で具体的に実施してこられたことを少し挙げていただけますか。」

北川:「はい。オレンジリボン運動について広く知ってもらうために、虐待防止を呼び掛けるポスターを作成し、店舗へ設置してもらっています。他には、公式LINEで学習相談を行っています。今は受験シーズンということもあり、本来の相談に関連して、受験生の方たちから受験の悩みや勉強方法についての相談も多いですね。他にも、岡山大学の魅力についての相談もありました。また、これからはZoomを使った高校生との交流会も計画しています。」

黒神:「コロナ禍の中でも活発に活動されているんですね。では、これまでこの活動を行ってきた中で、印象に残ったことや、やりがいを感じたことなどはありますか。」

北川:「店舗にはポスターとともに持ち帰ることができるパンフレットも設置させていただいたのですが、数日後にはパンフレットが残り少なくなっており、実際に手に取っていただいたことが分かり嬉しかったです。また、学習相談ではお礼のメッセージをいただいたときはすごくやりがいを感じます。」


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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「では、逆に、この活動を行う中で、難しいことはどんなことでしょうか。またそれを克服するために何か工夫をされていますか。」


北川:「虐待を防止するといっても、私たち学生が実際に虐待現場に行って直接防止することはできません。ですが、虐待防止についてみんなに知ってもらったり、子どもたちの居場所を作ったりと、間接的に防止することはできます。そのため、子どもたちのために自分たちにできることをする、というスタンスで活動しています。」


黒神:「なるほど。できることからするという意識がとても大切ですよね。北川さんは、この活動以外にも、いろんなことを精力的にやっておられると伺いました。この子ども虐待防止活動以外にも、いくつか力を入れていることを挙げていただけますか。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




北川:「SDGsアンバサダーの運営や、CLSプログラム(米国務省が実施する国際教育・交流プログラム)のランゲージパートナーとしてアメリカの学生に対して日本語支援をしています。また、今年からは岡大メディアOTDの運営も行っています。OTDには、岡山大学オレンジリボン運動のメンバーが書いた受験生向けの記事も掲載されています。岡大の各学部の特徴や勉強方法について書いているので、受験生にはぜひチェックしていただきたいです。」


黒神:「どの活動も素晴らしいですね。北川さんは、現在4年生ということで、将来どんな道に進まれるのですか。」


北川:「岡山大学社会文化科学研究科へ進学予定です。3年次から刑事訴訟法ゼミに所属しており、少年法について研究していました。そこで、進学後は少年法を中心に、18、19歳への法適用について研究しようと考えています。また、在学中には高校公民の教員免許と、社会保険労務士の資格を取得できればと思っています。」


黒神:「大学院進学後も、ますますのご活躍を期待しています。今日は、ありがとうございました!」


北川:「ありがとうございました!」




2021年11月26日

第15回 ゲスト
広川千晴さん、川口美悠さん
~法学部卒業生の司法試験合格を祝して~



黒神:「今日のお客様は、このたびめでたく司法試験に合格された、広川千晴さんと川口美悠さんです。お2人は、岡山大学法学部出身で、うちの法務研究科(ロースクール)に進学され、このたびの栄冠を勝ち取られました。

ところで、今年の岡大ロースクールの合格実績は、全国にも誇れるものでした。


[リンク(,https://www.lawschool.okayama-u.ac.jp/news_events/events_210909.html/)=令和3年司法試験結果について(岡山大学法務研究科HPより)

合格率は、48.5%ということですが、この数字は、愛知大、京大、一橋大、慶応大、東北大、早稲田大に次いでなんと7位(ちなみに、8位東大、9位名大、10位神戸大、11位阪大)と、大躍進を遂げました。

 その立役者が本日のお2人で、普段の学習から合格者をけん引する存在だったと伺っています。なお、広川さんは、福山誠之館高校出身で、川口さんは岡山理科大学付属高校のご出身ということで、いずれも地元出身の方々です。本日は、学部の頃から司法試験合格までの道のりについて少しお伺いできればと思っています。よろしくお願いします。」


広川・川口:「よろしくお願いします。」




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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「まずは、司法試験合格、おめでとうございます!今年は、昨年の9名から16名の合格者(うち岡大法学部出身者が6名)が出たということで、私も本当に嬉しく思っています。」


広川・川口:「ありがとうございます!」


黒神:「早速ですが、いつごろから何をきっかけに法曹を目指そうと思われたんですか。」


広川:「法律の勉強がしたいと思ったのは小学校高学年くらいの時にドラマHEROを見たのがきっかけです。でも自分が司法試験なんか受かるはずがないと思っていたので、就職するか進学するかは迷っていました。その後進学を決意したのは、ロースクールの先生が担当されている授業を学部生の時に受講したり、ゼミの先輩が予備校を利用しているのを見て、自分も頑張ってみる価値はあるんじゃないかと思ったからです。」


川口:「家族のすすめもあり、中学生の頃から漠然と法曹を目指すようになりました。目標が明確になったきっかけは、学部時代、ゼミ活動の一環として犯罪被害者支援、加害者支援、双方のボランティアに参加したことです。これらの活動を通じ、犯罪被害者と加害者双方にアプローチできる検察官に魅力を感じるようになりました。」


黒神:「学部の途中からだんだんと法曹の道を考えるようになったんですね。」


黒神:「みなさんゼミはどこに所属しておられたんですか。そこではどんな刺激を受けましたか。」


広川:「3年生の時は濵田先生の民訴ゼミ、4年生の時は岩藤先生の民法ゼミに所属していました。民訴ゼミでは民訴に対する苦手意識をなくすことができました。民法ゼミはローの先生のゼミに所属できるチャンスだと思って入りました。担当者が判例報告を行っていたのですが、そこで判例を深く読み込む練習ができたのはその後の勉強にも非常に役立ちました。」


川口:「3、4年次どちらも原田先生の刑事訴訟法のゼミに所属していました。アットホームな雰囲気のゼミで、ゼミ生同士の仲も良く、ゼミの先輩にはロースクール入学後も大変お世話になりました。学部生の頃から法曹を志す先輩と一緒に勉強できたことは、とても刺激になったと思います。4年生の時には岩藤先生のゼミにも聴講生として参加していました。」


黒神:「うちの学部の場合、やはりどうしても司法試験を目指す人が少ないので、なかなかモチベーションを維持するのが難しいと思うのですが、ゼミ以外にも司法試験を目指す学生たちの横のつながりなどありましたでしょうか。」


広川:「顔の広い友人から司法試験を目指している人の話を聞いて知り合いになることが多かったと思います。私と川口さんも共通の知人が引き合わせてくれました。4年生の時には司法試験を目指している人たちで自主ゼミを組んでローの入試過去問を解いたりしていました。」


川口:「ロースクールの先生が担当される授業は司法試験を目指す学生が多く受講していたので、これらの授業での交流もありました。中には2人1組になって答案構成をする授業もあり、『ペアの子の足を引っ張らないようにしよう』というのをモチベーションに勉強した時期もありました(笑)」


黒神:「何故うちのロースクールへの進学を決めたんですか。何かメリットのようなものを感じられましたか。」



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 右:川口さん 左:広川さん (撮影時のみマスクを外しています。)




広川:「岡山大学の法学部にいたので、他のロースクールに行って環境を変えるよりも慣れ親しんだ岡山大学のローの方が落ち着いて勉強できると思ったからです。それに、ゼミで知り合った先輩も岡大ローに進学している人が多く、知り合いが多いという安心感もありました。」


川口:「私は周りより司法試験に向けた勉強を始めるのが遅かったんです。なので、ローではみっちり指導を受けたいと思っていました。岡大ローは先生との距離が近く、手厚い指導を受けられるということを聞いていたので、大きく成長できるチャンスだ!と思い岡大ローへの進学を決めました。」


黒神:「お2人は、ロースクールの学生さんたちの模範になるほどめちゃくちゃ勉強されていたと伺っています。司法試験合格に向けて、日々どんな生活を送られていたのですか。」


広川:「そんなことは無いと思いますが(笑)。私は朝は9時までに自習室に着くように家を出て、夜は結構遅くまで勉強していました。でも大学生協のミールカードを使ってたのでご飯はちゃんと食べてましたし、睡眠時間も削らないようにしていたので比較的健康的な生活だったと思います。」


川口:「恐縮です、、、(笑)。私はだいたい、朝の7時半ごろから夜の9時まで自習室で勉強をしていました。自習室に行かない日は年に数日しかないというほど毎日登校していました。勉強は大変でしたが、自習室に行けば仲のいい先輩、同期に会えたので毎日楽しかったです。本当に、環境に恵まれたと思います。」


黒神:「やはり、お2人とも、噂に違わず模範学生でしたね(笑)。さすがです。」




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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「将来、みなさんはどんな法曹を目指しておられるのですか。」


広川:「困っている人の助けになれるような法曹になりたいと思っています。法律や理論的な面でのサポートだけでなく、依頼者の方の心に寄り添って最善の策を提案できるように様々な経験や知識を身に着けていきたいですね。 」


川口:「私は検察官を志望しています。被害者支援のボランティアを通じ、被害者の方々が声を上げられたことをきっかけに被害者保護制度の拡充が実現したことを知りました。制度の担い手として、被害者の方々に寄り添い、市民と司法との架け橋のような検察官になれたらと思っています。」


黒神:「皆さん、素晴らしい夢をお持ちですね。ぜひ夢に向かって頑張ってくださいね。」


黒神:「では、最後に高校生に向けたメッセージとしてお伺いします。法学部で学ぶことのメリットや、さらには、岡山大学法学部で学ぶことのメリットなどお聞かせください。」


広川:「法学部での勉強は単に法律を知るということだけでなく、論理的思考力を鍛えることにつながると思います。そのため、直接法律を扱う仕事につかなくても法学部で鍛えた思考力が武器になると思います。また岡大は学部とローのつながりが強いので、法曹を目指そうとしている人には充実した環境が整っていると思います。」


川口:「法学部は進路の選択肢の幅が広いという点がメリットだと思います。岡山大学法学部には、進路について親身になって考えてくださる先生もいらっしゃいます。入学時点では将来の目標が定まっていなくとも、岡大法学部で自分に合った目標を見つけることができるのではないでしょうか。実際、私はゼミの原田先生に背中を押していただき司法試験受験を決心しました。」


黒神:「私の言いたいことをすべて言ってくださり、ありがとうございます(笑)。」


黒神:「司法試験に合格した学生さんと話す機会など普段はないので、今日は、本当に楽しかったです。ありがとうございました。これからみなさんのさらなる飛躍を期待しています。また、これからもぜひ岡山大学法学部のためにご協力いただければ嬉しいです。」


広川・川口:「ありがとうございました!」




2021年10月14日

第14回 ゲスト
朴志善 WTT助教



黒神:「今日のお客様は、法学部で政治学(政治過程論)を担当されている朴志善(バク・ジソン)先生です。朴先生は、ソウル大学で修士号を取得後、東京大学で博士号を取得され、2019年4月より本学法学部に着任されました。朴先生は、岡山大学のいわゆる『ウーマンテニュア制度』の下で採用されました。この制度は、大学が政府の助成を受けて推進している制度で、研究環境におけるダイバーシティ(多様性)を拡充する目的で、質の高い女性教員の雇用促進・育成を目的とした制度です。


 朴先生は、目下新進気鋭の政治学者として、学会等で広くご活躍されています。そのご活躍の一環として、先生のご研究は、先ごろ地元岡山の『公益財団法人ウエスコ学術振興財団』が主催する令和3年度学術研究費助成事業に見事に採択されました。また、教育面でも、オンライン授業やオンデマンド教材を上手に操って授業をされ、学生からの評判もすこぶる高いと伺っております。

 本日は、朴先生のご研究内容や、教育現場での取り組みなどについて、多くのお話をお伺いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。」


朴:「よろしくお願いします。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「まずは、このたびウエスコ財団の研究助成採択、おめでとうございます!私もとても嬉しいです。」


朴:「ありがとうございます。」


黒神:「先生のご専門は政治過程論ですが、今回助成を受けるご研究の内容について少しかみ砕いてお話しいただけますでしょうか。」


朴:「はい。今回採択されたテーマは、『日本における大統領制化のダイナミクス―安倍政権下の自民党政策会議の分析』です。第2次から第4次安倍政権について、自民党に対する安倍首相の政策的優位が指摘される中、党内のボトム・アップ的な政策決定は変わっていないとの指摘もあります。そこで、自民党の政策会議を分析して、政策決定過程における官邸主導および党主導がいかなる条件の下で変わるかを明らかにしようと考えています。」


黒神:「ありがとうございます。なかなかアップ・トゥ・デイトなテーマで、興味深いですね。」


黒神:「今回助成を受けた研究も含めて、全体として、これまでご研究されてきたことや、今後展開していきたいテーマなどについても少しお伺いできますでしょうか。」


朴:「そうですね。私の根本的な興味は、代議制民主主義国家における与党の役割にあります。博士論文では、与党が政府との関係の中で、いかに政策決定過程に参加するのかについて、日韓の『制度』を比較しました。今回の助成を受けた研究も、政府との関係の中で与党の行動に関するものと位置付けられます。今後は、政府だけではなく、支持団体との関係も分析枠組みに取り入れて、与党の政策行動を分析しようと思っております。」


黒神:「とても意欲的ですね。これからのご研究の発展がますます楽しみです。」


黒神:「話ががらりと変わりまして、先生は、教育についてもとてもご熱心だと伺っております。岡山大学の学生にはどのような印象をお持ちですか。


朴:「ひとことで言って、『まじめで優秀』だと思います。授業の中で求められる課題を素早く把握して、それに答えてくれます。また、自分の意見を述べるときには、慎重で思慮深い学生が多いように感じます。授業後のリアクションペーパーなどで、積極的に自分の考えを伝えてくる学生が多く、ここまで考えていたのかとこちらが驚くこともよくあるんですよ。」


黒神:「授業を実施するうえで気を付けている点や、工夫されている点などありますでしょうか。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




朴:「政治学の理論や知識、現実の政治上の課題に関わる議論をいかにうまく伝えるかということについて、日頃気を付けている点はいろいろありますが、コロナ禍の現在は、何よりも授業中のコミュニケーションのとり方を重視しています。講師と受講生とのコミュニケーションも大事ですが、オンライン授業の中で、学生同士のコミュニケーションが難しくなっています。そこで、アンケートやリアクションペーパーなどを活用して、述べられた争点について、私の解説だけではなく、それに関する他の学生さんの多様な意見を紹介するなど、工夫をしております。」


黒神:「なるほど。オンライン授業でもうまく学生の意見を引き出して、フィードバックされているんですね。素晴らしいです。」


黒神:「それから、朴先生は在東京の韓国大使館でもご勤務されていたこともあって、以前、韓国大使館の方にも本学にお越し頂いて講演会を開催して頂きました。その節は、ありがとうございました。今後、学部としても国際交流にも力を入れていきたいので、朴先生にはぜひお力をお貸し頂きたいと思っています。」


朴:「学生さんには、外国での生活をなるべく経験してほしいと思っています。とりわけ、私の出身国であり、日本の近隣国である韓国にも、ぜひ、お越しいただきたいです。日韓は、東アジアの民主国家として価値を共有しながら、少子高齢化など、社会的な課題も多く共有します。日韓の学生の皆さんがお互いの国を経験し、両国の社会における問題と解決策について議論できる場を作ることに、私ができることがあれば、微力ながらお役に立ちたいと思っております。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「ありがとうございます。もっとお話を聞きたかったのですが、そろそろ時間となってしまいました。これからのますますの研究のご発展を期待しております。本日はお忙しい中、学部長の部屋にお越し下さり、本当にありがとうございました!」


朴:「ありがとうございました!」



2021年9月7日

第13回 ゲスト
園田慎君(法学部4年生)、清原和昭君(法学部3年生)、濵田陽子先生(法友会顧問)
~法学部公認サークル「法友会」の内閣総理大臣表彰を祝して~



黒神:「今日のお客様は、岡山大学法学部の公認サークルである『法友会』の前代表、法学部4年生の園田慎君と、現代表、法学部3年生の清原和昭君です。法友会は、昨年に続き2度目の登場となります。また、前回同様、法友会顧問の濵田陽子先生にもお越しいただきました。法友会は、これまで地道に地域の中高生に法教育を実施して参りましたが、このたびその功績が認められ、なんと消費者庁から『消費者支援功労者表彰』の中の内閣総理大臣表彰に選ばれました。


令和3年度 消費者支援功労者表彰 被表彰者等一覧


去る6月30日に、首相官邸で表彰式がありました。



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本日は、法友会が実践する法教育についてお伺いしたいと思います。皆さん、よろしくお願いします。」


一同:「よろしくお願いします。」


黒神:「まず何はさておき、このたびは、内閣総理大臣表彰の受賞、本当におめでとうございます!!今回の受賞は、学部のみならず、大学全体にとってじつに名誉なことです。今までの皆さんの地道な活動がこうして実を結んで私も本当に嬉しく思っています。」


一同:「ありがとうございます!」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「まず、お伺いしたかったのは、今回、どうして消費者庁から表彰されることになったのですか。」


園田:「法友会は2017年度に本格的に法教育活動を始めたのですが、そのときから授業内容や中学校や高校との調整について岡山県消費生活センターさんにご指導、ご協力をいただいていました。また2018年には岡山県消費者啓発セミナーボランティア講師に登録して、地域社会への貢献の一環としても法教育、消費者教育活動を行ってきました。今回は、法友会が中学校や高校に出向き、社会科の授業の一環として消費者教育を継続的に行ってきたという点を高く評価していただき、表彰をいただくことになりました。」


黒神:「そうですか。これまで消費者センターの方々にお世話になりながら、地道にこの活動を続けてこられたんですね。たしかに、中学校や高校の授業の一環として、大学生が法教育を行っているということは、全国的にも珍しいということを私も聞いています。」


黒神:「これ以外に、地元の弁護士会とも連携して、『ジュニア・ロースクール岡山』のような活動もされています。これについても、簡単にお聞かせください。


清原:「『ジュニア・ロースクール岡山』へも2017年度からチューターとして参加させていただき、2018年度からはチューターだけでなく授業も1コマ担当させていただいています。授業は、契約やSNSへの書き込みなど身近な事案をテーマに、講義とグループ・ディスカッションを組み合わせた形式で行います。2022年4月1日に成人年齢が18歳に引き下げられるので、今年度は、未成年者契約と成年者契約の違いに焦点を当てた教材で授業を行う予定です。」



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右:園田君 左:清原君 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「素晴らしい。毎年教材も進化していっているんですね。ところで、法教育を地元の中高生に対して行うことの難しさはありますか。」


園田:「日頃授業で使っている用語が通じず、日常的に使っている言葉に翻訳して説明しないといけないところです。油断して法律用語を使うと、中学生・高校生が置いてけぼりになってしまうので、細心の注意を払っています。また、具体例が長い場合があるので、設問に移る前に各グループで事例の簡単な確認をして参加者の理解の手助けをしています。」


黒神:「逆に、法教育活動を行っている中でやりがいはどのように感じられますか。」


清原:「法律を普段から学ぶ私たちとは異なる視点からの、中高校生ならではの様々な考えを得られたときに特にやりがいを感じます。法教育では、法律的に正しい答えのみを中高生に求める訳ではありません。結論よりも、答えを出すための議論や考える過程を重視します。そのために私たちは、説明の仕方や問いの立て方を工夫して、中高校生が活発に議論し、より深く考えられるような授業づくりを心がけています。」


黒神:「顧問の濵田先生から見て、法友会の学生たちはどんなふうに映っていますか。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




濵田:「法友会の学生の素晴らしい点の一つは、他者の役に立とうとする気持ちをもっている点です。教材研究や授業前後の打合せでは、いつも先輩が後輩の活動や学びをサポートしています。後輩は先輩が残してくれた教材やマニュアルを発展させて、より分かりやすく質の高い授業の実現に向け努力しています。彼らのたゆまぬ向上心と人に貢献する姿勢が今回の受賞に結びついたのだと思います。」


黒神:「なるほど。人のために汗をかく者が少ない中で、法友会の学生たちの心構えは本当に素晴らしいですね。ただ、彼らももちろん素晴らしいのですが、それを横で支えてこられた顧問の濵田先生のご指導あってのことと思いますよ。いつも本当にありがとうございます。」


黒神:「前代表の園田君に質問です。法友会には現在何名くらいのメンバーが所属していますか。法友会は、今回取り上げている法教育以外にも、金沢大学法学部との交流会や、法学部の下級生に向けた履修説明会や勉強会など多くの活動をしていると聞いています。法友会は、これまで長年、法学部の学びを支えてきたわけですが、サークルが存続してきた理由のようなものはありますか。代表として、組織を運営していくうえで気を付けてきたことなどがありましたら、お聞かせください。



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




園田:「現在、法友会には68名の学生が入会しています。法友会がここまで続いてこれたのは、硬過ぎない雰囲気があったからだと思います。法友会という名前から真面目なサークルという印象を持つ人が多いのですが、実際は学部生同士の繋がりを作るプラットフォームのような役割の方が強く、その繋がりをもとに各活動が成り立っています。そのため、代表としては会員同士の繋がりをどうしたら強くできるかということを念頭において運営をしていました。」


黒神:「ありがとうございます。今度は、現代表の清原君に質問です。今後、法友会をどのように運営し、盛り上げていこうと思っていますか。」


清原:「間もなく成人年齢が18歳になります。法教育の受講生はこれから成人になる中高生です。法友会では、さらに法教育の質を高め、受講生の心に残る授業を展開していければと考えています。また、法友会の活動目標のひとつは、会員の勉学の向上心を高めることです。法教育に限らず、会員にとって意義のある活動をこれからも企画していく所存です。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「今回の対談を通じて、法友会というサークルは、法学部学生の勉学のためのみならず、地域のために尽力してきたということが本当によくわかりました。前回も申しましたが、学生時代のこの経験は、将来、いかなる進路に進まれてもきっと役に立つと思います。これからも法学部はもちろん地域のためにも、いっぱい汗をかいてください(笑)。本日は、本当にありがとうございました!」


一同:「ありがとうございました!」



2021年7月12日


第12回 ゲスト
河津拓未さん(岡山大学生協ブックストア)、中島一彰さん(岡山大学生協食堂)



黒神:「今日のお客様は、岡山大学生協の河津拓未さんと、中島一彰さんです。学生の皆さんにとっては、毎日お会いする『生協のお兄さん』たちとしてよく知られているのではないでしょうか。逆に、お2人が岡大法学部出身だったんだということで驚いている方も多いのではないかと思います。お2人は、学生の入学から卒業までをずっと見届けてきていらっしゃるので、私とはまた違った目線で岡山大学や学生を見てきておられると思います。その意味で、本日の対談を楽しみにしております。よろしくお願いいたします。」


河津・中島「よろしくお願いします。」




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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「まず、河津さんにお伺いします。河津さんは、ご卒業後、生協で何年くらい勤務されていますか。以前は、書籍部で教科書の発注などお世話になりましたが、それも含めてどんな業務に携わってこられましたか。」


河津:「わたしは2009年から岡山大学生協で勤務しているので、もう12年目になりますね。生協に入ったときに知ったんですが、生協は入社ではなく入協っていうんですよ。そんな言葉があったんだ、と思いましたね。入協後は書籍部で教科書や読書マラソンなどの担当をしていました。その後、ブックストアの店長になり、現在はショップ全体のマネジメントや、新入生向けの教材・パソコンなどの担当をしています。」


黒神:「生協で働くようになったきっかけについてお聞かせください。」


河津:「法学部卒業後は、広島の一般企業で働いていたのですが、結婚を考えていたこともあり岡山に移住しようかと思っていました。そんな折に、大学時代に所属していたアメフト部の恩師から、『大学生協が求人出しているぞ』とご紹介いただいて面接を受けましたね。キャリア開発センターの先生方にもお世話になりました。」




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 河津さん  (撮影時のみマスクを外しています。)



黒神:「河津さんは、アメフト部でしたか。うちのキャリア開発センターは、卒業後の学生の転職などの面倒も見て下さるので、本当に有難いですよね。」


黒神:「仕事をしていてやりがいを感じるのはどんなときでしょうか。」


河津:「学生のときは生協をほとんど利用していなかったんですが、入ってみると仕事の幅が広くて面白いですね。食堂は代表的なものですが、不動産や書籍、講座運営、広告など、学生生活に関わることで、やりたいと思ったことは何でもできるので楽しいです。やりがいは、学生と一緒に企画を立てて実行することでしょうか。最初はふんわりした意見の学生さんが多いんですが、実際に企画を実行に移すときは必ず壁があります。この壁を一緒に乗り越えることが楽しいですね。その学生が、次の後輩に引き継いでいく姿をみると、すごく成長しているのがよく分かります。私も置いていかれないように必死です。」


黒神:「ありがとうございます。では、中島さんにお伺いします。中島さんは、体が大きいので、1年生のときから私の大講義室での授業でも、一番後ろの席で目立っておられたのを未だに覚えております(笑)。今は食堂にいらっしゃいますが、それは希望して行かれたんですか。今、働かれて何年くらい経ちましたっけ。」


中島:「今でも変わらずどこにいても目立つようです(笑)。ぼくはそもそも生協に入ったきっかけが、当時の食堂部長の方からのお誘いでした。学生の時は生協でパソコン講座、新入生サポートセンターのアルバイトをさせていただいており、サポートセンターではメインがお部屋探しのお手伝いでしたので、希望は不動産関連でした。ただ部長に誘っていただいたこともあり、食堂部の配属になりました。今年で6年目になります。」



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 中島さん(撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「学生がマナーが悪かったりすると思うんですが、なんかご苦労とかありますでしょうか。この際、この場で吐き出してみてください(笑)。」


中島「ほんとにしいて言えばですが、閉店間際に駆け込みで来られて、メニューが少なすぎる、と言われたことでしょうか。もちろん切らさないよう準備はしているつもりですが、食材ロスとの兼ね合いもあり、どうしても売り切りにしてしまうこともあるので、心苦しいな、というところです。学生が忙しいのはもちろん承知しています。最後にお願いにはなりますが、ほとんど1日中開いている店舗ですので、余裕をもって利用していただけたらなと思います。」


黒神:「そうですよね。駆け込みは困りますし、そんなにバタバタして食べてもらっても消化にもよくないですよね(笑)。」


黒神:「逆に、何か日々の業務で楽しいことや充実していることなどありますか。」


中島:「やっぱり食堂に来て楽しそうにメニューを選び、食べてくれている姿を見ることでしょうか。今は少し現場に入ることが業務的に減り、そういった機会は少なくなりましたが、やはりそれに尽きると思います。またパートさん、アルバイトさんと店の運営を組み立て、皆さんの食を支えていくことにやりがいを感じています。」


黒神:「非常に漠然とした質問ですが、今の学生さんたちを見て、お2人が学生だったときと比べて何か変わった点などありますでしょうか。また、大学全体の雰囲気の変化とかでもお気づきの点などありましたら、お聞かせください。」


河津:「私が学生のときは部活が生活の100%だったので、いまの学生さんはいろいろなことをマルチにこなしている印象がありますね。やらないといけないことが多くて、忙しいとも言えるかもしれません。そして計画的で、頭が良くて、おしゃれです!計画的な分、すこし見切りが早いというか、無理しないところもあるような気がしますね。もちろんいろいろな学生さんがいるので一概には言えませんが。」


中島:「勉強に取り組む姿勢だったり、生活に対する考えだったりがとてもしっかりしているな、という印象を受けます。また世の中の情勢ということもあるかもしれませんが、非常によくいろんな情報を利用しているなと思います。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「ありがとうございます。今振り返ってみて、もし、お2人が現在学生だったとしたら、何かやっておきたいことってありますか。」


河津:「やっぱり勉強ですね。もっと勉強しておけばよかったと思います。私の中でアメフト部での経験は代えがたい大切な要素ですので、部活ばかりしていたことに対する後悔はないです。ただ、社会人になってみると大学時代にあまり勉強をしなかったという事をもったいなかったと思いますね。当時受講していた小畑先生の日本政治史、大森先生の法哲学、小田川先生の政治思想史、黒神先生の国際法の講義など、純粋に面白かったので、概論的な講義だけでなくもっと深く勉強すればよかったと思いますね。今も本や動画で独学することは出来ますが、教えてもらうことは出来ないので、もったいなかったなと。」


黒神:「あはは、私の科目も入れてもらって恐縮です(笑)。」


中島:「大学1年から社会人の方に関われるような団体に所属したり、活動したりしたかったなと思います。僕はずっとバスケをしており、卒業の年ごろから社会人バスケに参加するようになりました。その同時期ぐらいに瀬戸内市邑久町での地域ボランティアにも参加しました。そういった場で大人の方と話すにつれて物事の視野が広がったように感じます。」


黒神:「素晴らしいですね。他にもありますか。」


中島:「はい、その他に勉学面で言えば、何か1つでも法律に関する資格の勉強をしておけばよかったなと思います。社会に出ると思った以上に時間がないこと、また勉強するとなると独学が主になるので、つまずいた時に質問できずなかなか前に進めないということなどに気づかされました。就職活動をしていく中で、社会に出ていく中で、資格があることで活動の幅がさらに広がったのではないかなと思っています。」


黒神:「ありがとうございます。最後に、後輩である法学部生たちに対してひとことずつメッセージをいただけますでしょうか。」


河津:「これからのAI社会には、理系的な考え方はもちろん大切だと思いますが、正義や公平を基本にする法学的な考え方についても、もっともっと大切になると思います。大学生協は学生のみなさんが、自分たちの大学生活を良くするために、みんなで一緒に考えて、運営する組織です。勉強や部活に集中するためにも、上手に「利用」してもらえればと思います。何かやりたいことがあれば教えて下さい!ぜひ一緒にやりましょう。」


中島:「このコロナ禍によって、自分たちがいたころよりもさらに自分で勉強していかなければならないようになっていると思います。オンラインになってつい『1人で解決しないといけない』と思いがちという話も聞きました。1人で勉強して解決しないことがあれば、無理に独学で行おうとせず、誰かに助けを求めてもいいと思います。勉強のこと以外でも岡大の先生方は相談したら親身に応じてくれます。僕自身本当にいろんな先生方に気にかけていただきました。なのでまずは相談する勇気を持ってください。また大人になってからでは、『自分がしたい』勉強はなかなかできないことが多いです。いまのうちに、したいと思った時にその勉強を始めてみてはいかがでしょうか。」


黒神:「本日は、お忙しいところ、わざわざ学部長の部屋にお越し下さり、ありがとうございました!これからも、われわれの大学生活をいろんな面でサポートしてください!」


河津・中島:「ありがとうございました!」




2021年6月7日


第11回 ゲスト 尾原玲花さん(法学部4年生)


黒神:「今日のお客様は、法学部4年生の尾原玲花さんです。尾原さんは、さきごろ学部を代表して本学の「金光賞」を受賞されました(金光賞は、法文学部第4期生、故・金光富男様のご厚志による寄附に基づく賞で、グローバルに活躍しかつ学業成績が優秀な学生に贈られる栄誉ある賞です)。尾原さんは学業成績もきわめて優秀ですので、今日は、これまでの学生生活についていろいろとお伺いできればと思っています。よろしくお願いします。


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黒神:「尾原さん、まずは、金光賞受賞、おめでとうございます!」


尾原:「ありがとうございます!」


黒神:「金光賞は、まず、グローバルに活躍した学生が対象となっております。尾原さんはどちらに留学されたんでしたっけ。」


尾原:「はい、2019年8月から12月まで、カナダのケベック州にあるビショップス大学に留学しました。」            


黒神:「ケベックですか。ヨーロッパの雰囲気もあるいい町に留学されましたね。あちらでの生活や、思い出などについてお聞かせいただけますか。


尾原:「はい。学習面では、演劇学部生として演劇に打ち込んだのですが、私は、それまで、本格的に演劇をした経験が無かったんです。触れたことのないもので溢れた世界で、心躍る日々を送りました。講義としては、ひたすら即興で演じるアクティブなものも、舞台芸術について学ぶものもあったのですが、中でも、数か月かけて1つの舞台を完成させた講義が印象的です。」


黒神:「へー、しかし、外国というだけでもたいへんなのに、さらにたいへんな世界にチャレンジされたんですね。」


尾原:「はい、その講義は、本来、大学の3回生、つまり、演劇に3年以上打ち込んできた学生しか履修することのできない講義で、演劇経験のない、そして、英語を母語としない私には難しいだろうと先生にもいわれました。」


黒神:「それはそうでしょう。きっと並々ならない努力をされたのでは?」


尾原:「はい、毎晩行われる稽古の中で、英語力や演技力で明らかに周りに劣っていると感じながらも、本で調べて考えを深めたり、動画を観て分析したりしました。仲間の学生や監督にアドバイスや激励を受けながら、なんとか最後まで駆け抜けました。この経験を通して、私の精神力はこの上なく鍛えられましたね(笑)。また、公演後、観客の皆さんの投票の結果、「最も印象的だったキャラクター賞」に選んで頂いたのが嬉しかったです。」


黒神:「それはすごい!!金光賞よりもある意味レアな賞を受賞されましたね(笑)。」




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 (撮影時のみマスクを外しています。)



黒神:「ご帰国後も、大学の国際交流に一役買っておられると伺いました。どのような活動をしてこられたんですか。」


尾原:「そうですね。帰国後は、個人的に、後輩から留学の相談を受けたり、留学のプレゼンテーションをしたり、以前にも増して高校生の言語学習を手伝ったりしてきました。また、昨年の秋に、米国務省『重要言語奨学金(CLS)プログラム』にランゲージ・パートナー(LP)として参加しました。本来は実際に大学に来られたアメリカの学生たちと交流するものなのですが、コロナ禍の影響で昨年はオンラインの実施となったんです。初めは非常に残念だと思ったのですが、ルームツアーや店紹介、おにぎり作りなど、様々工夫を凝らしながら活動を進めていき、主に日本文化理解を通してパートナーと仲良くなっていく過程で、オンラインでの国際交流が可能であることを実感しました。」


黒神:「金光賞のもう1つの基準となっている成績優秀であることに関しては、尾原さんは学年でもずば抜けて優秀な学業成績を収めていらっしゃいますが、普段の受講や予習復習の仕方など何か気を付けていることはありますか。」


尾原:「私は、殆ど毎日アルバイトをしていたので、講義外で確保できる時間が限られていました。しかし、アルバイトを楽しんでいたこともあり、アルバイトの時間を減らさないまま勉強も頑張ろうと決めていたのです。その結果、予習復習にかけられる時間は少なく、私にとって、講義中が最も重要な勉強時間となりました。各講義の終了時点で、その講義内に理解すべきとされていながら自分が理解できていない内容が無いように、と自分に勝負を挑んでいたんです(笑) 。初回講義から試験を意識し、直前の2週間から各講義の試験前日までは、時間を見つけては総復習を繰り返す日々です。」


黒神:「それは教師の立場から見ても、模範中の模範学生ですね。」


尾原:「…とはいいましたが、講義の数も多かった上に、私にも精神的な波があるので、これが貫ける講義ばかりではありませんでした。また、努力の甲斐なく、思ったような評価を受けられないことも少なくありませんでした。よくも、我(が)、というか、一種のプライドを折らずに持ち続けられるなと自分でも不思議です。『何の為に』と問われることも多いのですが、とにかく自己満足でも、我流で学習の質にこだわり続けていることが良いかなと思います。ただ、唯一の後悔は、その刹那的に学んだ全てを、今現在長期的な記憶にはできていないということです。今とは異なる進路を希望していたということもありますが、もっと頑張れたなあと思えてしまう点で過去の自分を少々残念に思います。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




黒神:「ここまでストイックに勉強して立派な成績を収めたのに、まだ反省されますか…(笑)。ところで、尾原さんは、大学外でも、社会貢献活動をされているとのことですが、そのことについても、少しお聞かせください。」


尾原:「以前、学部長の部屋に登場された上田彩夏さんから引き継ぎ、現在、岡大犯罪被害者支援ボランティアsmileの代表を務めています。この時世で、活動がかなり制限されているのですが、進行中の活動はいくつかあります。具体的には、あした彩への所属を同じくする他大学の希望者と共に作成していく人形劇、smile独自には、『あなたへ』という被害者支援パンフレット英語版のデザイン、漫画版パンフレットの模索など様々です。講演会、シンポジウム、勉強会など、普段定期的に催されるイベントの開催の如何は不確かなので、目的を見つめ直しつつ、この時世でも私たちにできる活動を試行錯誤している最中です。」


黒神:「犯罪被害者支援の活動は、着実に法学部の学生さんたちが引き継いでいってくれているんですね。たしか、尾原さんは大学からSDGsアンバサダーの称号を与えられていたと思うのですが。」


尾原:「はい、SDGsアンバサダーの内部団体『めろでぃー』としては、性の多様性が認められる社会という目的を形にするにはどうすべきか議論を重ねています。最近では興味深いアンケート結果が得られたので、これからその分析に取りかかろうかという段階です。SDGsに関しては、これまたこの時世で、やりたいけれどもできない活動がたくさんあるので、案だけでも未来の同志に残せたら、と私は考えています。個人的には、将来的にレインボーパレードを実現したいです。」


黒神:「数々の素晴らしい活動をされているんですね。驚きしかありません。最後に、尾原さんは、ちょうど4年生になられたということで、将来どんな道に進まれるのですか。」



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 (撮影時のみマスクを外しています。)




尾原:「法曹の道に進みたいと思っています。以前は、自分にはこれといってやりたいことが無いと思っていたんです。しかし、自粛期間中の自己対話を経て、進路希望が大きく変わりました。…というよりも、夢を思い出して、すとんと腑に落ちたという感じですかね。ふと、私はどうして法学部にいるのだろうと思ったんです。様々尋ねてみると、私が小学生の頃に弁護士になりたいと言っていたことを母が教えてくれました。私はそれを忘れていて、その時、将来の自分の姿を常々意識してはいなかったんだなと思いました。」


黒神:「法曹への憧れがずっと眠ってたんですね。」


尾原:「はい、きっと法曹への憧れが自分に内在することが当たり前になり過ぎて、ずっと在ったのに、ずっと夢見ていたのに、気が付かなかったんです。それを自覚してからは、目指すしかないと焦燥感に駆られてすらいます。また、無意識的に惹かれてきた法学の一方で、私は意識的に国際交流や言語学習をしてきました。グローバル化の進む中で、多くにおいて異なる国々が共生するには多角的な理解が必要であるということに魅力を感じており、主に比較法的に研究したいと思っています。興味関心に加え、これからの猛勉強を以て、世界を股にかける国際弁護士になりたいです。」


黒神:「素晴らしい夢ですね!!ぜひその夢に向かってチャレンジし続けて下さい!これからも、いっそうのご活躍を期待しています。今日は、ありがとうございました!」


尾原:「ありがとうございました!」



2021年4月21日

2021年度入学の新入生のみなさんへ



 皆さん、このたびは、ご入学おめでとうございます!

 昨年度は、コロナ一色の1年でした。皆さんは、制約の多い中で、受験の準備を周到にされ、無事、岡山大学法学部にご入学されました。皆さんの頑張りに敬意を表します。そして、岡山大学法学部を選んでくださり、有難うございます。入学のお祝いの言葉を述べると同時に、皆さんがわが法学部に寄せておられる期待に応えなければと、責任の重さもひしひしと感じております。


 大学での4年間は、いわば皆さんの「幅(はば)」を広げるための4年間だと思っています。ひとことに「幅」といいますが、いろんな「幅」があります。まず、「知識・情報の幅」があります。大学で学ぶ法学・政治学の専門知識、低学年のときに学ぶ教養の知識や語学の知識をしっかり学んでその幅を広げてください。

 

 次に、「経験の幅」もあります。皆さんは、自分の興味や関心から、部活やサークル活動、社会に出て行うボランティア活動、あるいはアルバイトなどさまざまな活動を行うようになると思います。こうした「経験の幅」を広げることで、皆さんは社会性を身に着け、今後の人生への自信へとつなげていくことができると思います。

 

 最後に、「人的ネットワークの幅」が挙げられます。大学で友達と学び、先輩と付き合い、先生から指導を受けることは、常に人と人とのつながりに基づいています。大学時代に築き上げた人的なネットワークは、かけがえのないものです。かくいう私も、大学時代に築いた人との関係は、未だに切れることなくつながっております。このネットワークにこれまで幾度となく助けられ、また、癒されてきました。大学4年間で、できるだけ多くの人たちと出会い、この幅を広げていってもらいたいと思っています。


 このように、これからの4年間で、皆さんの今持っているさまざまな「幅」が広がっていく過程を、我々教員一同は一緒に楽しみたいですし、また、それを手助けしようと意気込んでいます。

 このたびは、ご入学、本当におめでとうございました!



2021年4月2日

法学部長 黒神 直純


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「学部長の部屋」開設1年によせて



 早いもので、「徹子の部屋」を真似して、この「学部長の部屋」を開設してから1年が経ちました。法学部の関係者の方々、地域の方々、私のことをよく知る方々などじつに多くの方に支えて頂き、今日までこのコーナーを続けることができました。この場をお借りして、お礼を申し上げます。本当に有難うございました!

 

 学業や課外活動に頑張る法学部生、社会で頑張る卒業生、学部の教育・研究を支える先生方など多くの方と対談してきました。皆さんに共通していえるのは、私との対談を常にご快諾くださったことです。ご出演頂いた皆さんすべて、法学部を思い、盛り上げようと思ってくださる「岡大法学部愛(岡法愛)」に満ち溢れていたように思います。その意味で、この「学部長の部屋」を開設して本当によかったな、としみじみ思っています。


 2021年度もいよいよ始まりました。今年度も、昨年度以上に、「岡法愛」に満ち溢れた方々にお声掛けして、その愛を引き出す対談を重ねていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします!



2021年4月1日

法学部長 黒神 直純



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第10回ゲスト
東原佑翔君、宮本大雅君、渡邊裕樹君 (岡山大学法務研究科 院生)



黒神:「今日のお客様は、このたびめでたく司法試験に合格した、東原佑翔君、宮本大雅君、渡邊裕樹君です。この3名のみなさんは、岡山大学法学部出身で、現在うちの法務研究科に所属しておられます。東原君は、岡山城東高校出身で、渡邊君は岡山朝日高校出身と、地元から法曹の道を目指されました。また、宮本君は明石のご出身ですが、岡大法学部から関西圏のロースクールには行かず(笑)、うちのロースクールを選んで進学されました。今日は、みなさんそれぞれ大学時代から司法試験を目指すに至った経緯や、岡山大学の学部とロースクールでの学習環境などについて、ご経験を踏まえてお伺いできればと思っています。みなさん、よろしくお願いします。」


一同:「よろしくお願いします。」


黒神:「みなさん、まずは、司法試験合格、おめでとうございます!ちなみに、今年も、9名の合格者のうち岡大法学部出身者が6名も占めていたということで、私も本当に鼻が高いです。」


一同:「ありがとうございます!」



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左から東原君、宮本君、黒神法学部長、渡邊君 (撮影時のみマスクを外しています。)



黒神:「早速ですが、何をきっかけに法曹を目指そうと思われたんですか。」


東原:「社会生活を送る上で法律は切っても切れない関係にあると思います。何をするに当たっても、法律が関係してくると思います。そういった意味で、法律を専門にした職業は重要だと考えていました。そこで、それを専門にした職業である法曹業界を目指すに至りました。」


宮本:「高校生の頃から、人助けになる仕事をしたいと考えていました。自分ができることで人助けをする職業と考えると、法律を使った職業が向いているのではないかと思い、漠然と法曹を目指しました。その後、学部2年生や3年生の時にゼミに入り、司法試験の受験を真剣に考えるようになりました。」


渡邊:「法学部に入ったときには公務員か法曹のどちらかをイメージしていました。最初は漠然と公務員になろうしていましたが、その後、自分には合わないのではないかと思って法曹を志すことを決断しました。自己の責任と裁量でのびのびと仕事をする法曹の姿に魅了されたところが大きいように感じています。」


黒神:「そうですか。入学当初は、まだ明確に法曹の道を考えておられたわけではないんですね。」


黒神:「学部の高学年になったときには、徐々に学習も本格化してきたと思いますが、みなさんゼミはどこに所属しておられたんですか。そこではどんなことが役に立ちましたか。」


東原:「3年生の時は、塩谷先生の刑法のゼミに参加させて頂いておりました。4年生になり、原田先生の刑事訴訟法のゼミと、濱田先生の民訴ゼミに参加させて頂いておりました。片方のゼミは聴講させて頂いておりました。また、2年生の頃から、課外ゼミとして米山先生の商法ゼミにも参加させてもらうようになりました。」




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東原君(撮影時のみマスクを外しています。)






宮本:「3年生の時は、原田先生の刑訴ゼミに参加していました。4年生の時は、同じく原田先生の刑訴ゼミと濵田先生の民訴ゼミに参加していました。僕も東原君と同じく、課外で2年生の頃から米山先生の商法ゼミに参加していました。米山先生のゼミでは、司法試験直前期のロースクール生と一緒にゼミ報告をさせて頂いていました。先輩と一緒に勉強することで目標を身近に感じ、司法試験の受験への意識が強くなりました。」


渡邊:「憲法が苦手だったので、3年生の時も4年生の時も憲法を研究されている山田先生にお世話になりました。ゼミでは、判例の射程というテーマで、類似の判例の共通点と相違点とを明らかにしていました。司法試験も判例の事案を少し変えて出題してくるので、どのように判例を応用させればよいかが大変参考になりました。」


黒神:「学部生でありながら、ロースクールの先生のゼミに参加させてもらえて、先輩と一緒に勉強できるというのは、アットホームなうちの学部とロースクールならではのメリットですね。」


黒神:「ロースクール進学を考えたとき、皆さんはうちのロースクール以外にも選択肢はあったと思うのですが、何故うちのロースクールへの進学を決めたのですか。とくに、他の人と違って、宮本君は関西の出身なのに、よくうちのロースクールに進学されましたね。」


宮本:「他の大規模なロースクールに行くと、先生が学生の顔と名前を憶えてくれないと聞き、そのような環境で、先生の力を借りずに合格するのは自分では無理だと思いました。また、学部生の時に岡大ロースクールの資料室でアルバイトをしていたので、学生の方が、資料室で気軽に先生に質問しているのを見て、学習環境が整っていると思いました。そこで、僕は、1人だけで勉強して司法試験に合格する自信がなかったので、指導が手厚い岡大ロースクールに進学しました。」




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宮本君(撮影時のみマスクを外しています。)






黒神:「そうでしたか。そういってもらえると本当にありがたいですね。宮本君のような学生さんがもっとたくさんいると嬉しいのですが笑。」


黒神:「うちのロースクールで学習することのメリットはどんなところにありますか。」


渡邊:「奨学金や学費の免除など金銭面での補助が手厚いです。また、ほかの有名なロースクールと比べても1学年の学生数が少ないことから学生同士がすぐに仲良くなりやすいです。そのため、自主ゼミなどが積極的に開催される傾向があり、1人ではあまり勉強が進まないという方も勉強のペースをつかみやすいのが特徴です。」


東原:「少人数のため、学生同士の縦・横のつながりが強く、わからない点があれば同期や先輩に気軽に質問でき、自分たちで自主ゼミを組んで共に勉強できる点は非常に良かったです。また、授業についても、少人数で教授から回答を求められるため、必ず1回の授業に1度は自ら発言する機会があり、授業に能動的に参加できる構造となっており、緊張感をもって授業が受けられ、より学習した内容が自分の頭で考えるので定着しやすかったと思います。さらに、先生方も優しく、親身になって色々な質問に答えてくださったり、アポをとらずに質問に行かせていただいたとしても、丁寧にご指導してくださったり、課外ゼミに協力してくださっていました。」


黒神:「今年は、とくにコロナ禍の中で、制約も多かったことと思います。みなさんの間で、モチベーションを保つためにどのような工夫をされましたか。」


東原:「同期の友人とteamsで繋いで、自分の勉強している姿を映し、オンラインで自習室のような環境を作り上げて共に勉強していました。」


渡邊:「作成した答案をグーグルドライブで共有し、互いに添削や議論をしていました。定期的に答案を書く習慣を途切れさせないことが重要だと思っていたからです。」




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渡邊君(撮影時のみマスクを外しています。)






黒神:「みなさんは、すでに後輩の学部生に対しても学習のサポートをしてくださっていると聞きました。具体的にどんな形でのサポートをされてるんですか。」


宮本:「今は、合格者ゼミとして、新2・3・4年生向けに答案の書き方を教えるゼミをしています。僕自身、最初は授業を聞いても何をどう書いたらいいかわからず、勉強が進みませんでした。そのため、答案の書き方やお作法を学んで頂き、学部生の勉強のモチベーションアップを図りたいと思っています。このゼミは、法曹志望以外の方もたくさんご参加いただいており、司法試験合格に必要な事項はもちろん、公務員試験や大学の定期試験でも役立つような内容を心がけています。」


黒神:「司法試験に合格した先輩が、直接手厚く指導してくれるような環境があるということが素晴らしいですね。後輩も心強いことでしょう。」


黒神:「将来、みなさんはどんな法曹を目指しておられるのですか。」


渡邊:「程度の差はあれど、弁護士事務所に来る依頼者は何かトラブルが生じた人だと思います。何とかしてほしいという依頼者の気持ちに寄り添うとともに、依頼者の希望を実現できる能力を身につけた弁護士になることが当面の目標です。」


東原:「幅広い案件を扱えることを前提にして、ある特定の分野ではだれにも負けない専門性を身に着けた弁護士になりたいと考えております。その過程で、困っている方たちの、法的・精神的な力になれればと考えています。」


宮本:「法曹を目指した動機が人助けにあるので、様々の分野での経験を積み、多くの方の助けとなれるような法曹になりたいと考えています。」


黒神:「皆さん、素晴らしい夢をお持ちですね。ぜひ今後も夢に向かって頑張ってくださいね。」




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黒神法学部長(撮影時のみマスクを外しています。)






黒神:「では、最後に高校生に向けたメッセージとしてお伺いします。司法試験の勉強や法学部で学ぶことのメリットはどんなところにありますか。」


宮本:「法学部の講義や、司法試験の勉強は、他学部と異なり大学受験までの知識が必要ではなく、大学受験の勉強と切り離されているという点がメリットだと思います。僕は、兵庫県立明石清水高校を卒業しました。母校は進学校ではなく、大学入学時の学力は岡大生の中でも下の方だったと思います。そんな僕でも、コツコツ勉強すれば、司法試験にも合格できましたので、大学受験までの学力に自信がない人でも、法学部や司法試験を目指すことができると思います。」


黒神:「大学入学と同時にいったんリセットして、そこから勉強を始めればきっと道は開けるということですね。力強いメッセージをありがとうございます。」


黒神:「普段はロースクールの学生さんたちとお話しする機会がないので、今日は、本当に貴重なお話を伺えてたいへん有意義でした。ありがとうございました。これからみなさんの大いなる飛躍を期待しています。また、これからもぜひ岡山大学法学部のためにもご協力ください!」

一同:「ありがとうございました!」



2021年2月18日


第9回 ゲスト
佐藤吾郎先生(岡山大学大学院法務研究科長)



黒神:「今日のお客様は、岡山大学法務研究科長の佐藤吾郎先生です。佐藤先生は2度目のご登場になります。じつは、第1回目の記念すべきお客様が佐藤先生でして、この4月から法学部に新しく設けられた中四国地区で初めての『法曹コース』(カリキュラム上の名称は「法曹プログラム」)についてお伺いしました。4学期もほぼ終わり、これから次年度生の募集に入ります(締切は2月10日まで)。今回は、申請を希望している学生に向けて、ぜひこのプログラムの魅力について語っていただければと思います。それでは、佐藤先生、よろしくお願いします。」


佐藤:「よろしくお願いします。」



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黒神:「法曹コースを開始して、ほぼ全学期が終了しようとしております。実施してみて、1年目の学生について、現状などお話しいただけますでしょうか。」


佐藤:「1年目は、40名の応募があり、32名がプログラムに参加しています。非常に熱心に勉強を続けていて、私どもとしても、大変嬉しい限りです。本学法科大学院の特徴は、法学部2回生が、法科大学院法学未修者コースの学生と一緒に、法科大学院の授業を前倒しで受講します。法科大学院の授業を、初めて接する法分野について、サポートなしで受けると、授業についていけなくなるおそれがあります。カリキュラムの編成としては、一度法学部で授業を受けた法分野、例えば、1年3学期に受講した憲法(統治)について、2年1、2学期に、同じ分野の法科大学院の授業を受けることになります。法科大学院の授業は、レポート提出、中間テストがありますので、作成の参考になるように、先生方から、優秀な内容のレポートを複数学生に提示しています。」


黒神:「学生目線で綿密に練られたカリキュラムですね。」


黒神:「ところで、今年は、コロナ禍の中での実施だったので、いろいろとご苦労が多かったものと思います。どんなご苦労がありましたでしょうか。また、それをカバーするためにどんな工夫をされましたでしょうか。」


佐藤:「今年度は、コロナ禍のため、オンライン方式で授業が行われました。2回生は、法科大学院生と同様に、レポートを提出し、中間テストを受けることになります。体系的に整備された法科大学院の授業を、スムーズに受けてもらうために、提出されたレポートの中で優秀なものを掲示したり、過去問を提供したりしています。授業は、録画され、いつでも聴くことができますので、理解の助けになったようです。」


黒神:「このコロナ禍の中でご苦労があったにもかかわらず、ロースクールの先生方は熱心に指導してくださったんですね。」


黒神:「それから、うちのプログラムのウリの1つとして、学修アドバイザー(本学法学部出身若手弁護士)の制度があったと伺っていますが、この制度はうまく機能しているのでしょうか。」




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(撮影時のみマスクを外しています。)






佐藤:「コロナ禍にあって、学生さんは、オンライン講義のため、孤立しがちです。私たち教員も、学生の様子がわかりにくい面があります。そこで、それぞれの学修アドバイザーの方には、担当している5名の学生さんと、少なくとも、月1回は、オンラインで面談を実施していただき、授業への要望などを聞いてもらっています。その要望は、授業の担当教員に伝えられます。さきほど、紹介させていただいた試験の過去問の提供は、オンライン面談を通じて、学生から寄せられた要望から実現したものです。」


黒神:「先輩である学生アドバイザーの若手弁護士の方々も、学生にしっかり寄り添ってくれている様子がよくわかります。」


佐藤:「そうなんですよ。先月27日に行われた新2回生向けの法曹プログラム説明会で、実際に法曹プログラムの学生さんに、学修アドバイザーにどのような指導を受けているかを話していただきました。勉強方法、進路、アルバイト、サークルなど、多岐にわたって、相談をしているようです。実際のメリットとしては、法曹を目指して、勉強をするとしても、2年生の時期に何をすべきか、実際の司法試験の問題をどうすればみることができるか、わかりやすい教科書、問題集は何かなど、先輩若手弁護士から聞くことができます。自分であれこれ悩んでしまう時間と労力を節約することができ、空回りすることなく、落ち着いて勉強を続けることができます。いわば、『法学の勉強の水先案内人として、非常にありがたい、頼りになる』とのコメントがなされました。今のところ、非常にうまく機能していると考えています。」


黒神:「素晴らしい制度ですね!私も学生の時に、『法学の勉強の水先案内人』が居てくれたらもっときちんと勉強できたのに…。今の学生が羨ましいです(笑)。」


黒神:「学習環境についても、工夫があるように伺っておりますが。」


佐藤:「はい、学習環境についての最近の取組について紹介します。既に、法曹コースの学生向けに、法曹を目指すという同じ志を持つ仲間とともに、勉強することができるように、という趣旨で、自習室を設置しています。学修アドバイザー制度の運用を通じて、経験豊富な先輩が身近にいるメリットが非常に大きいということがわかりましたので、身近な先輩に常にアドバイスをもらえるように、自習室を、2月中旬に、さらに一室増設することにしました。新たに設置した自習室の中には、学修アドバイザーや法科大学院生を指導する若手弁護士が利用するスペースを設けておりますので、常に、先輩と交流することができるようになります。」


黒神:「すばらしいですね!こういった先輩が常に横についてくれているということは、学生にとっても心強い限りです。」




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(撮影時のみマスクを外しています。)






黒神:「ところで、話は少し変わりますが、今年の司法試験の合格状況はどんな感じだったでしょうか。」


佐藤:「岡山大学は、9名合格しました。内訳は、修了生が8名、在学生が1名です。9名のうち、岡大法学部出身者は6名です。1回目で合格した既修コース修了者3名、2回目で合格した既修コース修了者2名、既修1年コース在学中に予備試験に合格し、既修2年の今年度に合格した者1名です。合格者に占める岡大法学部出身者は、一昨年度は、11名中9名、昨年度は、7名中4名、今年度は、9名中6名ですので、毎年、50%以上を占めています。岡大法学部を卒業し、岡大法科大学院を経て、司法試験に合格するルートが確立しつつあると考えています。岡山大学の場合、法学部在学中に、法科大学院教員が担当するリーガルライティング演習(法的文章の書き方を学ぶ授業)を受講することができますので、スムーズに法科大学院の授業についていくことができます。このような法学部と法科大学院との間の教育連携が、このような結果に結びついたと考えています。」

             

黒神:「法曹コースが軌道に乗れば、将来的にもこの状況がさらによくなることは間違いありませんね。これからも、学部とロースクールとがしっかり連携していっそうの成果を上げていきたいですね。」


佐藤:「はい、その通りです。こちらこそよろしくお願いします。」


黒神:「在校生のみなさんには、ぜひ中四国で唯一のうちの法曹コースから司法試験合格を目指してもらいたいと思っておりますので、応募の方、何卒よろしくお願いします!」


黒神:「佐藤先生、本日はお忙しい中、ありがとうございました。」


佐藤:「ありがとうございました。」



2021年2月2日

第8回 ゲスト
土岐将仁 准教授



黒神:「今日のお客様は、法学部で労働法を担当されている土岐将仁先生です。土岐先生は、東京大学のロースクールを優秀な成績で修了され、司法試験も合格された後、3年前に本学部にご着任された新進気鋭の研究者です。昨年『法人格を越えた労働法規制の可能性と限界――個別的労働関係法を対象とした日独米比較法研究』(有斐閣、2020年)という単著をご出版されました。このご本が、11月に「労働関係図書優秀賞」を受賞されたのに続き、12月には、「商事法務研究会賞」を受賞されました。教育面でも、10月にオンラインでの授業実施について、本学から「評判の高い」授業

として、土岐先生の授業が取り上げられました。(「GoodPracticeから学ぶオンライン授業」)


本日は、今や乗りに乗っている土岐先生のご研究内容や、教育面での工夫やご苦労などについてお伺いしたいと思っています。よろしくお願いいたします。」


土岐:「よろしくお願いします。」




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黒神:「まずは、ご出版された近刊書でのダブル受賞、本当におめでとうございます。私も同僚として鼻が高いです。」


土岐:「ありがとうございます。」


黒神:「雑駁な質問で本当に恐縮ですが、このたびのご近刊書は、どのような内容ですか。門外漢の私にもわかるように多少かみ砕いてお話しいただけますでしょうか。」


土岐:「はい。伝統的な労働法が様々な義務を課するのは、労働者がむすんだ労働契約の相手方である会社(これを使用者といいます)のみです。しかし、グローバル競争の激化などによって、現実には、多くの会社は、複雑な企業のネットワークに組み込まれ、親会社や発注者など別の会社から経済的な影響を受けています。こうした状況は、使用者だけを規制対象とし続けても労働者の保護を全うできない状況を生じさせるため、近刊書では、どのような場合に使用者以外の者が労働法上の義務を負いうるかを検討しました。」


黒神:「ありがとうございます。国際法の分野でも、先進国の多国籍企業と関係の深い途上国の企業が引き起こした人権に関する問題が論じられていたりしますが、それと連なる問題といえそうですね。」


黒神:「今回のご研究成果を踏まえて、今後は、どのような形でご研究を展開されるご予定でしょうか。」


土岐:「そうですね……先ほどの近刊書では、労働法のもう1つの重要な柱である労働組合が登場する場面についての検討を行っていないので、こちらに取り組むことが1つの目標です。それと、近刊書で扱ったのは労働法学で「使用者」性といわれるテーマに連なる問題だったのですが、これとは離れた別のテーマに取り組んでみたいと考えています。」

黒神:「とても意欲的ですね。これからのご研究の発展がますます楽しみです。」


黒神「話が変わりまして、冒頭でも述べましたが、土岐先生は、教育面でも評判が高く、このたびオンライン授業の実施についても取材を受けられていましたね。」



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(撮影時のみマスクを外しています。)






土岐:「全学アンケートで評判が良かったというのは講義科目だったのですが、4月からのオンライン授業の準備は何のノウハウもない中で徒手空拳で根性で乗り切ったというのが実情だったので、嬉しい反応だったのですが、予想外でした(笑)。」


黒神:「授業をオンラインで実施するうえで、難しい点はどんな点でしょうか。」


土岐:「なんと言っても今まで使っていなかったツールを使うのに難儀しましたが、これは同僚の先生方にかなり助けられ、実験やら情報交換をしながら準備しました。リアルタイムで双方向に行う授業は、対面に近い形で行えるのですが、時々音声が途切れたり、操作に微妙に時間がとられてしまったりするのが難点かもしれません。大人数の講義をオンデマンドで行うと、履修者の皆さんの反応が分からないので、臨機応変に説明を補充するといった対応がしにくいのが難点だと思います。あとは成績評価ですね。これもできるだけ公平に評価できる方法を考えながら実施しています。」


黒神:「そうした難点もあるかと思いますが、オンラインで授業をするうえで、ご自身で気を付けておられることや工夫されていることなどもありましたらご教示頂けますか。」




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(撮影時のみマスクを外しています。)






土岐:「はい。学生が孤立しがちという話を聞いていたため、少人数のリアルタイム方式の授業では更にグループに分割して学生同士で議論をし、コミュニケーションをとれる時間をとるようにしていました。大人数の講義科目は、独習できる環境を用意することに注力しました。実は、学部生の時に、自己の責めに帰すべき事由により講義に出ずに、体系書を読んで独学で多くの単位を取らないといけない状況になったことがあります。このときの経験から、躓きそうなところを配付資料(や視聴任意のビデオ教材)で手当てし、また、自分で理解度をチェックできるようにしたりしました。目立つ工夫をしたというよりは、独習できるように淡々と手当てしたという感覚を持っており、こうした点の評判が良かったようです」


黒神:「学部生のときにいろんな経験をしておくものですね(笑)。学生が自学しやすいように、学生にやさしい授業を展開されているんですね。」


黒神:「もっとお話を聞きたかったのですが、そろそろ時間となってしまいました。これからのますますのご活躍を期待しております。土岐先生、本日はお忙しい中、学部長の部屋にお越し下さり、本当にありがとうございました!」


土岐:「ありがとうございました!」



2021年1月7日

第7回 ゲスト
上田彩夏さん(法学部4年生)



黒神:「今日のお客様は、法学部4年生の上田彩夏さんです。上田さんは、先日、法学部生として教育や社会貢献で優秀な功績を収めた学生に贈られる岡山大学法学部長賞を受賞されました。犯罪被害者支援活動において、これまで地道に頑張ってこられた活動が認められ受賞されました。上田さん、おめでとうございます!」


上田:「ありがとうございます!」


黒神:「今日は、そのご活動を中心にお話をお伺いできればと思っていますので、よろしくお願いします。」


上田:「よろしくお願いします。」



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黒神:「まず、上田さんは、犯罪被害者支援のボランティア団体の代表を務めておられると伺いましたが、その団体についてお聞かせ願えますか。」


上田:「はい、私は現在、犯罪被害者支援大学生ボランティア連絡会の『あした彩』の代表をしています。『あした彩』は県内15の大学のボランティアで構成されており、各大学が連絡を取り合い、協力してボランティアを行っています。岡山大学も『smile(スミレ)』という団体名で活動しており法学部、教育学部などの学生が30名ほど在籍しています。」


黒神:「すごい。県内15大学から成る団体の代表ですか。その活動内容について簡単にお聞かせ願えますか。」


上田:「はい。活動は大きく分けて間接支援と直接支援に分けられます。間接支援は主に講演会やシンポジウムなどを開催して被害者支援を広めることです。直接支援は被害者遺族の方が事件のせいでできなくなっていることのお手伝いなどです。『あした彩』は赤磐市で起きた交通事故の遺族の方の畑のお手伝いや、小学生の学習支援を行ったことがあります。直接支援をする機会はとても少ないので、ほとんどが間接支援ですが、これからは私たちにできる直接支援を増やしていきたいと思います。」


黒神:「ありがとうございます。なぜこの犯罪被害者支援の活動に興味を持たれたのですか。」



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上田:「この活動を知ったのは、知り合いの先生に教えてもらったからです。私は昔から警察官になりたいと思っており、そのためには被害者支援は知っておくべきことだと思いました。それまで、警察官として加害者の更生などに関わりたいと思い加害者支援については調べていましたが、被害者、特に被害者遺族のへの支援という視点が欠けていました。被害者、加害者両方の視点をもつことが大事だと思ったので、被害者支援ボランティアでは被害者遺族の人の話を聞いたり、所属する刑事訴訟法のゼミでは加害者の更生施設を訪れたりしました。」


黒神:「ありがとうございます。また、これまでいくつか大きな企画を立案し実施してこられたようにも伺っています。とくに、これまで手掛けてこられた中で、代表的なものを挙げていただけますか。」


上田:「昨年岡山大学で開催した被害者支援シンポジウムが一番大きな企画だったと思います。岡山大学のシンポジウムは6回目で、第4回、5回と関わってきましたが、私がリーダーとして中心的に企画、実施したのは第6回が初めてでした。長崎の佐世保女児殺害事件で妹さんを殺された御手洗さんをお招きし、パネルディスカッションやグループワークを行いました。『Smile』のみんなで協力してパネルディスカッションの内容、グループワークの進め方、必要なものの手配、講師の方への謝金、当日の流れなど全て学生が決めました。参加者は100名を超え、先生や警察の方の助けはありましたが、ほとんど学生だけで成功させたことに達成感を感じました。」



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黒神:「素晴らしいですね。そこではきっと大きな達成感を得られたことと思います。これまでそれらの活動を行ってきた中で、印象に残ったことや、やりがいを感じたことなどはありますか。」


上田:「やはりいちばんやりがいを感じるのは、ご遺族の方に『岡山の学生は積極的に被害者支援をしていて本当に心強い』とか、『ここまで大学生が被害者支援をしているところはない』などと言ってもらえた時です。まだまだこれからも頑張ろうと思えます。また、シンポジウムなどの後にアンケートの感想を読んでいると、『被害者支援について初めて知った』という方も数名いらっしゃいます。被害者支援をまだまだ知らない人が多いので、こういった方々にそれが広まるのはとても嬉しいですし、ボランティアをやっている意義を感じます。」


黒神:「では、逆に、この活動を行う中で、難しいことはどんなことでしょうか。またそれを克服するためにどのような工夫をされていますか。」


上田:「イベントを開催するときに大変なことはたくさんありますが、常に難しいと思っているのは、全15大学、300名を超える学生に情報を共有し、積極的にイベント等に参加してもらうことです。学生がとても多いので、被害者支援に対する意欲がそれぞれで違うのはある程度は仕方ないですが、その意欲を保つのもリーダーの役割であると思います。特に今はコロナ禍でご遺族の方や他大学の学生との交流ができず、事務的な連絡や活動発表などばかりになってしまっています。そんな中でも意欲を保つためにオンラインでリーダー会議を行ったり、ご遺族の方にメッセージを送ったり、勉強会を行ったりしてモチベーションを維持するよう工夫しました。」              」


黒神:「私など法学部の教員30名弱をまとめるだけでもたいへんなのに、それだけの規模のメンバーをまとめておられることに感服します。」


黒神:「ところで、上田さんは現在4年生ということで、将来どんな道に進まれるのですか。」


上田:「はい、小さいころから憧れていた警察官の道に進みます。今まで勉強したことやボランティアで経験したことを生かして被害者支援や加害少年の更生などに関わりたいと思っています。」


黒神:「これからも、ますますのご活躍を期待しています。今日は、ありがとうございました!」


上田:「ありがとうございました!」



2020年12月2日


第6回 ゲスト
松本颯太君(法学部4年生)



黒神:「今日のお客様は、法学部4年生の松本颯太君です。松本君は、さきごろ学部を代表して本学の『金光賞』を受賞しました(金光賞は、法文学部第2期生、故・金光富男様のご厚志による寄附に基づく賞で、グローバルに活躍しかつ学業成績が優秀な学生に贈られる栄誉ある賞です)。

(金光賞授賞式の様子)

じつは松本君とは、2年生のゼミから現在のゼミまでの長い付き合いですので、今日は私は、ゲストとの対談というより、家族との日常会話みたいな感覚でおります。気楽にいろんな話ができればと思っていますので、よろしくお願いします。


松本:「よろしくお願いします。」



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黒神:「まず、グローバルに活躍されたということで、留学の話をお伺いできますか。どこに留学されたんでしたっけ。」


松本:「イギリスのエディンバラ大学です。2年生の秋から3年の夏前頃までの約9か月間留学しました。岡山大学でもゼミに所属している国際法をはじめ、国際関係や政治、開発学を勉強しました。」


黒神:「エディンバラでどんな刺激を受けましたか。」


松本:「勉強面でも非常に刺激的だったのはもちろんですが、最も印象的だったのは『多様性』ということかと思います。そもそもイギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つからなる連合王国で、僕の行ったエディンバラはスコットランドの首都です。4つそれぞれで文化も大きく異なり、イメージするイギリス英語とは程遠いすっごくクセの強いスコットランド英語が話されています。いまだにあのアクセントは理解できる気がしません…。」


黒神:「松本君の滞在していたのは、ちょうどEUからの離脱が問題になっていた頃かと思いますが、その点についてはどうでしたか。」


松本:「はい、僕の留学の時期はちょうどイギリスのBrexitのまさに真っ只中でした。この点について、授業でも学んだり、色々な人と話したりしました。スコットランドの大半はBrexitに反対で、イギリスから独立してEUに残ることを主張しています。僕がいた時も非常に大規模な反対デモが行進を行なっていました。このような環境で、1つの国の中における多様性、『国』として、例えば『イギリス』として括ってしまうことの危険性を学びました。」



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黒神:「松本君は、帰国後、世界ユースサミットに日本の代表団として岡大から2名のうちの1名として選抜されましたね。世界ユースサミットの経験について少しお話しいただけますか。」

(松本君が参加した世界ユースサミット「次世代リーダー・グローバルサミットOne Young World 2019」)


松本:「世界ユースサミットはOne Young Worldと呼ばれ、2009年の世界経済フォーラム『ダボス会議』において宣言されて2010年よりはじまったサミットです。年に1度、世界190カ国以上から18~30歳の若い世代が集まり、世界最大級のサミットとして、地球規模の課題に対してSDGsを軸として、産官学が一体となって問題解決を目指すプログラムです。

若者と同時に、世界的著名人、例えば政治家や活動家、企業CEOなども参加しスピーチなどを行います。」


黒神:「たしか大会は、ロンドンでしたよね。」


松本:「はい。僕はロンドンでの第10回大会に参加しました。大きく2つの印象的な学びがありました。1つ目は、SDGsは『言葉』ではなく『マインド』であることですね。SDGsは社会課題のすべてを包括しているわけではないし、なによりあくまでも2030年までの目標です。SDGsの枠組みによって様々なステークホルダーがSDGsのもとに集まりともに活動できるという良さがある一方、その言葉だけ理解しても、それこそ持続的ではないと思います。他者、環境、社会を思いやる気持ち、変化を受け入れ、新しいことに挑戦するマインドこそが身につけるべきものと感じました。


黒神:「それは、SDGsを掲げている本学の全員に聞いてもらいたい点ですね。私も含め(笑)。」


松本:「2つ目は、No One Left Behindの新たな意味を見出したことです。これは一般的には途上国におけるあらゆる状況にいる人々も取り残さず救うという意味ですが、参加者とそれぞれの自国の問題について議論するうちに、先進国、特に日本においては、『社会課題に関心を持たずとも幸せに生きていける人々を取り残さず巻き込んでともにアクションする』ことをも意味するのではないかと気づきました。これは今後も情熱を持って探求していきたいテーマです。」


黒神:「ところで、松本君は1年生のときから途上国の支援を積極的にやっていたように聞いていますが、具体的にどんな活動をされてたんですか。」



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松本:「大学1年の時に先輩と一緒に学生団体をつくって、ネパールの小学校に図書館を建てるなどの活動をしていました。街頭募金をしたり、イベントに出展したりと地道に資金を集め、色々と苦労はありながらもなんとかプロジェクトを達成することができました。」


黒神:「後輩からよく松本君の名前を聞くのですが、留学の相談などにも乗ってあげているんですか。後輩にアドバイスをするとき、どんな点についてとくに強調してアドバイスしていますか。」


松本:「留学相談をしてくれたり、最近は就活などの相談もしてくれます。後輩に限らず人と関わる時も、自分自身考える時も大切にしていることなのですが、『広く深く』を意識しています。俯瞰的思考と分析思考とも言えるかもしれません。色々な選択肢や、幅広い考え方を提示する一方で、その人の考えや悩みの背景には何があるのかを深掘りするようにしています。あとは、『計画的偶発性』ですね。全く偶然で繋がっていないように見えることも、様々な行動を取り計画的に動いていればその産物となるみたいな考えなんですけど、けっこう好きな言葉で、これを引用して相談に乗ったりしてます。」


黒神:「へー、大学4年間で立派に成長しましたね(笑)。感心します。現在4年生ということで、将来どんな道に進まれるんですか。」


松本:「来年春からは、社会人として国際協力に携わります。学生団体での経験も浅いものなので、ほとんど未知の世界で不安もありますが、とてもわくわくしています。岡山大学で学んだこと、経験したことを糧に、一歩一歩精進していこうと思っています。」


黒神:「これからも、ますますのご活躍を期待しています。今日は、ありがとうございました!」


松本:「ありがとうございました!」


2020年11月2日


第5回 ゲスト 
吉田光宏さん(岡山県産業労働部次長)
河原礼奈さん(岡山県総合政策局公聴広報課)


黒神:「今日のお客様は、岡山県庁にお勤めの吉田光宏さんと、河原礼奈さんです。お2人は、岡山県庁の職員として、地元に貢献されている卒業生の代表としてお越しいただきました。わが法学部の卒業生としては、自身の地元で公務員として活躍している方々の比率は、他の職種と比べて非常に高いと思いますので、ある意味、卒業生の1つの代表例として、どのようなキャリア形成をしてこられたか、とても興味のあるところです。本日は、よろしくお願いいたします。


吉田・河原:「よろしくお願いします。」



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黒神:「まず、シニア代表(笑)の吉田さんにお伺いします。まず、ご卒業後何年くらい勤務されていますか。また、どのような部署を経験してこられましたか。」


吉田:「シニアなので、勤務年数はとっさにお答えできない長さになりました(笑)。卒業後に就職して約35年になりますが、総務部、県民生活部、保健福祉部、産業労働部など、幅広い分野の部署に勤務させていただき、いろんな経験をすることができました。県民生活部国際課に勤務していたときには、黒神学部長をはじめ、法学部の先生方と一緒に多文化共生政策を研究させていただき、その成果を県の国際化施策に反映できたことは、楽しく貴重な経験でした。そのときはたいへんお世話になり、ありがとうございました。卒業後初めて法学部と関わりを持つ機会でもあったので、うれしかったですね。」


黒神:「そうでしたね。あのときは多文化共生について右も左もわからないまま、大学と県や市が一体となっていろんなことを話し合って実行しましたね。私もとても楽しかったです。」


黒神:「それ以外にも、これまでのお仕事の中で、やりがいを感じられたようなことはありますでしょうか。」


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吉田:「そうですね。特に印象に残っているのは、大手企業の誘致と南オーストラリア州との友好提携25周年記念事業の企画に携わったときのことです。誘致については、企業の希望を丹念に聞く一方、その希望を踏まえて多くの関係者と打ち合わせを重ね、綿密に調整を進めていきました。その結果、誘致が実現したときには達成感を味わいました。南オーストラリア州は岡山県の友好交流地域ですが、友好提携25周年を記念して、知事を代表とする訪問団を派遣することとなり、準備のために南オーストラリア州を訪問し、州政府幹部との協議などを行いました。協議には責任者として臨んだため、自らその場で判断し決定を求められる緊張感がありました。また、文化や考えの違いによる意思疎通の難しさを感じました。お互いの理解が深まり、双方のメリットにつながる企画となったときには充実感を覚えました。

ちなみに、州都はアデレード市で、おだやかな雰囲気で住んでみたい街でした。岡山大学も交流しているアデレード大学も訪れました。キャンパスは美しく、大学生に戻れるなら留学したいですね(笑)。岡山大学には交換留学などの制度があるので、ぜひ学生の皆さんにも活かしていただきたいです。」


黒神:「ありがとうございます。では、河原さんも、県庁で働こうと思った動機や勤務のご経験などについて簡単にお聞かせいただけますか。」


河原:「私は、兼業農家だった実家が、人手不足・祖父母の高齢化で農業をやめてしまったことがきっかけでした。毎年家族でする田植えを楽しみにしていたので、悲しかったことを覚えています。そして、同じような状況が県内で広く発生し、問題となっていることを知りました。そうした、いわゆる中山間地域を元気にしたいと思い、県職員を志望しました。総務部や県議会事務局などでの勤務を経て、現在は公聴広報課でSNSを活用した情報発信などを担当しています。」



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黒神:「まだ勤務経験も少ないことと思いますが、せっかくの機会ですので、大先輩の吉田さんに仕事のことやこれからのキャリア・プランなどについて、聞いてみたいことってありますか。」


河原:「幅広い部署を経験されていますが、いろいろな思いや価値観を持つ方々と関わる中で、気を付けていることを教えてください。また、仕事に限らず人生におけるモットーなどがあればお聞きしたいです。」


黒神:「吉田さん、いかがですか。」


吉田:「そうですね。相手の思いや考えを聞くときは先入観などを持たないようにすることや、自分が相手の立場だったらどのように行動するかなどを考えることに気をつけています。人生のモットーは意識したことはないのですが、人生100年時代と言われていますので持たないといけませんね(笑)。モットーとはまでは言えませんが、『あきらめずにベストを尽くす』『先を見通してさまざまな視点から考える』『感謝の気持ちを忘れない』などを心がけています。

今の立場になって、民間企業に派遣されたときの上司の「謙虚になれるのが本当のリーダーである」ということばの重要性を実感しています。河原さんは、明確なキャリアプランとチャレンジ精神を持っておられるので、さらにすばらしい県職員になると思います!」


黒神「河原さん、これからどんなキャリアを歩みたいですか。抱負などお聞かせください。」


河原:「県職員を志望した理由が「地域を元気にしたい」というものだったので、地域振興の業務に携わりたいです。一方で、県職員は多種多様な業務を経験できることも魅力の一つですので、いろいろな仕事にチャレンジしたいという気持もあります。一つ一つの出会いや経験などを糧に、成長していきたいと思っています。」


黒神:「最後に、お2人から自治体での勤務を目指す現役の学生に向けて、アドバイスなどお願いできますか。」



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吉田:「デジタル化、グローバル化など行政を取り巻く環境は大きく変化しており、住民の方が抱える問題も複雑になっています。柔軟な発想力と粘り強い行動力を持つ方に、自治体は働きがいのある職場です。自治体を就職先として志す学生の皆さんは、留学など自分と考えや価値観の違う方と接する機会を持つよう心がけるとともに、イベントやプロジェクトの企画運営など多くの方を巻き込んで一つのことを創り上げる体験をたくさんしておかれるとよいと思います。自治体は、幅広い分野の業務が経験できて、地域の発展への貢献と自らの成長が実現できる魅力ある職場です。できればその中でも岡山県庁をぜひ選んでいただきたいですね。」


河原:「自治体の中にも多様な仕事があり、時代や世の中の移り変わりによっても、その時々に求められる能力やスキルは変わってきます。日頃からアンテナを高くはって情報を集め、自分なりに考えていくことが大切だと思います。」


黒神:「本日は、お忙しいところ、わざわざ学部長の部屋にお越し下さり、ありがとうございました!これからも、後輩の活躍をぜひ楽しみにしていてください!」


吉田・河原:「ありがとうございました!」



2020年9月25日


第4回 ゲスト
槇遥希君(法学部4年生)



黒神:「今日のお客様は、法学部4年生の槇遥希君です。槇君は、同じく法学部4年生の宮本泰輔君と、このコロナ禍が深刻化してきた6月に、近隣の飲食店からお弁当を調達し、それを学生に配布する活動、題して「コロナがなんじゃ!WIN&WIN学生プロジェクト 岡大生の食支援×地域飲食店の活性化」という活動を行いました。その功績をたたえられて、2人は、このたび7月に本学学長から学長表彰を受けました。

(学長表彰の記事はこちら)



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本日は、宮本君とはあいにく都合がつきませんでしたが、槇君にこの活動を中心にいろいろとお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。


槇:「よろしくお願いします。」


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黒神:「まず、今回のプロジェクトを企画するに至った経緯についてお伺いできますか。」


槇:「コロナ禍においてたくさんの人々によって不自由になってきました。私自身もアルバイトができる時間が減ったため、私と同じ境遇の大学生は多いと考えました。そこで人が生きていく上で重要な要素である、『衣食住』のなかで私たちにできることは何かを考えた時、食の面で支援ができるのではと考え、それと同時に岡大の周辺の飲食店も一緒に支援する仕組みを考えた結果、今回の企画を思いつき、実行しました。」


黒神:「よくそれだけのことを短期間で考え、実行に移しましたね。じつは私も、法学部生の企画ということで、気になって初日こっそりのぞきに行ったのですが(笑)、大盛況でしたね。全体を通じて実際にどんな感じでしたか。」


槇:「当日は、本当にたくさんの学生たちがお弁当を取りに来てくださり大盛況でした。この活動は平日の5日間を2週続けて行ったのですが、9店舗もの飲食店が協力してくださり、毎日唐揚げ弁当や、餃子弁当など様々なお弁当を300~500人の学生に配布することが出来ました。このように大きな規模の活動になってしまったので、運営側も人手が足らず困っていたのですが、ラクロス部の学生やSNSでの呼びかけに応えてくれた学生など多くの学生が手伝ってくれ、何とかやり遂げることが出来ました。」



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黒神:「それはすごい!多くの学生を巻き込んだビッグプロジェクトになったんですね。」


黒神:「プロジェクトを実施するにあたって、どんな苦労がありましたか。」


槇:「最初は、協力してくださる飲食店を探すことに苦労しました。実際に準備ができる日数が限られており、1日で10軒ほどの飲食店を回って企画の説明と協力のお願いをしないといけなかったので、時間的な制約があり苦労しました。しかし、ほとんどの飲食店の方が協力をしてくださり、この企画ができたと考えています。次に協力者についてです。この企画を始めた当初は私含めて3人だったため、テントの準備やお弁当の運搬などとても十分にできる人数ではありませんでした。しかし、何回か重ねているうちに協力してくれる学生が増えたため、私たちも余裕を持ってプロジェクトに臨むことができました。」


黒神:「それだけの協力者を得られたのは、ひとえに、槇君や宮本君の熱意が伝わったからでしょうね。」


黒神「実際にこのプロジェクトをやってみて、どんな点が良かったと思いますか。」


槇:「やはり学生たちからの感謝の声が一番うれしかったですね。配布している際にも、『久々においしいごはんが食べられます!』とか、『応援しています!』といったうれしい言葉をたくさんいただきました。このように言っていただけるとこの企画をやってよかったと思いますね。」



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黒神:「まだ、卒業まで時間が残されていますが、今後、また何かほかのプロジェクトなども企画されているんですか。」


槇:「2つ考えています。1つが高校生へのアプローチです。コロナによってオープンキャンパスができず、岡山大学を校外に広報する大きなきっかけがなくなりました。そのため、学生目線から岡山県で岡山大学を進路として考えている高校生に岡山大学をアピールできる機会を作れたらと考えています。2つ目が1年生へのアプローチです。現在対面授業がほとんど行われていない中で同級生との交流がなくなっています。大学生活も半年を過ぎた中で、大学生らしい生活ができていません。そこで同級生との交流をもち、大学生活を少しでも楽しんでもらいため、1年生同士かつ、他学部間の交流ができる仕組みを作っていけたらと考えています。」


黒神:「いずれも素晴らしい計画ですね。じつは、わが法学部の先生方も、同じことを考えたんですよ。他の学部にさきがけて、5月に新入生全員を対象としたオンライン歓迎会をやりました。

(オンライン歓迎会の様子)


また、高校生向けには、ちょうど現在、8月から9月にかけて、法学部独自のWebオープンキャンパスをやっています。(Webオープンキャンパス会場はこちら)
やはり、こんなときだからこそ、動かないといけないですよね。」


黒神:「この経験を将来どのような形で生かしていきたいと思いますか。」


槇:「将来も自分が持った問題意識をすぐに実行できるような職場に就き、少しでも多くの人の力になればと考えています。この企画もはじめは小さな活動だったのですが、最終的には多くの人を巻き込み大きな活動にすることが出来ました。今後も多くの人と協働しながら何かを成し遂げていけるような活動をしていきたいと思います。」


黒神:「今後も、ますますのご活躍を期待しています。また、卒業までに学部長の部屋に来て話を聞かせてもらう機会がありそうですね(笑)。今日は、ありがとうございました!」


槇「ありがとうございました!」


2020年8月27日

第3回ゲスト
小塚真啓 准教授
~ご近刊『高校生のための税金入門』についてお伺いしました~


黒神:「今日のお客様は、法学部で税法を担当されている小塚真啓准教授です。小塚先生は、3年前に「岡山大学若手トップリサーチャー研究奨励賞」を、うちの学部では初めて受賞された新進気鋭の研究者です。このたび、三省堂から『高校生のための税金入門』という本を出版されましたので、この本について今日はいろいろとお伺いしたいと思います。小塚先生、よろしくお願いします。


小塚:「よろしくお願いします。」




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黒神:「まず、『高校生のための税金入門』を刊行しようと思われた動機についてお聞かせいただけますか。」


小塚:「直接には、同じシリーズで選挙入門、憲法入門を刊行されている名古屋大学の斎藤一久先生のお誘いがきっかけです。内在的な動機といいますか、お誘いを受けてみようと思った理由としては、租税教育に新しい風を吹き込んでみたいと思ったことがあります。」


黒神:「ありがとうございます。この本の特徴(ウリ)はどんな点にあるのでしょうか。また、どのように利用させて頂くのがよいのでしょうか。」


小塚:「一緒に研究会もやっている若手の税法研究者が集まって執筆した本でして、『高校生のため』の本と胸をはっていえるよう、わかりやすく、しかし、より深く学ぼうと思うきっかけにもなる内容とすることを目指して、率直な意見交換を経て完成しました。また、付録としてディベート用の課題や解説もつけていますので、税金や税法について知識を得るためだけでなく、議論のやり方を学んだり教えたりする教材としても使ってもらえると嬉しいですね。」


黒神:「私も、ご献本いただき、拝読させていただきましたが、源泉徴収や消費税、ふるさと納税まで、身近なトピックがじつにわかりやすく書かれていますね。今回のご出版により、どんな効果を期待されますか。」


小塚:「税金や税法についてきちんとした議論がなされることの重要性・必要性は、最近、租税を原資とする政府の活動が拡大する傾向があることもあり、高まる一方であろうと考えています。そのためには、税金や税法を学んだり教えたりする租税教育が重要で、この本を教材とした公開講座を企画していて、高校生がディベート形式で税法・税金について理解を深めるということを目的にしています。多くの高校生が参加できるようにオンラインでの実施を予定しています。それ以外にも様々な社会的実践を進めていきたいと考えています。」


黒神:「小塚先生は、この夏、大学が企画するオープンキャンパスの動画でも、高校生向けに模擬授業をされるように伺いました。積極的に高校生の目線からも教育や社会貢献をされているんですね。」



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黒神:「実際に小塚先生のゼミでは、高校生に対して税金についてどのように教えるべきか、グループワークをしていると伺いました。この点についても、少し伺えますでしょうか。」



小塚:「第1学期の間は3、4人から成るグループを3つ作り、主に毎週のオンラインでのゼミの時間を使い、それぞれで高校生向けの租税教育の教材を作ってもらいました。最近ようやく形になってきましたので、若手税法研究者などを外部講師としてお招きして模擬講義を行い、年度内にはゼミ生達が高校生向けに教育をする実践の機会も作りたいと考えています。」


黒神:「ご自身のご研究をみごとに教育の現場に生かされていて、一教員としてもとても勉強になりました。これからのますますのご活躍を期待しております。小塚先生、本日はお忙しい中、学部長の部屋にお越し下さり、本当にありがとうございました!」


小塚:「ありがとうございました!」

2020年7月7日


第2回ゲスト
岡部紅里さん(法学部4年生)、園田慎君(法学部3年生)

(聞き手:濵田陽子准教授(法友会顧問))

~学生にやさしい勉強サークル「法友会」について語ってもらいました~

黒神:「本日のゲストは、岡山大学法学部の公認サークルである「法友会」の現代表、法学部4年生の岡部紅里さんと、次期代表、法学部3年生の園田慎君です。それから顧問の濵田陽子先生にも聞き手として加わっていただきます。本日の対談は、新型コロナウィルスの影響であいにく対面できませんので、オンラインで実施いたします。みなさん、よろしくお願いします。」

一同:「よろしくお願いします。」

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黒神:「まず、みなさんの所属する『法友会』とはどのようなサークルですか?」

園田:「法友会は、学生、とくに下級生たちの法学学習やそれに伴う学内外での活動を広く支援し、学生同士、向学心を高めることを目的としています。もちろん、こうした活動を通じて、サークルでの仲間同士の親睦を深め、他大学等の団体との交流も積極的に行っています。」

黒神 :「下級生たちからよく『法友会の先輩方に勉強を教えてもらったりして本当にお世話になってます』という声を聞くのですが、具体的には、どんな活動をされているのですか。」

岡部:「主に金沢大学法友会との交流会や、中高生を対象とした法教育を中心に活動しています。金沢交流会では、年に2回金沢大学法友会の学生とディベートやプレゼンをしており、毎回、とてもいい刺激をもらっています。
また、法教育では、地元の中高校生に法的な考え方を学んでもらうために、身近な法律問題を題材として、グループワークを中心とした学習機会を提供しています。
その他にも、検察庁や法務局等の施設見学や、希望に応じて勉強会を開催したり、先輩方から進路についてお話を伺う座談会等も企画しています。」

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金沢大学との交流会

黒神 :「なるほど。学生の学びをいろんな角度からサポートしてくれているんですね。まさに、『学生にやさしい勉強サークル』ですね。」

濵田 :「とくに上級生になって後輩をリードするに当たって、うまくいったこと、やりがいを感じたことなどがあれば教えてください。」

園田 :「2・3年生になり、参加する立場から運営する立場になったことにやりがいを感じました。特に後輩とのコミュニケーションを通じて、彼らがどんなところでつまづいているのか、また、どういった活動を楽しんでいるのかということが分かりました。自分の行動が後輩のため、法友会のためになっていることが分かるのがうれしいです。」

濵田 :「岡部さんは、いかがですか。」

岡部 :「自分が一生懸命準備したことに対して後輩が活動を楽しんでくれたことです。『どうやったら皆が活動を楽しんでくれるだろうか。そのために、どう工夫すればいいか。』金沢交流会や法教育の本番で滞りなく事を進めるために裏でじっくり時間をかけて準備をしてきました。そのため、本番後に後輩から笑顔で『楽しかったです』と言ってもらえたことが私の中で何よりも嬉しく、やりがいを感じた瞬間でした。といいつつ、基本的にどんな状況でも楽しんで活動に参加してくれる後輩ばかりなので、後輩様様です(笑)。」

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中高校生を対象とした法教育

黒神 :「将来はどんな進路に進まれるのですか。」

岡部 :「私は、法曹をめざしています。現在、民事訴訟法と刑事訴訟法のゼミで勉強しています。」

園田 :「ぼくは未定です。憲法のゼミに所属していますが、これから公務員か民間就職をするのか考えます。」

黒神 :「本日お話しできてとても感銘を受けたのは、お2人とも、人のために進んで汗をかいて動かれていることです。『法友会』というサークルはまさにそれを体現している団体なんですね。学生時代のこの経験は、将来、いかなる進路に進まれてもきっと役に立つことでしょう。これからも他の学生のために、いっぱい汗をかいてください(笑)。また、皆さんのような立派な後輩を育てて行ってくださいね。」
「本日は、新型コロナウィルスの影響で登校できない中、オンラインでお集まりいただきまして本当に有難うございました!」

一同 :「ありがとうございました!」

2020年6月8日

第1回 ゲスト
佐藤吾郎先生(岡山大学大学院法務研究科長)
~中四国で初、唯一の「法曹コース」について聞く~

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黒神:「本日は、岡山大学の法科大学院(ロースクール)である、大学院法務研究科長の佐藤吾郎先生をお迎えして、この4月から法学部に新しく設けられた中四国地区で初めての『法曹コース』について、詳しくお伺いしたいと思います。このコースは、本来、法学部のコースですが、ロースクールの先生方が主導して学部の法曹養成のための教育に携わってくださるコースですので、佐藤先生をお招きした次第です。それでは、佐藤先生、よろしくお願いします。」

佐藤:「よろしくお願いします。」

黒神:「まず、このたび設けられた『法曹コース』の設置の経緯や概要について、簡単にお話しいただけますか。」

佐藤:「はい、法曹コースとは、全国的に、大学の法学部・法科大学院を計5年で修了できるように法学部に令和2年度から新設されたコースです。コース生は法科大学院の基本科目も前倒しで学び、3年で大学を卒業し、法科大学院の「法学既修者コース」(2年)に入学します。大学入学から法曹資格を得るまでの最短期間を現行の8年弱から6年に縮めることによって、時間や学費の負担を減らし、法曹への道を目指しやすくするという取組みです。高校でのコースに例えていうならば、2年生から始まる(法曹)特進コースのようなものです。」

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黒神:「従来は、一般には7年必要でしたから、学部3年、大学院2年、計5年学修すれば、司法試験が受けられるというのは画期的ですね。いわゆる「3+2(3プラス2)」といわれるゆえんですね。では、うちのコースの特色(ウリ)はどんな点でしょうか。」

佐藤:「はい。まず、一定の要件の下で、法科大学院入試の筆記試験が免除されることです。次に、法科大学院未修者コースの学生と一緒に、法科大学院の授業を前倒しで受講できることです。さらには、学生5人に対し1人割り当てられる学修アドバイザー(本学法学部出身若手弁護士)に、アドバイスを受けつつ、法科大学院の自習室や資料室も利用可能である点ですね。同じ志を持つ仲間とともに、無理なく、恵まれた環境で学ぶことができることが、全体的な特徴です。中四国地域で法曹コースが設置されているのは、岡山大学法学部だけです。」

黒神:「中四国地域でうちのコースが唯一というのが素晴らしいですね。筆記試験免除も学生にとってありがたいですし、現役のOB・OG弁護士のみなさんがアドバイザーというのもとても心強いですね。」

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黒神:「在校生の中でも、このコースには魅力を感じる学生が多くおりまして、初年度も、かなりの人数が志願しましたね。」

佐藤:「はい、おっしゃる通り、予想を上回る志願者があり、逆に選抜をしたくらいでした。今年度は、新型コロナウイルスの影響で、授業がオンライン講義となっていますが、学生は、すでに行われた講義が録画されているため、わからない点については、繰り返し学ぶことができることもあり、レポート等の課題も問題なく提出するなど、順調に勉強に励んでいるところです。」

黒神:「法学部生を早いうちから手厚く教育していただけて、学部としては実にありがたく思っています。うちのロースクールの実績を見ても、きめ細かい教育を施して司法試験合格まで導いてくださるので、今回の『法曹コース』設置は、学部としても画期的なコースととらえています。今後とも学部とロースクールとがしっかり連携して成果を上げていきたいですね。」

佐藤:「はい、その通りです。こちらこそよろしくお願いします。」

黒神:「また、最後にこの場を借りて、高校生や在校生のみなさんには、ぜひ岡大法学部の法曹コースからロースクールへの一環教育を受けて司法試験合格を目指してもらいたいので、何卒よろしくお願いします!!」

黒神「佐藤先生、本日はお忙しい中、ありがとうございました。」

佐藤「ありがとうございました。」

2020年5月13日

 

新入生のみなさんへ

 岡山大学法学部へのご入学、おめでとうございます!

 何よりもまずみなさんにお詫びしたいのは、今年度、新型コロナウィルスの影響のため、入学式が実施できなかったことです。本当に申し訳ございません。また、授業の開始も例年よりも遅れてしまいました。われわれ法学部の教員も、みな一日も早く授業をしたいと願っておりましたので、このたびの延期は残念でなりません。重ねてお詫び申し上げます。

 さて、このたびは、岡山大学法学部を選んで下さり、有難うございます。わが法学部は、1949年の大学開学以来、有為な人材を世に輩出してきました。中四国地区における法学・政治学教育の中心地として、自他ともに認める確固たる地位を築いてまいりました。今度は、みなさんにこの法学部の歴史の主人公となっていただきたいと期待しております。その意味で、このたび前途有望なみなさんをわが法学部にお迎えできることを、教員一同喜んでおります。

 ところで、私から3つのお願いがあります。
 まず、みなさんは大学生になっておそらく多くのことに戸惑うことでしょう。これまでの学び方とはまったく異なり、これからは、自分から何事にも能動的に行動していかなければ、知識や理解を得ることは難しいでしょう。失敗を恐れて何もしなければ時間は無為に経過していきます。何よりも自分に舞い込んだチャンスを逃してしまうことになるでしょう。4年間という期間は、長いようであっという間です。常に周りの動きに敏感に情報を収集し、その中から自分のやりたいこと、やるべきことを見出してほしいと思います。

 次に、「一年生になったら」という歌があります(私と同じ名前の故山本直純さんの作曲)。ご存じの方も多いと思いますが、その中で「ともだち100人できるかな♪」と歌われています。新入生のみなさんには、この4年間で、さっきの歌の100人といわず、それ以上できるだけ多くの人に出会ってもらいたいと思っています。同世代の人のみならず、年下、年上、また、異性、外国人……、種々の人々に出会って多くの刺激をもらい、多くを吸収してもらいたいと思います。

 そして最後に、岡山大学法学部を好きになってもらいたいと思います。履修した授業の内容やそれを教える先生、自分の身近にいる仲間が何を考えどう行動しているか、興味を持ってみて下さい。あるいは、ゼミでの活動、インターンシップや留学、部活などの課外活動が面白そうと思うかもしれません。まずは何事においても興味を持って大学生活を楽しんでください。そして卒業する頃には岡山大学法学部を好きになっていてもらいたい、またそれを卒業後も多くの人に伝えてもらいたいと思っています。

 以上のお願いを私からのメッセージとして新入生のみなさんに捧げたいと思います。4年後のみなさんの自信に満ち溢れた笑顔に出会うことを今から楽しみにしております! 

 

2020年4月

岡山大学法学部長 黒神 直純  

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「学部長の部屋」開設のごあいさつ

 このたび岡山大学法学部の学部長に就任しました、黒神直純と申します。専門は国際法です。早いもので岡山大学に赴任してから23年が経ちました。これまで多くの学生と共に学び、共に語り合い、共に遊んできました。そんな中で、わが法学部には、優秀かつ多才な人材がじつに豊富にいて、また、その多くの学生が社会に巣立って行ってくれたことを実感し誇りに思ってきました。

 わが法学部の財産は人、その中心は紛れもなく学生です。学部の生き生きとした姿は、学生の生き生きとした活動に支えられるものだと思います。わが法学部の学生は、これまでに、大学での勉学はもちろんのこと、海外留学などグローバルに活躍したり、社会に出てボランティア活動に専心したり、部活やサークルで全国レベル(ときに世界レベル!)の活躍をしたりと、じつに活発に活動し立派な成果を上げてきました。また、卒業後も、官界、財界、法曹界などで大いに活躍しております。

 また、学部の教育・研究を担う教員も、日本の学界において、これまで優秀な実績を収めてきた研究者や、新進気鋭の将来有望な研究者たちです。わが法学部では、教員間でも、研究においては、分野を越えて常に刺激を与え合える自由な雰囲気があり、他に誇れる多くの研究業績を残してきました。

 岡山大学法学部は、まさに「学生が輝く学部、人が羽ばたく学部」です。

 このような優秀かつ多才な人たちに焦点を当てて、法学部の生き生きとした姿をできるだけ多くの人たちに知ってもらいたいと思い、このたび「学部長の部屋」を作りました。これからは、この「学部長の部屋」から岡山大学法学部のさまざまな表情を伝えていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2020年4月1日

岡山大学法学部長 黒神 直純  

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新執行部スターティン!

 2020年4月1日、新学期がスタートしました!わが法学部執行部もメンバーを一新し、新しい気持ちで船出しました。副学部長の赤木真美先生(商法)、築島尚先生(行政学)と3人で協力して頑張っていく所存ですので、これからも何卒よろしくお願い申し上げます!

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