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さまざまな衣服を扱う通信販売の箱詰めに活躍 ハンドリングロボットの開発に成功

 岡山大学大学院自然科学研究科(工)の見浪護教授らは、ティーツーケー株式会社(栗山豪利社長)の協力のもと、株式会社SEC(松田篤郎社長)との共同研究を行い、さまざまな衣服の箱詰めを行うロボットの開発に成功しました。
 さまざまなデザインを取り扱う衣服の通信販売では、工場で働くロボットのように対象物をあらかじめ定義することが難しく、また、形が変形しやすい(不定形)ため、在庫管理や箱詰め発送作業は、現在、手作業によって行われています。
 今回、開発したロボットには、見浪教授らが開発した立体対象物認識システム「写真モデル3D-MoS(Three Dimensional Move on Sensing)」を登載。衣服の認識と、3次元位置・姿勢計測技術に基づく、ハンドリングを可能にしました。
 複数の種類や、変形する対象物を認識する本技術は、衣服を扱う流通業界や、多品種少量生産を行っている業界での生産/流通効率化につながると期待されます。
<業績>
 岡山大学の見浪教綬らは、ティーツーケー株式会社の協力のもと、株式会社SECとの共同研究を行い、衣服の認識と3次元位置・姿勢計測を行うことができる新しい認識計測方法を登載した、さまざまな衣服の箱詰めを行うロボットの開発に成功しました。
 ロボットは、写真で取り込んだ情報“写真モデル”から、作業する対象物を規定することができます。ロボットハンド部のカメラは複眼構成となっており、視覚情報をもとにした「写真モデル3D-MoS」制御を行っています。
「写真モデル3D-MoS」制御の特徴① 写真モデルに基づく、不定形な複数の衣服を自動認識可能② 衣服の3次元位置/姿勢計測可能③ ロボットによる衣服のハンドリング可能④ 提案した写真モデルに基づく3次元対象物認識は衣服に限らず、多品種少量生産ラインでの不定形単品対象物のロボットによるハンドリング作業が可能
左図:複眼ハンドアイロボットによる衣服認識と3次元位置/姿勢計測に基づくハンドリング実証実験環境<衣服吸着用パッド>空気圧縮機により衣服の吸着を行うことが可能。上図:実証実験に使用した衣服の例(10種類)

<背景>
 現在ロボットは、(1)周囲の動作環境、光環境が時間的に変化しないことが保障されていること、(2)ハンドリング対象物は同一形状でその形状を事前に確定できること、(3) 対象物形状に基づいてロボットハンドの設計を確定できること、などの前提条件が満たされた場合動作可能です。そのためロボットは主に工場で用いられています。
 通信販売衣服の在庫管理や箱詰め発送作業における衣服のハンドリングでは、不定形で、さまざまな衣服を同時に取り扱うため、対象物をコンピュータ内にあらかじめ定義しておくことが難しいという問題点がありました。
 一方、視覚情報によるロボット制御技術は、ビジュアルサーボと呼ばれ実用化が進んでいますが、不定形単品対象物の3次元空間(3D)高精度認識や環境変化に応じた自律的対応(環境対応型)は進んでいないなどの課題がありました。見浪教授らは、複眼カメラによる立体対象物認識システム3D-MoSを開発。視覚情報による本ロボット制御技術は、すでに水中ロボットの誘導制御(3D-MoS/AUV(ももたろう岡大1号)の開発)や土壌除染ロボットシステム(放射能汚染土壌を除染する完全自動ロボットシステムを開発)にも導入されています。
 今回、これまで手作業によって行われていた衣服の箱詰め作業に、同技術を改良。さまざまな衣服を扱う通信販売などの箱詰めを行うロボットの開発を行いました。

<見込まれる成果>
 「写真モデル3D-MoS」は、写真から対象物の認識判定基準を、ロボット自身が自動作成し、作業する対象物を写真により規定することができるという優れた特徴を持っています。
 この特徴は、屋外作業のように事前に作業対象物を規定することが難しい自然環境内でも自律的な動作が可能となるなど、今後の知能ロボットの可能性を広げる技術です。
 今後、これまで不可能だった複数の種類や、変形する対象物を認識する本技術を用いたロボットにより、衣服を扱う流通業界や、多品種少量生産を行っている業界での生産/流通効率化につながると期待されます。

 本研究は、経済産業省「中小企業経営支援等対策費補助金(ロボット導入実証事業)」の支援を得て実施しました。補助事業名:ロボット導入FS補助事業採択事業者:ティーツーケー株式会社計画事業名:個別対応流通加工サービスの提供に向けたロボット導入検証事業
<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科(工)産業創成工学専攻
知能機械システム学講座 教授 見浪 護
TEL& FAX: 086-251-8233
HP: http://www.suri.sys.okayama-u.ac.jp/

ティーツーケー株式会社 代表取締役 栗山豪利
岡山県倉敷市曽原416-1 TEL: 086-485-2101

株式会社SEC 代表取締役  松田篤郎
岡山県岡山市南区内尾491-8 TEL: 086-250-8863