国立大学法人 岡山大学

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3次元化で段築構造が明瞭に -岡山市津倉古墳の測量調査-

2014年04月22日

 本学文学部学芸員課程・考古学研究室は2014年3月に、最新の遺跡測量法を用いて岡山市津倉古墳の現在形状に関する詳細な測量を行いました。現地観察とデータの3次元ビジュアル化により、同古墳の墳丘の段築構造が明瞭となりました。今後、データの整理・解析を進めるとともに、古墳の規模や時期、周辺遺跡との関係等の解明を継続する予定です。
〈成果〉
 岡山大学文学部学芸員課程・考古学研究室は2014年3月3~14日に、津倉古墳(岡山市北区京山一丁目)の現在形状に関する詳細な測量を行いました。
 津倉古墳は従来、古墳時代前期の前方後方墳(墳長40m前後)であることが知られており、1980年代末頃には岡山大学考古学研究室による平板による等高線測量も行われました。今回の調査では、トータルステーションによる等高線測量と、(有)關施工管理事務所のご支援による3次元測量という2種類の測量を実施しました。その結果、現在の墳丘に関する詳細な記録が可能となりました。また現地での観察と3次元測量データの解析の結果、前方部2段築成、後方部3段築成である可能性が高いことがビジュアルな図上で認識可能となり、古墳調査における同測量方法の有効性を示すことができました。

〈今後の展望〉
 津倉古墳の調査の目的は、古墳と集落の動向をあわせた古墳時代前期社会の地域モデルを構築することにあります。津倉古墳の北方約2㎞の半田山山塊には、弥生時代の終わりから古墳時代のはじめにかけての墳丘墓や古墳が築造されています。考古学研究室ではこれまで弥生時代後期末の都月坂2号弥生墳丘墓や古墳時代前期の同1号墳(前方後方墳)および七つ

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