国立大学法人 岡山大学

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本学学生が企業と製品のCO2排出量可視化にチャレンジする取り組みを開始

2023年07月27日

 本学は7月20日、岡山県商工会連合会とともに、企業のCO2排出量可視化に取り組むワークショップを開催しました。
 カーボンニュートラルを実現するためには、個別企業のみならず、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減が必要であり、その前段階として製品やサービスの生産・流通に伴う温室効果ガス排出量の可視化が求められます。
 このワークショップは、管理会計・原価計算を専門とする学術研究院社会文化科学学域の天王寺谷達将准教授の研究室が研究活動の一環として実施。商工会会員である木製品メーカー株式会社ホリグチの協力のもと、同研究室の学生が、年度末まで数回にわたり、同社製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでのCO2総排出量を示す「カーボンフットプリント(CFP)」の算定に挑みます。
 第一回となる今回は、同社社員や商工会職員も加わり、経済産業省・環境省が発表したガイドラインに基づいて「生産」「流通」「使用」などの各段階での排出量を検討し、さまざまな使われ方をする同社製品に対してどのように基準を適用するかなどについて、活発な議論が交わされました。
 参加した同社の堀口真伍社長は、「学生とこのような企画にチャレンジできることは大変光栄。環境への意識をさらに高め、製品の付加価値向上を目指したい」と話しました。
 今後は、同研究室の学生らが同社工場の見学を行い、製造現場を確認したうえで必要となるデータを収集し、年度内のカーボンフットプリント算定を目指す予定です。
 本ワークショップは、本学と岡山県商工会連合会との連携・協力に関する協定に基づくもので、本学が同連合会と連携し、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを実施するのは今回が初となります。

※本学は、このような大学の知と技を活用した、産業界・経済界のみなさまの課題解決を推進しています。ご相談がございましたら、お気軽に下記問い合わせ先までご連絡ください。

○「カーボンニュートラル」とは
 温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
環境省:脱炭素ポータル

○「サプライチェーン」とは
 商品の企画・開発から、原材料や部品などの調達、生産、在庫管理、配送、販売、消費までのプロセス全体を指し、商品が最終消費者に届くまでの「供給の連鎖」のこと。
経済産業省「サプライチェーンリスクと危機からの復旧」

○「カーボンフットプリント」とは
 製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組みのこと。
出典:カーボンフットプリントガイドライン(経済産業省、環境省)

○岡山県商工会連合会
 県内20の商工会を会員とし、各商工会の指導、商工業に関する情報収集・調査研究、経済団体との連絡・連携などを担う。商工会は、小規模事業者等を対象とした経営支援事業を行うとともに、文化事業なども実施し、地域振興に関して大きな役割を果たしている。2021年5月に、地域の発展とSDGs の達成へ貢献することを目指して、岡山大学と連携・協力に関する協定を締結。
岡山県商工会連合会

○株式会社ホリグチ
 倉敷市真備町に本社を置き、オフィス家具や建築家具等の木工製造業を営む企業。オフィスデスクの天板メーカーとして全国のオフィス家具メーカーとの取引を行いながら、岡山県産のヒノキ材を使ったこだわりの家具づくりも手掛ける。
株式会社ホリグチ

【本件問い合わせ先】 
研究協力部産学連携課
TEL:086-251-7151

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