国立大学法人 岡山大学

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イネをストレスから守る「ケイ素」の蓄積を担う輸送体を世界で初めて発見!~ケイ素を利用した作物の安定生産や安全性の向上に期待~

2023年10月19日

◆発表のポイント

  • ケイ素はイネの葉や茎の表面や特別な細胞に蓄積することによって、イネをさまざまなストレスから守ります。本研究では、このケイ素の蓄積を担う輸送体を同定しました。
  • この輸送体の遺伝子が壊れると、葉の表面に蓄積するケイ素が減り、通常は溜まらない組織にケイ素が蓄積してしまうことで、たくさんのストレス誘導性遺伝子が変動し、生育が激しく抑制されてしまいます。
  • これらの結果は、ケイ素の適切な蓄積がイネの健全な生育に重要であることを示しています。
  • 本研究成果により得られた知見は、ケイ素を利用した作物の安定生産や安全性の向上に役立つことが期待されます。

 岡山大学資源植物科学研究所の馬建鋒教授のグループは、同大自然生命科学研究支援センターの宮地孝明研究教授のグループと共同で、イネのケイ素蓄積を担う輸送体の分子機構を明らかにしました。本研究成果は日本時間10月19日(木)午後6時(英国時間:19日午前10時)に英国の科学雑誌「Nature Communications」にオンラインで公開されます。
 ケイ素は植物の有用元素として知られ、さまざまなストレスを軽減することによって、植物の健全な生育に貢献するミネラルです。ケイ素による有益な効果を受けるには、葉や茎にケイ素を蓄積させることが大事であるとされていましたが、これまでこの蓄積に関する分子メカニズムは分かっていませんでした。本研究では、未知であったケイ素の蓄積を担う輸送体を新たに同定し、その機能を証明しました。本研究成果により得られた知見は、ケイ素を利用した作物の安定生産や安全性の向上に役立つことが期待されます。

◆研究者からひとこと

 これまでケイ素は土壌ミネラルの中で唯一過剰障害の出ない元素であるとされてきましたが、今回の発見により、この輸送体が存在するからであることが分かりました。10年以上を費やした本研究が今後の作物の生産性と安全性の向上に役立てば、光栄です。
馬 教授

■論文情報
論 文 名:A silicon transporter gene required for healthy growth of rice on land
掲 載 紙:Nature communications
著  者:Namiki Mitani-Ueno, Naoki Yamaji, Sheng Huang, Yuma Yoshioka, Takaaki Miyaji, and Jian Feng Ma
D O I:10.1038/s41467-023-42180-y
U R L:https://doi.org/10.1038/s41467-023-42180-y

■研究資金
 本研究は学術振興会科学研究費補助金「特別推進研究」(課題番号16H06296)、「基盤研究S」(課題番号21H05034)、「基盤研究C」(課題番号20K05773)の助成を受けて実施しました。

<詳しい研究内容について>
イネをストレスから守る「ケイ素」の蓄積を担う輸送体を世界で初めて発見!~ケイ素を利用した作物の安定生産や安全性の向上に期待~


<お問い合わせ>
岡山大学資源植物科学研究所
教授  馬 建鋒(ま けんぼう)
(電話・FAX)086-434-1209

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