国立大学法人 岡山大学

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異種通信システムとメディアを融合する新たな通信原理を実装した紙メディアによる学習データ収集実験の開始

2013年05月29日

◆次のようなことが原理的に実現できる通信原理を考案
・クラウドにアップしたファイルを、クラウドを超えて任意の第三者に送る。
・住所がない(流されてしまった)人にも、郵便を送ることができる。電話番号だけ知っていれば、住所を知らなくても相手に荷物を送ることができる。
・チラシ広告やカタログを見たりラジオ広告を聴いて、商品などを注文したいと思った時、ホームページで注文を入力したり、記入フォームに商品の番号を記入したり、電話やFAX番号をいれる必要がなくなる。
・特定のコンピュータにしかスキャンデータを送ることができないスキャナでも、思ったところへそのデータを送ることができる。
◆新原理を紙媒体を使った通信に実装し、紙のドリルデータを大規模に収集する実験を岡山市の公立中学校で開始します。
 【ハードとハードをつなげる従来の通信原理】
 特定の個人と情報をやり取りするためには、両者のアドレスを特定して情報をやり取りする必要があります。そのため、現在誰もが、通信をするための端末(ハード)固有のアドレスを持っています(電話番号、PCなどのIPアドレス、住所など)。通信システムごとにアドレスの表現法やメディアや通信の仕組みなども異なります。そのため、異なる通信システムを融合することは困難でした。将来、全てのスキャナやプリンターなどにIPアドレスを割り振るIPv6の流れもありますが、現状ではそれぞれの通信システムをつぎはぎのようにつなげてコンテンツをやり取りするしかなく、複雑にならざるを得ません。それを根本的に解決する簡単な原理を考案しました(添付資料参照)。
 【人と人をつなげる通信原理】
 ハードを持たない人でも、情報を自由にやり取りできる仕組みを紙媒体を使った通信に実装した実験を、岡山市内の公立中学校で始めます(添付資料に概要図)。各教室に安価なスキャナと通信機器を設置し、子どもが自分の紙ドリルをワンプッシュでスキャンし、それをクラウド経由で一括回収し、それを解析し、結果のグラフを個別にフィードバックすることが可能になっています。スキャナ(ハード)のデータをアップする場所は一つでも、一枚一枚のドリル用紙ごとに、データを全て記録し、複数の通信方法で解析結果を個別にフィードバックできます。
 紙媒体を用いたシステムでは、一枚一枚の紙をインターネットを飛び交う情報メディアに変えることができる他、チラシやラジオ放送などを双方向の通信メディアにすることも原理的に可能です。

※実験は、科学研究費補助金による助成を受けています(基盤研究A、縦断的大規模調査法を基礎とした因果推定研究の創出、研究代表者:寺澤孝文、課題番号:22240079)。原理については、国際特許出願中((株)ダイナミックラボラトリー))

報道発表資料はこちらをご覧ください

添付資料はこちらをご覧ください

<お問合せ先>
大学院教育学研究科 教授 寺澤孝文
Tel 086-251-7714

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