岡山大学 法学部

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清心中学校法教育授業に岡山大学法学部教員・学生が助言者として参加

清心中学校法教育授業に岡山大学法学部教員・学生が助言者として参加

1.法教育授業の実施方法

 法学部では、岡山弁護士会、社会科教育関係の大学教員等とともに、小・中・高等学校における法教育の支援を行っています。また、法学部では、学生が生徒に法を教えることは、法の基本の理解を確実にすること、コミュニケーション能力を高めることなどの意義があることから、学生にも事前説明をした上で助言者として参加してもらっています。
 清心中学校(ノートルダム清心学園)では、2年前より大学教員、弁護士等外部から助言者を招いて法教育を行っており、今年(2011年)は9月5日及び8日に中学3年生(3クラス)を対象に「臓器移植法」をテーマに行いました。岡山大学から教員4名、学生14名、岡山弁護士会から弁護士4名がいずれかのクラスの授業に参加し、生徒に助言しました。

2.授業内容~臓器移植法について

 授業では、「臓器移植法はどうして制定されたのか」、「なぜ臓器移植法は改正されたのか」、「現行臓器移植法と旧臓器移植法それぞれのよい点、悪い点は何か」、「子どもから臓器移植するときどのような問題点があるか」、「あなたはどのような臓器移植法がよいと思うか」といった点について、新聞記事等を読んで事実を確認し、論点についてグループで話し合い発表するという流れで行われました。
 生徒のグループには、学生1人ずつが入って生徒の発言について助言し、補足説明するなどして、生徒一人一人が理解を深めるよう支援しました。法学部等の教員、弁護士は、グループ討議に適宜助言し、臓器移植法の問題について各クラスでコメントを述べました。「どのような臓器移植法がよいと思うか」については、生徒から「学校で全員にドナーカードを配布し、皆が自分の意思を明らかにするようにしてはどうか。」など、より良い臓器移植の在り方を求める意見が出されました。

3.助言者として参加した学生の意見等

 参加した学生からは、次のような意見や感想がありました。
 授業内容の理解について、「中学生は、臓器移植法の良い点・悪い点や、なぜ臓器移植法が改正されたかについて、新聞記事とグループでの話し合いを通じて、特によく理解できていたと思います。」
「やはり中学生ということもあり、旧臓器移植法を改善したら今度はその改善策にも問題がある、といったメリット・デメリットは表裏一体であるという点にはなかなか気付けないようでした。」
 授業の進め方について、「4人だとグループ内の意思疎通が図りやすく、また他グループの発表を聞いて異なる視点に気付くことがあったり、全体的によかったと思います。」
 助言者としてどのように生徒に助言するかについては、グループにより様々であったようですが、次のような感想もありました。「生徒があまり発言してくれなかったため、ずっとこちらが質問して生徒がそれに答えて…の繰り返しになってしまった。」

4.まとめ
 岡山大学教員・学生及び弁護士が助言する形での臓器移植法に関する授業は2年前から行っており、次第に学習効果が上がるようになってきていると感じます。中学校の生徒が法律を身近に感じ、法的な問題を考えるきっかけになることを願っています。また、助言する学生は、事前に臓器移植法について学んで、どのように話をすれば生徒にわかってもらえるか、問題について考えてもらえるかを模索しながら進めていて、貴重な経験ができたと思います。

4.まとめ

 岡山大学教員・学生及び弁護士が助言する形での臓器移植法に関する授業は2年前から行っており、次第に学習効果が上がるようになってきていると感じます。中学校の生徒が法律を身近に感じ、法的な問題を考えるきっかけになることを願っています。また、助言する学生は、事前に臓器移植法について学んで、どのように話をすれば生徒にわかってもらえるか、問題について考えてもらえるかを模索しながら進めていて、貴重な経験ができたと思います。

(文責:中村誠)