ミオグロビン, Mb(myoglobin)
尿中ミオグロビン(平成21年6月11日よりBML外注)

臨床的意義
ミオグロビンは骨格筋と心筋に存在する低分子量のヘム蛋白質であり、酸素の貯蔵体である。 ヘモグロビンと同様に酸素と可逆的に結合するが、ヘモグロビンよりも酸素親和性が高く効率よく血中の酸素を筋肉組織内に運搬する機能を担っている。 酸素解離曲線はヘモグロビンと同様に双曲線状であり、2価のヘム鉄が酸化され、3価となると酸素結合能を失う。 ミオグロビンは筋細胞の細胞質内に含まれ、分子量が17,200と小さい蛋白分子のため、 細胞膜破壊時はもちろんのこと細胞膜の透過性亢進などでも容易に細胞外へ逸脱して血中へ流入し、さらに尿中に排泄される。 そのため、心筋および骨格筋組織の障害の判定やその重症度の判定のために血中および尿中のミオグロビンを測定することは、有用であると考えられている。

高値疾患:心筋梗塞、筋ジストロフィ症、多発性筋炎、皮膚筋炎

測定方法:ラテックス免疫比濁法

測定機器:日本電子BM8040 (平成29年10月3日より)
     日本電子BM6050(平成26年3月24日より)
     日本電子BM1650(平成18年7月18日より)
     日立7070自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬:Mb-ラテックス CN「生研」(デンカ株式会社)(平成29年10月3日より)
     サイアスラテックスMb(関東化学)(平成14年4月1日より)
     Mb-ラテックス(デンカ生研)(平成14年3月31日まで)

基準値:70ng/mL未満(平成29年10月3日より)    尿:10 ng/mL以下(平成21年6月11日より外注BML)
    18〜70ng/mL(平成14年4月1日より)
    63ng/ml未満(平成14年3月31日まで)

相関
平成29年10月3日
X:JCA-BM6050、サイアスラテックスMb(関東化学株式会社)  Y:JCA-BM8040、Mb-ラテックスCN「生研」
Y=0.57X-7.60 、r=0.9998 (n=124)
平成18年7月18日
X=旧機器  Y=新機器
Y=0.95X+13.19 r=0.994  n=198

採取容器:血清:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
     尿:BML(U4/外注/生化

関連項目
心筋ミオシン軽鎖T
心筋トロポニンT(TnT)
CK-MB
CAV

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