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広がったがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発 新規T細胞「HOZOT」のウイルス療法への応用

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)消化器外科学分野の藤原俊義教授、岡山大学病院新医療研究開発センターの田澤大准教授、株式会社林原の中村修治研究員らの研究グループは、2006年に林原が開発した新規の制御性T細胞「HOZOT(ホゾティ)」を用いて、腫瘍融解ウイルス製剤をがん細胞へ選択的に運搬する技術の開発に成功しました。本研究成果は11月30日、英国の科学雑誌『Scientific Reports』(Nature Publishing Group)電子版で公開されました。
 HOZOT細胞は、ヒト臍帯血から樹立された新規の制御性T細胞で、がん細胞へ選択的に侵入する機能を有しています。現在、腫瘍融解ウイルスを用いたウイルス療法の臨床開発が進められていますが、ウイルスのがん細胞への選択的なデリバリー技術がないために全身に広がった転移巣にウイルスを運搬することは困難でした。
 今後、腫瘍融解ウイルスを搭載したHOZOT細胞を用いたウイルス療法の臨床開発を進めていくことで、将来的にヒトへの投与が可能となれば、進行したがん患者の生存率を改善できる可能性が期待されます。
図:腫瘍融解ウイルスOBP-401/F35を搭載したHOZOT細胞は、がん細胞への選択的なデリバリー機能を有しており、がん細胞内に侵入してウイルスを拡散させる事で治療効果を発揮する。

<詳しい研究内容について>
広がったがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発 新規T細胞「HOZOT」のウイルス療法への応用

<論文情報>著  者:Teppei Onishi, Hiroshi Tazawa, Yuuri Hashimoto, Makoto Takeuchi,
Takeshi Otani, Shuji Nakamura, Fuminori Sakurai, Hiroyuki Mizuguchi,
Hiroyuki Kishimoto, Yuzo Umeda, Yasuhiro Shirakawa, Yasuo Urata,
Shunsuke Kagawa, and Toshiyoshi Fujiwara.
タイトル: Tumor-specific delivery of biologics by a novel T-cell line HOZOT.論 文 誌: Scientific Reports, 6:38060, 2016. doi: 10.1038/srep38060

発表論文はこちらからご確認いただけます
http://www.nature.com/articles/srep38060


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
消化器外科学分野 教授 藤原 俊義
(電話番号)086-235-7257
(FAX番号)086-221-8775
(URL)http://www.ges-okayama-u.com/