D-アラビニトール,  D-arabinitol
平成15年4月1日より中止

測定法:酵素法

外注会社:BML

臨床的意義
@D−アラビニトールはカンジダ属の主要な代謝産物で、その培養培地中に認められるが、特に深在性カンジダ症患者の血清中でもその濃度の上昇が知られ、深在性カンジダ症の診断が可能であるといわれている。深在性カンジダ症の特長としては、カンジダ属が正常菌叢に属しているため、感染と発病との境界線が不鮮明であり、ほとんどが続発性といわれている。基礎疾患には白血病、悪性リンパ腫、再生不良性貧血、SLEや腎移植を受けた例などに頻度が高く、このような基礎疾患への医原性抑制が生体への感染防御能を低下させて、カンジダの定
着及び増殖から深在性カンジダ症の発症に及ぶものと考えられている。

AD−アラビニトールはカンジダ属の増殖により産生されるが、抗真菌剤などでその増殖が止ると産生されなくなり基準値に戻るといわれており、本検査は深在性カンジダ症の迅速診断はもとより、抗真菌剤の効果を判定するのに良い指標となる。

B血清中のD−アラビニトールは、血清クレアチニンと同様に腎機能の悪い患者では上昇するとされ、血清クレアチニン量当たりの測定値にすることが、望ましいといわれている。
 

基準範囲

    15才以下 16〜65才 66才以上
D−アラビニトール濃度(μmol/l) 0.7〜5.9 0.0〜9.7 0.0〜27.9
0.5〜5.3 0.0〜10.6 0.0〜18.4
クレアチニン(mg/dl) 0.8〜1.3 0.8〜1.3 0.8〜1.3
0.6〜1.0 0.6〜1.0 0.6〜1.0
D−アラビニトール/クレアチニン比(μmol/l) 0.0〜0.8 0.0〜0.8 0.0〜2.2
0.0〜0.8 0.0〜1.1 0.0〜1.9



採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

(1→3)−β−D−グルカン
エンドトキシン
カンジダ抗原

 

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