(1→3)−β−D−グルカン, β-D-glucan
外注会社:BML(平成14年3月31日まで)
平成14年4月1日より院内実施
臨床的意義
カブトガニの血球成分より抽出されたfactor Gが、真菌の細胞膜構成成分の一つであるβ-D-グルカンと敏感に特異的に反応することを利用し、血漿中および血清中のβ-D-グルカン量を測定する。
深在性真菌症の迅速な診断と治療法の選択また治療効果の判定に利用する。セルロース膜による血液透析を受けている患者や、開胸・開腹手術、広汎熱傷などで大量のガーゼを使用された場合は、偽陽性反応が見られる。
透析膜、ガーゼに混入しているβ-D-グルカンが溶出するためである。また、アルブミン製剤やγグロブリン製剤などの血液製剤を投与された患者でも高値になることがある。(血液製剤の製造過程でセルロース膜を使用したとき)
異常値を示す疾患
[高値]
カンジダ、クリプトコッカス、アスペルギルスをはじめとする深在性真菌感染症
測定法:発色合成基質法(令和2年5月1日より)
比濁時間分析法(平成15年5月26日から令和2年4月30日まで)
カイネティック−マイクロプレ−ト法(平成14年4月1日より平成15年5月23日まで)
合成基質法(平成14年3月31日まで)
測定機器:ESアナライザー(日水製薬株式会社)(令和2年5月1日より)
トキシノメーター MT-5500,MT-6500(和光純薬)(平成15年5月26日から令和2年4月30日まで)
測定試薬:ファンギテック®GテストES「ニッスイ」(日水製薬株式会社)(令和2年5月1日より)
β−グルカンテストワコ−(和光純薬)(平成15年5月26日から令和2年4月30日まで)
ファンギテックGテストMK(生化学工業)(平成14年4月1日より平成15年5月23日まで)
基準値:10pg/mL以下(令和2年5月1日より)
11未満(平成15年5月26日から令和2年4月30日まで)
20pg/ml未満(平成15年5月23日まで)
相関
x=トキシノメーター MT-5500,MT-6500 y=ESアナライザー
y=2.5812x+3.1262 r=0.9379 n=111
二法による一致率:
和光純薬 |
||||
陰性 (11pg/ml 未満 ) | 陽性 (11pg/ml 以上 ) | 計 | ||
生化学工業 |
陰性(20pg/ml 未満 | )16 | 0 | 16 |
陽性 (20pg/ml 以上 ) | 22 | 39 | 62 | |
計 | 38 | 39 | 77 |
一致率 : 71.4%、偽陽性率 : 0%、偽陰性率 : 28.6%
感度および特異度
感度 (%) | 特異度(%) | |
生化学工業 | 87.9 | 43.3 |
和光純薬 | 72.7 | 75.2 |
採取容器:検体は、無菌的に赤専用/βDGに採取すること。