HIT抗体(血小板第4因子・ヘパリン複合体抗体), Heparin-induced thrombocytopenia antibody
平成26年2月6日より
 

測定方法 : ラテックス凝集法

外注会社 : LSIM(平成26年4月1日より社名変更 旧MCM)

基準範囲 : 1.0U/ml未満

臨床的意義
 ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin‑induced thrombocytopenia; HIT)はヘパリン投与により惹起される重篤な副作用の一つです。本邦でも、2006年4月に 注射用ヘパリンの添付文書が改訂され、その副作用としてHITが追加され、HIT の既往のある患者に対しては原則禁忌となっています。 ヘパリン治療、または、透析患者や外科的処置を行った患者へのヘパリン投与により血液中でヘパリンと血小板第4因子(PF4)が結合し複合体が形成される場合があり、この複合体形成時のPF4の構造変化が引き金となって、PF4/ヘパリン複合体に対する抗体が産生されることがあります。さらにこの抗体複合体が血小板や血管内皮細胞を活性化し重篤な血小板減少や血栓を引き起こすことがHITの発症機序とされています。
 HITの発症率はヘパリン投与患者の0.5〜5%とされ、血小板数が投与前より30〜50%低下します。この時、適切な治療を施さないと発症後30日以内に約50%の患者が血栓塞栓症を合併し、そのうちの約5%が死に至るとされる重篤な疾患で、発症時の迅速な診断と治療が重要です。 HIT抗体は本年9月1日より新規に保険適用となった検査項目です。
HITの診断には、血小板機能検査や4Tʟsスコアリングシステムを用いた臨床診断を用い総合的に評価することが重要ですが、さらにHIT抗体 検 査を診断補助として実施することでより正確にHITの診断が 可能になると考えられています。



採取容器: 
黒)3.2%クエン酸ナトリウム



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