国立大学法人 岡山大学

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第3回EReTTSaシンポジウムを開催

2023年03月20日

 本学は3月14日、津山工業高等専門学校、日本原子力研究開発機構とともに「第3回EReTTSa(※)シンポジウム~森林バイオマスの利活用による脱炭素・地方創生~」を開催しました。本シンポジウムは新型コロナウイルス感染対策のためオンラインで行い、企業・教育機関・自治体・金融機関・学生など、約110人が参加しました。
 開会にあたり、那須保友 理事(研究担当)・副学長が「作州地域には豊富な森林バイオマスが存在する。本シンポジウムが作州地域をはじめとした中山間地域のさらなる発展の一助になることを期待する」とあいさつしました。
 シンポジウムではまず、株式会社sonrakuの井筒耕平代表取締役が「小さな木質バイオマス事業を起点とした地方創生」と題し、基調講演。小規模なバイオマス熱源併給事業が地方創生に結び付いた事例などを紹介し、森林資源をできる限り地域内で使い尽くすことの重要性を指摘しました。
 その後、西粟倉村地方創生推進室の上山隆浩参事が脱炭素とデジタルでつくる持続的な地域構想など西粟倉村おける先進的な取り組みについて紹介し、院庄林業株式会社の田原義彦常務取締役が欧州と日本では木材の生産コストが大きく違うことなどについて解説しました。
 続いて、津山工業高等専門学校専攻科電子・情報システム工学専攻1年の平田航さんが「太陽光発電システムの安全性向上のための故障検出技術の開発」、本学農学部1年生の礒野楓也さん、伊藤優希さんが「バンブーファイバー製マイボトル普及キャンペーン」、本学教育学部1年生の岡村あすかさんが「脱炭素×筋トレ」と題し、学生による脱炭素に資する研究・アイデアを披露しました。
 また、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターの木原義之所長が「人形峠環境技術センターの挑戦」と題し、放射性廃棄物をより合理的に処理処分するための研究開発など同センターによる意欲的な取り組みについて紹介しました。
 パネルディスカッションでは、本学グローバル人材育成院の駄田井久准教授がファシリテーターとなり、パネリストに井筒代表取締役、上山参事、田原常務取締役を迎え、「地方における森林バイオマスの利活用・脱炭素・地域活性化」をテーマに討論を行いました。
 討論は視聴者からの質問も交えて行われ、地方でバイオマス関連事業を立ち上げるためには「プロデューサー人材」が不可欠であり、その人材がわが国では絶対的に足りていないため、学術と現場を相互に経験できる「学びの場」を作るべきなどの意見が出されました。最後に駄田井准教授が「林業の事業形態やバイオマスエネルギーの利活用方法については多様性が増している。今後は、多様な人材がバイオマス利活用に貢献できるようになるために、教育・研究機関に何ができるのかを考えてゆきたい」と締めくくりました。
 閉会にあたって、津山工業高等専門学校の岩佐健司校長が「今回のシンポジウムでは多くの示唆を得られた。これを参考に作州地域の発展のために新たな取り組みを検討していきたい」とあいさつし、シンポジウムは盛況のうちに幕を閉じました。


※本シンポジウムは、環境・エネルギーシンポジウムとして、平成20年に岡山大学と国立研究開発法人日本原子力開発機構人形峠環境技術センターとの連携協定締結以降、毎年3機関が持ち回りで開催しており、令和元年度からは、岡山大学が作州各自治体及び商工会との包括連携協定を結んだことをきっかけに、3機関が有する産学官連携機能を有効的に活用した取り組みに着目し、「産学官連携」をテーマにした「EReTTSa」シンポジウムに名称を改めました。「EReTTSa:エレッサ」には教育Education、研究Research、技術Technologyでつながる3機関によるトライアングルTriangleで、津山工業高等専門学校と日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターが位置する作州地域Sakushu areaが抱える社会課題などに取り組んでいきたいとの思いが込められています。令和2年度に第1回を開催し、今回が第3回となりました。


○当日のアーカイブ動画は後日配信する予定です。


【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究推進機構
TEL:086-251-8463
E-mail:kikou◎adm.okayama-u.ac.jp
※メールを送信する際は、◎を@に置き換えてください。

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