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植物細胞が真っすぐ伸びる仕組みを解明 〜細胞骨格を整理整頓するタンパクNEK6の働きを解明〜

 岡山大学大学院自然科学研究科の本瀬宏康准教授、高谷彰吾大学院生(博士後期課程3年)、高橋卓教授のグループは、異分野基礎科学研究所の小澤真一郎特任助教、高橋裕一郎教授と、奈良先端科学技術大学院大学の橋本隆教授らと共同で、モデル植物のシロイヌナズナを用いて、植物細胞が真っすぐ成長するしくみを明らかにしました。本研究成果は2017年8月10日英国時間午前10時(日本時間午後6時)に英国の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されます。
 植物が茎や根などの器官を形成する際、器官を構成する個々の細胞がどの方向に成長するのかが重要であり、厳密に制御されています。この植物細胞の伸長方向は、微小管と呼ばれる細胞内の骨格が一定の方向に並ぶことで決定されます。しかし、微小管がどのようにして整列するのかは分かっていませんでした。本瀬准教授らの研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナを用いて、植物細胞が真っすぐ成長するのに必要なタンパク質、NIMA関連キナーゼ6(NEK6)の機能を明らかにしました。NEK6は、変形した微小管や余分な微小管を除去することで、微小管を整列させ、細胞を一定の方向に成長させることが明らかになりました。
 この研究成果は、植物の茎や根といった器官が特定の方向に成長するメカニズムの理解につながります。また、微小管やNEKタンパク質は真核生物に普遍的に存在し、細胞分裂・神経細胞の形成・鞭毛・繊毛形成に不可欠で、その欠陥はさまざまな疾患を引き起こします。今回の研究は、細胞機能に不可欠な微小管がどのように制御されているのかについての、普遍的で基本的な理解をもたらします。

図1. 微小管(赤線)は細胞分裂・伸長の方向を規定する

図2. NEK6を欠損したシロイヌナズナnek6変異体では微小管が整列せず、細胞が異常な方向に伸長する

図3. NEK6の移動とともに微小管が除去される様子

図4. NEK6により異常な(余分な)微小管が除去されて整列し、方向性のある細胞伸長が可能になる

図5. チューブリンと微小管の構造。NEK6によりリン酸化されるβ—チューブリンのアミノ酸残基を示した。




<論文情報>
著者:Takatani S, Ozawa S, Yagi N, Hotta T, Hashimoto T, Takahashi Y, Takahashi T, Motose H
論文名:Directional cell expansion requires NIMA-related kinase 6 (NEK6)-mediated cortical microtubule destabilization.
掲載誌:Scientific Reports
DOI: 10.1038/s41598-017-08453-5
発表論文はこちらからご確認いただけます。

<詳しい研究内容について>
植物細胞が真っすぐ伸びる仕組みを解明 〜細胞骨格を整理整頓するタンパクNEK6の働きを解明〜


<お問い合わせ>
岡山大学大学院自然科学研究科(理)
准教授 本瀬宏康
(電話番号)086-251-7857
(FAX番号)086-251-7857