岡山大学病院 口唇裂・口蓋裂総合治療センター

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発生率と病因

どのくらいの患者さんがいるの?

 日本では、400~600名に1名の割合で口唇裂、口蓋裂の赤ちゃんが生まれ、顔面に発生する最も高い頻度でみられる先天異常の一つです。その内訳は、片側性唇顎口蓋裂(40%)、口蓋裂(30%)、両側性唇顎、口蓋裂(10%), 口唇裂(10%)、その他(10%)です。その他の先天疾患に併発することもあります。

どうして起こる病気なの?

 くちびる(口唇)や上あご(口蓋)が、受精卵の時から形づくられるまでをみてみると、妊娠5~8週頃にかけてくちびるが、妊娠7~12週頃に上あごの奥(軟口蓋)ができあがります。でき方はそれぞれ突起といわれる風船の先の様なものが、上から横から伸びてきて、くっつくことによってくちびるや上あごの形ができます(図1、2)。口唇裂や口蓋裂は、ちょうどこの突起の接合部がうまくくっつかなかったか、裂け目ができた状態です。したがって、口唇裂や口蓋裂は、くちびるや上あごが形成される過程で、何らかの理由で突起が癒合しなかったが、または癒合部に破裂が起こったものと考えられています。 

口唇のできかた
口唇のできかた

 なぜこのようなことが起こるのか、いろいろな原因があるといわれておりますが、いまだはっきりとした原因はわかっていません。動物を用いた実験では、遺伝子の異常、ビタミンの異常、ホルモンの異常、抗がん剤、放射線、ウィルスの感染等多数あります。他の病気に併発することもあります。しかし、人での発生要因として確認されたものはほとんどありません。

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