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微生物が産み出す鞘(さや)状酸化鉄にひと工夫 鮮やかな赤色顔料や優れた触媒に“変身” - 微生物の機能を活かす従来にない次世代材料に期待 -

 身近にある地下水の湧水や溝で見られる褐色の沈殿物で、美観を損なうなど不要なモノとして考えられていた鞘状酸化鉄が、岡山大学の研究によって、ある“変身”をすることが分かりました。
 岡山大学大学院自然科学研究科の高田潤教授(特任)の研究グループは、鞘状酸化鉄をつくる微生物を人工培養し、酸化鉄中に含まれる元素の種類と比率を自由に調整する独自の二段階作製法を世界で初めて開発。鮮やかな赤色顔料や、優れた固体触媒といった産業上重要な新しい材料の製造に成功しました。天然の鞘状酸化鉄は本来、含まれる元素の種類と比率が決まっており、これまで、他の元素を加えることは困難でした。
 今回の成果は、自然界の力を活かしながら、現代の微生物学・触媒化学の融合により生まれた新材料といえます。今後、さまざまな元素を含む鞘状酸化鉄を人工的に作り出し、さらに優れた性質を持つ次世代の材料を開拓できると期待されます。
 なお、本研究の成果は、本年10月に特許出願し、12月15日に国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)で開催する「岡山大学新技術説明会」にて詳細を発表します。

 本研究は、JST戦略的創造研究推進事業CREST「元素戦略を基軸とする物質・材料の革新的機能の創出」領域(研究総括:玉尾皓平)の一環として行われました。

図1 アルミニウムを40%含んだ鞘状酸化鉄の電子顕微鏡写真
・直径約1マイクロメーター(1000分の1ミリ)の鞘が見られる

図2 アルミニウムを40%含んだ鞘状酸化鉄を加熱して作成した赤色顔料


図3 ルテニウムを含んだ鞘状酸化鉄による触媒反応の例


<詳しい研究内容について>
微生物が産み出す鞘(さや)状酸化鉄にひと工夫 鮮やかな赤色顔料や優れた触媒に“変身” - 微生物の機能を活かす従来にない次世代材料に期待 -

≪特許出願≫
特願2016-207362(出願日:2016年10月23日)
発明の名称:赤色顔料用及び触媒用酸化鉄並びにその製造方法
出願人:国立大学法人岡山大学
発明者:田村勝徳、久能樹、長岡紀幸、中西真、押木俊之、高田潤


<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科
教授(特任) 高田 潤
(電話番号)086-251-8106
(FAX番号) 086-251-8106

岡山大学大学院自然科学研究科
講師 押木 俊之
(電話番号)086-251-8626