国立大学法人 岡山大学

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岡山大学経済学会大講演会「新しい貨幣理論―和同開珎から仮想通貨まで」を開催

2019年07月09日

 7月3日、本学経済学会は2019年度大講演会を創立五十周年記念館で開催し、独立行政法人経済産業研究所所長・京都大学特任教授の矢野誠氏が「新しい貨幣理論―和同開珎から仮想通貨まで」というテーマで講演しました。
 講演に先立ち、張星源経済学部長が開会のあいさつを行い、東陽一郎経済学会長(大学院社会文化科学研究科教授)が講師の矢野氏を紹介しました。矢野氏はこれまでの貨幣の歴史を解説し、我々は紙幣や硬貨が貨幣であると考えがちだが、実際は預金通帳に代表されるデータが通貨の役割を果たしていると説明。仮想通貨の技術的な特性を詳しく述べ、貯金通帳のようなデータとしての通貨とは異なり、仮想通貨は発行費用が著しく低くなる可能性があることや、この性質が経済に与える影響を示し、「仮想通貨の技術が発展し、実用化された結果、将来の経済で中央銀行の貨幣政策が現在とはどう異なり、どのように社会的厚生の改善が見込まれるかを重視すべきである」と強調しました。
 質疑応答では、仮想通貨のさまざまなタイプを解説し、「現在、仮想通貨は投機的な意味で関心が寄せられることが多いが、仮想通貨の本質的な価値は貨幣の発行の費用を低下させることにあり、その結果、人々がどのような利益を得る可能性があるかに注目すべきである」と話しました。
 最後に東経済学会長が閉会のあいさつを行い、矢野氏へ感謝の意を述べました。経済学部、大学院社会文化科学研究科学生、教員、外部の参加者ら約400人が来場し、会場が満席となる盛況ぶりでした。
 岡山大学経済学会は、経済学部および大学院社会文化科学研究科(経済学系)の全学生・全教員をメンバーとする組織で、学生の勉学および就職活動の支援と、学部全体の研究・教育水準の向上を目指して活動しています。

【本件問い合わせ先】
大学院社会文化科学研究科(経済)
教授 東 陽一郎
TEL:086-251-7523

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