リパーゼ, LP(lipase)
臨床的意義
ヒト膵リパーゼは、膵腺房細胞で合成され膵液中に分泌される糖蛋白質である。食事中に存在するトリグリセリド(中性脂肪)はそのままの形では消化管で吸収されない。膵リパーゼはトリグリセリドのα位脂肪酸エステルを加水分解し、小腸で吸収される脂肪酸に遊離させる。先天性膵リパーゼ欠損症では、食事中の半分以下の脂肪酸しか吸収されない。同様の働きをもつリパーゼは胃や胆嚢の粘膜にも存在するが、血清中のリパーゼ活性はほぼ膵由来と考えてよい。
異常値を示す疾患
高値疾患: 急性膵炎、慢性膵炎、膵仮性嚢胞、膵癌、消化性潰瘍、イレウス、腸炎、腹膜炎、腎不全
低値疾患: 慢性膵炎(非代償期)、糖尿病
測定方法: 酵素法
測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より
日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで) 日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)
測定試薬: シグナスオートLIP(シノテスト)(平成30年12月14日より)
アフフレッサ(旧アズウエル)(平成30年12月13日まで)
基準範囲: 13〜55 U/L (平成30年12月14日より)
6〜48 U/L (平成18年7月18日より平成30年12月13日まで)
8〜25 IU/l (平成6年9月より平成18年7月14日まで)
7.6〜35.2 IU/l(平成6年8月まで)
相関
平成30年12月14日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.0241X-4.3 r=0.9924 n=99
平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.32X+12.35 r=0.984 n=200
平成6年9月
X=旧試薬
Y=現試薬
Y=0.947X+0.446
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
アミラーゼ(AMY)
トリプシン
エラスターゼ1
膵外分泌機能試験