国立大学法人 岡山大学

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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.66 発行

2019年03月28日

 本学は3月25日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療イノベーションなどに結びつく成果を英語で世界に情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.66を発行しました。
 2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行。世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者などにニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
 本号では、異分野融合先端研究コア システム細胞学研究室/大学院環境生命科学研究科の守屋央朗准教授と江口優一大学院生らが発見した、細胞内での発現量に着目した、タンパク質の毒性の有無の定義法を確立した研究成果について紹介しています。
 守屋准教授と江口大学院生らの研究グループは、出芽酵母のアルコール発酵に関わるタンパク質を対象に、どれだけ作られたら害をなすか(限界発現量)を測ることで、細胞内で過剰にした際に害にならならいタンパク質を明らかにしました。また、そのことから無害でない=害をなすタンパク質が明らかになり、害をなすメカニズムとして、代謝活性、細胞内局在、システイン残基を介した凝集があることを見いだしました。この研究は、「限界発現量」がタンパク質の過剰による毒性を切り分けるために利用できることと、それにより毒となるタンパク質を同定してその毒性の原因を明らかにできることを示した初めての例です。この研究から得られた知識は、がんや神経変性疾患などタンパク質の過剰や蓄積により生じる病態の理解や、細胞を利用してタンパク質を大量産生させる際に利用されると考えられます。今後も今回の成果をもとに、さらに過剰により毒になるタンパク質を明らかにし、それらの持つ性質を明らかにしたいと考えています。
 岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系と異分野融合から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術、健康維持増進へより早く届けられるように研究開発を推進していきます。
 なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。


Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.66:Is too much protein a bad thing? 


<Back Issues:Vol.58~Vol.65>
Vol.58:Insights Into Mechanisms Governing the Resistance to the Anti-Cancer Medication Cetuximab (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)江口傑徳助教)
Vol.59:Role of commensal flora in periodontal immune response investigated (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)森田学教授、福原大樹医員)
Vol.60:Role of commensal microbiota in bone remodeling (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)森田学教授、内田瑶子歯科医師)
Vol.61:Mechanical stress affects normal bone development (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)池亀美華准教授)
Vol.62:3D tissue model offers insights into treating pancreatic cancer (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 狩野光伸教授&大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)田中啓祥助教)
Vol.63:Promising biomarker for vascular disease relapse revealed (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)渡辺晴樹助教、佐田憲映准教授)
Vol.64:Inflammation in the brain enhances the side-effects of hypnotic medication (岡山大学病院薬剤部 北村佳久准教授)
Vol.65:Game changer: How do bacteria play Tag? (大学院環境生命科学研究科(農学系)田村隆教授)



<参考>
「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」バックナンバー
岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」


【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp

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