クリプトコックスネオフォルマンス抗原, Cryptococcus neoformans antigen 


測定法:ラテックス凝集反応

外注会社:SRL

臨床的意義
 
クリプトコックス症はCryptococcus neoformansによる慢性,亜急性,まれに急性の肺,脳髄膜あるいは全身性の感染症であり,本菌の多くは肺に初感染巣を作り全身諸臓器に播種するが,特に中枢神経系に親和性を持ち,髄膜脳炎を主な臨床病型とする。他の深在性真菌症と異なり肺のみに病変を呈するのは10%程度とされている。本菌の中枢神経系への親和性の高い理由は不明であるが,中枢神経系が補体や抗体に乏しいことが一因とする説もある。クリプトコックス症においては,C.neoformansが生体内で増殖し,可溶性莢膜多糖類を多量に産生するために,比較的長期にわたり抗原過剰の状態となるため,本症の血清診断法としては,抗原検出法であるラテックス凝集反応が,簡便性や迅速性から最も有用であり,抗原価の推移により病勢や治療効果の判定が可能である。また,本症において抗体が検出されるのは,血中抗原の少ない病期や抗真菌薬により抗原量の減少する時期などであり,抗体検出法は病期や予後の判定に用いられる。
 
 
適用疾患
肺クリコプトコックス症 ・ 皮膚クリプトコックス症 ・ クリプトコックス性髄膜炎 ・ AIDSの二次感染 ・ 日和見感染症

基準値: 陰性

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

検体採取・測定条件
・抗凝固剤(EDTA)は検体の酵素処理に影響を与えるので不可

関連項目

カンジダ抗原
アスペルギルス抗原
エンドトキシン

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