島根県海士町および広島県三原市において、11月18日から、本学が参画するDAO(分散型自律組織)プロジェクトが開始されました。
本プロジェクトは、経済産業省「Web3.0やブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」に基づき、一般社団法人Hiroshima Web3協会、一般財団法人島前ふるさと魅力化財団、株式会社まちづくり三原により実施されるものです。
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、ブロックチェーン技術※1を基盤に、中央集権的な管理者を置かず、スマートコントラクト※2により透明性と効率性を備えた意思決定と運営を行う新しい組織形態です。参加者全員が平等に意思決定プロセスに関与できる特長があり、地域社会や自治体運営など、多様な分野での活用が期待されています。
本プロジェクトでは、海士町と三原市それぞれの地域特性を生かしたDAOを構築します。海士町では、地域資源や観光資産を活用し、住民や関係者が主体的に地域活性化を進める仕組みを設計。三原市では、都市部との交流促進や関係人口の創出を目指し、地元企業や自治体と連携したDAOの運営が行われます。これらの取り組みにより、新たな地域コミュニティの構築を目指し、地域課題の解決や持続可能な社会の実現を目指します。
本プロジェクトには、学術研究院環境生命自然科学学域の野上保之教授を中心に、10人を超えるデータサイエンス部の学生や卒業生が参画し、Hiroshima Web3協会や地元自治体、他大学と連携しながら、DAO構築の技術支援や運営実証に取り組んでいます。具体的には、実際に現地に赴き、地域課題に応じたDAOの設計、運営プロセスの検証、その有効性と課題を探る活動などが行われています。
野上教授は、「本プロジェクトでは、最先端の技術を活用するだけでなく、地域住民や自治体との連携を通じて、現実の課題に向き合うことが求められます。学生たちが実際に現場で学び、地域に貢献する経験をすることが、彼らにとって大きな成長の機会となるでしょう。今回の取り組みが地域社会にイノベーションを生む一助となれば幸いです」と述べています。
本学は、地域課題解決に向け、学生を起点とするイノベーション創出活動を推進しています。今回の事業をモデルとし、それらの活動の一層の増加を図り、イノベーションの創出とwell-being社会の実現に取り組んでいきます。どうぞ地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の挑戦と取り組みにご期待ください。
なお、本件は「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」及び「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の一環としても実施しています。
※1ブロックチェーン・・・分散型ネットワーク上でデータを記録・共有するデジタル台帳技術。データを「ブロック」という単位にまとめ、各ブロックを時系列でつなげてチェーン状に保存することにより、過去のデータの改ざんが極めて困難となる。分散管理(データはネットワーク内の複数のコンピュータ(ノード)で共有され、中央管理者が不要)、透明性(取引内容は全ノードで共有され、誰でもその正当性を確認できる)、改ざん防止(ブロックは暗号技術を使って結びつけられ、1つのブロックが改ざんされると全体に影響が出る)に特徴がある。
※2スマートコントラクト・・・ブロックチェーン上で動く「自動契約プログラム」。契約内容をプログラムにしておき、条件が満たされると自動で実行される。自動化(条件を満たすと自動実行)、改ざん防止(ブロックチェーンで安全に記録)、透明性(誰でも内容を確認可能)に特徴がある。
【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究・イノベーション共創管理統括部 産学連携課
TEL:086-251-8918
Email:co-creation◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
本学が参画する関係人口創出に向けたDAOプロジェクトが島根県海士町・広島県三原市で始動
2024年11月27日