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マウス喘息モデルでラベンダー精油の抗アレルギー作用を科学的に証明

 岡山大学大学院保健学研究科検査技術科学分野の飯尾友愛助教、柴倉美砂子准教授、片岡幹男教授らの研究グループが、アロマセラピーに用いられるラベンダー(Lavandula angustifolia)精油にマウスモデルの喘息症状を軽減する作用があることを世界で初めて明らかにしました。本研究成果は2014年6月5日、アメリカの総合科学雑誌『Life Sciences』に掲載されました。
 今回の研究では、モデルマウスとして「喘息マウス」を使用しました。喘息マウスは、刺激により気道が収縮しやすく、粘液分泌や好酸球が増加するといった喘息症状が認められますが、ラベンダー精油を嗅がせることによって、これらの症状の軽減が認められました。
 今後さらに、人への応用研究などを進める事で、精油のアレルギー性疾患への応用や、他の精油の抗アレルギー作用の科学的実証がさらに詳細に解明されていく予定です。将来的には、喘息を抑える薬剤開発や新たな緩和治療法開発などの発展を目指します。
<業 績>
 岡山大学大学院保健学研究科検査技術科学分野の飯尾友愛助教、柴倉美砂子准教授、片岡幹男教授らの研究グループは、マウス喘息モデルを用いて、ラベンダー精油の喘息症状軽減作用を世界で初めて明らかにしました。
 精油とは、植物から抽出される天然の揮発性有機化合物のことです。抽出に用いる植物の違いによって、精油には様々な種類が存在します。精油は欧米では植物療法の一つとして長い間、伝統的に用いられてきました。しかし、様々な症状や疾患に対する精油の作用についての科学的な研究は着手されたばかりで、まだまだ未知の部分が多く残っています。
 本研究では、マウス喘息モデルにラベンダー精油を嗅がせることで、喘息マウスで認められる気道の狭窄、粘液分泌の亢進、アレルギー反応の主役である好酸球の気道や肺胞への浸潤を抑制することを発見し、ラベンダー精油がアレルギー症状を抑制する作用を持つことを科学的に証明することができました(図1)。

図1. マウス喘息モデルに対するラベンダー精油の抗アレルギー作用

<見込まれる成果>
 本研究により、マウス喘息モデルにおいてラベンダー精油の抗アレルギー作用が明らかになりました。人での作用を知るには更なる研究が必要ですが、ラベンダー精油のアレルギー性疾患への応用の可能性が広がりました注1。
 精油は、数十種類の揮発性有機化合物集合体で、植物の種類によって構成成分が異なります。本研究によりラベンダー精油に抗アレルギー作用が認められたため、効果を発揮している成分を特定できれば、他にも抗アレルギー作用を持つ可能性のある精油を迅速・効果的に選別することが期待できます。

<補 足>
注1:今回の研究結果は、マウス喘息モデルを用いて明らかにしたラベンダー精油の作用の一面でしかなく、人での作用を知るには更なる研究が必要です。現在の日本では、誰もが手軽に精油を利用することができますが、多くの揮発性有機化合物を含む精油の利用には健康面において注意が必要です。
 本研究は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科研費補助金「若手研究(B)」、独立行政法人科学技術振興機構(JST)科学技術人材育成費補助金「テニュアトラック普及・定着事業」の助成を受け実施しました。

発表論文はこちらからご確認いただけます
発表論文:Ueno-Iio T, Shibakura M, Yokota K, Aoe M, Hyoda T, Shinohata R, Kanehiro A, Tanimoto M, Kataoka M. Lavender essential oil inhalation suppresses allergic airway inflammation and mucous cell hyperplasia in a murine model of asthma. Life Sci. 2014 Volume 108, Issue 2, 17 July 2014, Pages 109-115. (doi: 10.1016/j.lfs.2014.05.018.)

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<お問い合わせ>
岡山大学大学院保健学研究科検査技術科学分野
准教授 柴倉 美砂子
(電話番号)086-235-6885
(FAX番号)086-235-6885