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モモの果肉障害の発生原因を解明し、その対策を構築

 岡山大学大学院環境生命科学研究科(農)の森永邦久教授らと岡山県農業研究所などの共同研究グループは、岡山県を代表する果物「白桃」の果肉に外見からは認識できない異常が表れる障害に着目。環境的な要因として収穫期前の高温や降雨が障害の発生と関わっていることを解明しました。その対策として赤外線を大幅にカットできるチタンを塗布した新しい果実袋(機能性果実袋)を用い、同時に降雨による水分が大量にモモ樹に吸収されないよう制御できるマルチシートを根元に敷くことで、特に発生の多い赤肉症の軽減に大きな効果が得られることを明らかにしました。
 本研究成果により、障害果実が消費者に渡ってしまうことによる岡山産モモのイメージ低下を防ぎ、モモ産地としての信頼を高めることが期待されます。
 成果は12月22日、本学で開催するシンポジウムにて発信します。このほか、技術マニュアルを作成・配布し、生産農家への技術の普及も進めていきます。
<背 景>
 岡山県のモモ生産では、白桃の果実が赤くなったり、褐変したりするなどの果肉障害*が発生して商品価値が落ちてしまう問題が顕在化しています。これらの障害は外見からは認識できないために消費者に渡ってしまい、岡山県産モモへの信頼に大きな影響を与える可能性があります。したがって、その発生要因を明らかにして障害を軽減する対策を提示し、岡山のモモ生産をサポートしていく必要があります。

<業 績>
 森永教授らの共同研究グループは、気温や水分条件と果肉障害の発生割合を分析。モモの成熟期の気温を人為的に上昇させ、かつ、人工降雨によって水分が多い環境(図1)で清水白桃を栽培したところ、赤肉症や褐変症が多く発生(図2)します。障害発生は収穫前の高温や降雨による水分といった環境的な要因であることを明らかにしました。したがって、成熟期の高温や水分を制御することが障害を防ぐためには重要といえます。
 そのため、温度を効果的に抑制できる新たな果実袋や、降雨による水分を制御できるシートなど具体的な対策技術を開発しました。さらに、果実を切らずに障害の発生の有無を非破壊的に識別できる方法を開発するなどの成果をあげています。
 今後、これらの成果をまとめた技術マニュアルを作成し、モモの生産農家への普及を進めていきます。

<論文情報等>
1)研究成果発表会(岡山大学、2015年12月22日)において詳細な情報を提供します(園芸学会中四国支部と共催)。
2)園芸学会(2015年3月)で一部発表。

<補足・用語説明>
モモの果肉障害:下図のように本来は白い果肉が赤くなったり、水浸状に褐変したりする障害です。程度がひどい果実は商品価値がなくなります。




<お問い合わせ>
岡山大学大学院環境生命科学研究科(農)
教授 森永 邦久
(電話番号)086-251-8344
(FAX番号)086-251-8388(農学部共通)