国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

金属ナノ構造で有機太陽電池を高効率に 第3回ナノファンクショナルマテリアルセミナーを開催

2015年07月15日

 機能性ナノ材料の最先端研究や、広範囲な異分野融合から革新的な新技術創出などに取り組む本学大学院自然科学研究科(工学系)石川篤助教らは7月8日、「第3回ナノファンクショナルマテリアルセミナー」を本学津島キャンパスで開催しました。
 講師に招いた国立研究開発法人理化学研究所の岡本隆之専任研究員が、「プラズモニクスとその有機ELおよび有機太陽電池への応用」と題して講演。金属ナノ構造と光との相互作用を用いた新しい光科学技術「プラズモニクス」について紹介しました。金属ナノ構造に光を照射すると、金属中の自由電子と光電場とが結合した状態であるプラズモンが発生し、光をナノスケールの領域に閉じ込めたり、強い電場を発生したりできることが知られています。岡本研究員は、有機EL素子の電極に金属ナノ構造を導入することで、その光取り出し効率を大きく改善できることを紹介。有機薄膜太陽電池に対しても同じ技術を応用することで、高効率化とレアメタルフリー化できることについても触れたほか、高感度な光センサー応用など、幅広い視点からプラズモニクスの可能性について解説しました。
 講演後の質疑応答では、参加した教員、学生、企業などの関係者らとともに、熱心な議論を繰り広げました。
 本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。同セミナーで得られた知見や人的ネットワークを最大限に利活用して、社会を革新する研究開発や学術の基幹を築いていく予定です。
 なお同セミナーは、本学異分野融合研究育成支援事業の支援によって開催されました。

<過去の開催>
ナノファンクショナルマテリアルシンポジウム(2015.05.13)
第1回ナノファンクショナルマテリアルセミナー「超解像光学顕微鏡の進展」(2015.04.15)
第2回ナノファンクショナルマテリアルセミナー「対称性が破れたメタマテリアルで光を操る」(2015.06.10)

【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科(工)助教 石川篤
TEL:086-251-8140

(15.07.15)


年度