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てんかんのメカニズムにもタンパク質HMGB1が関与 抗HMGB1抗体が新しいてんかん治療薬になる可能性

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)の西堀正洋教授(薬理学)の研究グループは、脳の興奮性異常によって発症するてんかんのメカニズムに、神経細胞から放出されるタンパク質High Mobility Group Box-1 (HMGB1)が関与することを明らかにしました。
 本研究グループは、マウスで作製された薬物誘発てんかんモデルで、神経細胞、特に海馬領域の神経細胞から放出される細胞核内タンパク質HMGB1が、血液脳関門の破綻と炎症性サイトカイン産生の誘導に働くことを明らかにしました。また、HMGB1の働きを中和する抗HMGB1抗体は、脳血管の保護作用と抗炎症作用を発揮し、その結果痙攣(けいれん)発作を抑制することがわかりました。
 抗HMGB1抗体の投与は、痙攣発作に随伴する脳血管の透過性を抑制し、同時に生じる炎症応答を抑えることが判明しました。また、特に注目されることとして、てんかん原性の獲得に重要な働きをすると考えられているサイトカインIL-1βの発現を強く抑制することも判明したことから、てんかん発作の出現過程の進行を抑制する可能性があります。
 てんかん症治療には、多くの種類の薬物が開発されていますが、イオンチャンネルに直接作用するものがほとんどです。一方、患者の20~30%には効きません(難治性てんかん)。抗HMGB1抗体はイオンチャンネルを標的としないため、既存薬とは全く異なった作用機序で働く薬物として、今後の研究が期待されます。
 本研究成果は4月26日英国時間午前10時(日本時間午後6時)、英国の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。

<論文情報等>
タイトル:Therapeutic effects of anti-HMGB1monoclonal antibody on pilocarpine-induced status epilepticus in mice.掲 載 誌:Scientific Reports.著   者 :Fu, L., Liu, K., Wake, H., Teshigawara, K., Yoshino, T., Takahashi, H.K., Mori, S., and Nishibori, M.
<詳しい研究内容について>
てんかんのメカニズムにもタンパク質HMGB1が関与 抗HMGB1抗体が新しいてんかん治療薬になる可能性


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
薬理学 教授 西堀 正洋
(電話番号)086-235-7140
(FAX番号)086-235-7140