α-フェトプロテイン, AFP (α-fetoprotein)


臨床的意義
 
AFPは、分子量約7万、590個のアミノ酸からなり、1本の糖鎖をもつ蛋白である。胎生期には肝臓および卵黄嚢で産生され、種々の物質の結合蛋白として母体と胎児間の物質の移送に関係し、また免疫抑制作用ももつと考えられている。この胎生期に存在する蛋白が癌化、特に肝細胞癌で再び産生されるようになることがあるため腫瘍マーカーとして利用される。

異常値を示す疾患
著しい高値を示す疾患: 
肝芽腫、肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、乳児肝炎、転移性肝癌

低〜中等度高値を示す疾患: 
肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、肝硬変、慢性肝炎、急性肝炎、劇症肝炎回復期、転移性肝癌、妊娠後期、乳児肝炎、先天性胆道閉鎖症、チロジン血症、ataxia telangiectasia

測定方法: 電気化学発光法(ECLIA法)

測定機器 : コバス8000(平成29年5月8日より)
         Eモジュール(平成18年7月18日より平成29年5月2日まで)
         エクルーシス2010(平成18年7月14日まで)

相関
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.137X-1.183 r=1.000  n=112

平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.44X+4.71 r=0.999  n=101

測定試薬 : ロシュ

基準範囲 : 10 ng/ml 未満(平成18年7月18日より ; IU×1.22=ng
          7.0 IU/ml 未満(平成18年7月14日まで)

小児の基準値
 新生児では極端に高値で以後指数関数的に下がってくる。生下時は数万から数十万ng/mlと成人の基準値の数万倍であり、生後30日では数百から1万ng/mlにまで下がる。その後も減少するが、1歳でもまだ成人より高く、上限値は40〜50ng/dlである。4、5歳で成人とほぼ同じくらいにまで下降する。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

腹部エコー
CT
MRI
PIVKAII
肝炎ウイルスマーカー
血小板数
ヒアルロン酸
IV型コラーゲン・7S

先頭に戻る    前ページに戻る