国立大学法人 岡山大学

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桃太郎フォーラム2024を開催

2024年10月28日

 本学教学企画室は9月19日、創立五十周年記念館金光ホールで「桃太郎フォーラム2024」を開催しました。27回目の開催となる今回は2部構成で、第1部は学内者限定で、第2部は学外参加者も交えた公開シンポジウムを開催しました。また、第2部は対面に加えて、Zoomのウェビナーによる中継視聴での参加もでき、第1部と第2部を合わせて210人が参加しました。
 第1部では、菅誠治理事(教学担当)・上席副学長から開会のあいさつがあり、続いて「岡山大学における教育改革(Target2025)」の動画を上映しました。その後、本学教育推進機構の田尾周一郎准教授から、新たに全学必修科目として開設する「知の探研」について、荻野勝教授から英語科目について、花谷正教授からは全学共通科目および全学交流科目について、それぞれ進捗報告がありました。
 第2部は、「大学初年次に開設する全学必修科目への期待」をテーマに、初年次に置く学部混成の全学必修科目の取り組みに関する公開シンポジウムを開催。菅理事の開会あいさつに続いて、教学企画室の和賀崇准教授が、初年次教育の歩みを振り返るスライドを映写しながらシンポジウムの趣旨を説明しました。その後、登壇者が各大学の事例を報告しました。
 九州大学の野瀬健教授は、同大における基幹教育セミナーおよび課題協学科目の開発の経緯、科目の概要と授業例、授業担当者向けのFD、課題と今後の展望について、2012年から10年以上の実績を踏まえ、カリキュラム運営の視点から報告しました。
 続いて、東京工業大学(※登壇時)の室田真男教授は、同大のリベラルアーツ教育の設計企図や全体構造、初年次必修科目である「東工大立志プロジェクト」のねらいや内容例、教室に持ち込むツールが活用された学習デザイン、大学院生が学士課程の授業に参画する制度について、同大のリベラルアーツ教育を牽引してきた教員の視点から報告しました。
 最後に本学教育推進機構の田尾准教授が、本学において2025年度から開講する課題探究科目「知の探研」開発の経緯と企図、科目の基本構造、科目のグランドルールとなる「知の探研7か条」の作成、直近の試行授業でみえたこと、授業担当教員向けガイドブックの作成とFDについて、科目開発を担当する教員の視点から報告しました。
 パネルディスカッションでは、鹿児島大学の伊藤奈賀子教授から「それぞれの事例に共通している『対話』と『混在』についてどう考えるか」、「初年次必修科目開設の本当の動機や思惑は何か」、「波及効果として何を期待するか」といったコメントが指定討論者として提示されました。コメントを皮切りに、教学企画室の田中岳教授の司会のもと、各登壇者と意見を交え、大学初年次における全学必修科目について活発な議論が行われました。そこでは、各事例に共通することとして「省察」や「書く(思考の外化)」の追加や、「対話」における「自他の尊重」の重要性、世界や研究対象を理解する方法としての「対話」の在り方、「対話」を生む糸口としての「混在」など、今後の議論が待たれる論点が数多く出されました。また、初年次必修科目の二次効果としてある学生支援的要素、同一科目多クラス開講における質保証、学修成果の評価など、今回のテーマの周辺にある課題の整理もなされました。
 シンポジウムの最後には、三村由香里理事(企画・評価・総務担当)から閉会のあいさつがあり、盛会のうちに終了しました。
 第2部の参加者からは「自大学でも初年次教育の改革が必要でしたので、とても参考になりました」や「『対話』『混在』に関する議論に強く興味をひかれました」などの感想が寄せられました。

※ 本文中の大学名は開催日時点の名称です。東京工業大学は、2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学となりました。

(参考情報)
【開催報告】桃太郎フォーラム2024
【開催案内】桃太郎フォーラム2024
【登壇者プロフィール】桃太郎フォーラム2024


【本件お問い合わせ先】
学務部学務企画課教育支援グループ
TEL:086-251-8426

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