本学は12月4日、「OU-SPRING・BOOST Winter Research Symposium 2025」を本学津島キャンパスの創立五十周年記念館で行いました。
本シンポジウムは、本学が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」に採択を受けて実施している岡山大学次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING)の認定者に対して、トランスファラブルスキルや異分野融合研究能力の強化促進、人材交流等を目的として実施しているものです。OU-SPRING認定者らが各自の研究を他の専門分野などの人たちにわかりやすく紹介したポスターを作成し、掲示する「ポスターセッション形式」で開催。OU-SPRING認定者77人、OU-BOOST-AI認定者2人のほかに、本学教職員や博士前期課程学生ら約25人が参加しました。
冒頭、研究・産学共創総括担当副理事である佐藤副理事から「本日ポスター発表を行う方には、研究分野の異なるSPRING生や教員、その他参加いただいた学生等、さまざまな方へ向けて発表を行っていただきます。自身の専門領域を専門外の方に説明すること、専門外の領域の研究者の話を聞いて理解することは、これからの研究生活においても非常に重要です。今回のシンポジウムのように多種多様な専門領域の方々が集まってお互いに議論ができる機会を活用し、さらに研究者としてのスキルを磨いていただきたい」と開会のあいさつがありました。
開会あいさつの後にはOU-SPRING同窓会コミュニティであるOU-BRIDGEの運営メンバーがOU-BRIDGEの紹介およびコミュニティ参加への呼びかけを行いました。その後、OU-SPRING認定者らは、3グループに分かれ、自らの研究についてポスタープレゼンテーションを行い、他の認定者や来場した学生、教職員らと活発な議論を交わしました。
また、OU-SPRING認定者らによる、特にユニークだと思った発表や工夫されている発表に対する投票も実施。投票の結果、大学院環境生命自然科学研究科の長尾幸紀さんの「茎寄生植物アメリカネナシカズラ Cuscuta campestrisの外的刺激に対する応答について」の発表が最優秀発表賞に、大学院医歯薬学総合研究科のPIAO TIANYANさんの「口腔扁平上皮癌腫瘍周囲組織が腫瘍関連マクロファージの集簇・分化に与える影響について」、同研究科のMOE THIHAさんの「Ephrin-B2ノックダウンによる慢性腎臓病の糸球体障害改善」の発表が優秀発表賞に選ばれました。
閉会にあたっては、本事業の事業統括を務める菅誠治理事(教学担当)・上席副学長が「本事業は、皆さんに単に自身の専門分野の知識だけでなく、将来役に立つさまざまなスキルを身につけてもらいたいという思いで実施しています。本シンポジウムも、異分野の方とコミュニケーションをとること、短時間で自分の伝えたいことを伝える力を身につけるためのものです。オンラインにはオンラインなりの良さがありますが、やはりオンラインでは補えない部分も多くあります。相手の顔をじかに見て、その表情や雰囲気から人柄をつかみ、理解を深めあうためには、なんといってもFaceToFaceでの交流が一番です。博士課程を修了するのはとても大変なことですが、皆さんが修了後にOU-SPRINGを経験してよかったと思ってもらえるよう、引き続き取り組んでいきます」と、閉会のあいさつをしました。
シンポジウム後には、同キャンパスで交流会も開催。冒頭、菅理事からあいさつとともに、今後の活動への期待を込めたコメントがありました。その後、菅理事からも長時間のシンポジウム参加への労をねぎらう言葉とともに最優秀発表賞と優秀発表賞の3人に対して表彰状が授与されました。
その後参加者は、菅理事や教職員らとともに、大学院生活や将来の進路などさまざまな話題を活発に交わしました。最後は、本事業統括支援である本学研究・イノベーション共創機構の大塚愛二教授(特任)からあいさつがあり、より良い研究者活動を祈念して交流会を終了しました。
本学は大学院生を「学生」ではなく「研究者」としても捉えており、今回のシンポジウムも一人の研究者としての矜持を持ち、アカデミアや産業界などさまざまな場で活躍できるために自らの能力を伸ばすこと、人的ネットワークを拡大することなどを重点においています。本学では今後も全学を挙げて、新たな研究・イノベーションを創出する研究者等の育成を戦略的に実施します。
また、OU-SPRING認定者と修了者により構成する同窓会「OU-BRIDGE」の新設により、今後、「岡大発ナレッジワーカー」としてさまざまな場で活躍する国際同窓生ネットワークを確立し、OUコミュニティとして多面的な交流を促進していきます。引き続き、研究ファーストを掲げる地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の“研究者”らの活躍にどうぞご期待ください。
(参考)
OU-SPRING
OU-BRIDGE(OU-SPRING同窓会コミュニティ)
【本件問い合わせ先】
研究・イノベーション共創管理統括部 研究協力課
E-mail:ou-fellowship◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
OU-SPRING・BOOST Winter Research Symposium 2025を開催
2025年12月25日