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歯周炎進行のメカニズムの一端を解明〜歯周炎による骨吸収が抗HMGB1抗体投与により抑制〜

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の平田千暁医員(当時)、山城圭介助教、高柴正悟教授(以上、歯周病態学分野)と西堀正洋教授(薬理学分野)の研究グループは、歯周炎の進行に炎症メディエーターであるHMGB1(High Mobility Group Box 1)が関与していることを明らかにしました。本研究成果は3月12日、米国の科学雑誌「Infection and Immunity」に掲載されました。
 本研究グループは、炎症刺激によって歯肉上皮細胞やマクロファージ様細胞からHMGB1が分泌されることに着目し、その働きを阻害する抗HMGB1抗体を歯周炎モデルマウスに投与して、歯周炎による骨吸収の影響を確認しました。その結果、抗体を投与すると、歯肉上皮細胞ではHMGB1の核外への移行が阻害され、歯周炎による炎症が抑制されました。また、好中球の遊走度と炎症性サイトカインの産生量も減少し、その結果、歯周炎による骨吸収量が減少しました。以上のことから、歯周炎の進行にHMGB1が関与していることが明らかとなりました。今後は、HMGB1を阻害する抗炎症剤など治療薬への応用が期待されます。


抗HMGB1抗体投与によるHMGB1核外移行の抑制
健常群ではHMGB1は歯肉上皮の核内に局在する(図1G)。歯周炎が生じるとHMGB1は核外へ移行するが(図1H)、抗体投与により濃度依存的に核内へ局在する割合が増加する(図1I,J)

抗HMGB1抗体投与による炎症抑制
対照抗体群では歯周炎による強い炎症反応が見られる(図2B,F)。抗HMGB1抗体投与により濃度依存的に炎症は抑制される(図2C,D,G,H)。

抗HMGB1抗体投与による好中球集積と骨吸収の抑制
対照抗体群では著しい好中球の集積が見られるが、抗HMGB1抗体投与により濃度依存的に集積数は減少する(図3A)。対照抗体群では歯槽骨量が減少するが、抗HMGB1抗体投与により濃度依存的に減少量は低下する(図3B)。

<論文情報等>論文名:Anti-HMGB1 neutralizing antibody attenuates periodontal inflammation and bone resorption in a murine periodontitis model掲載誌:IInfection and Immunity著 者:Chiaki Yoshihara-Hirata, Keisuke Yamashiro, Tadashi Yamamoto, Hiroaki Aoyagi, Hidetaka Ideguchi, Mari Kawamura, Risa Suzuki, Mitsuaki Ono, Hidenori Wake, Masahiro Nishibori, Shogo TakashibaDOI:10.1128/IAI.00111-18.

<詳しい研究内容について>
歯周炎進行のメカニズムの一端を解明〜歯周炎による骨吸収が抗HMGB1抗体投与により抑制〜

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
歯周病態学分野
助教 山城 圭介
(電話番号)086-235-6678
(FAX番号)086-235-6679