より正確なカテーテルの挿入ができるようになりました!~血液透析用カテーテルの挿入補助器具の販売開始~
2018年05月31日
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医学系)免疫病理学分野の大原利章助教は、医療法人創和会重井医学研究所附属病院ダイアライシスアクセスセンター(岡山市南区)の櫻間教文センター長と共同で透析に用いるカフ型カテーテルの挿入補助器具を開発し、臨床研究で有効性を確認し、英国のバスキュラーアクセス専門誌である「The Journal of Vascular Access (JVA)」に2018年5月3日掲載されました。さらに来月、有限会社ケイ・テクノ社(倉敷市)より「Dot Marker®」として発売開始予定となりました。
カフ型カテーテルは前胸部の皮下を通してから血管内に留置するカテーテルで、通常のカテーテルに比べて留置難易度がやや高い問題がありましたが、本器具を用いる事でより正確な留置が可能になります。これにより、カフ型カテーテルを用いた透析治療の安全性の向上とカテーテル廃棄ロス低減による医療費の削減が期待されます。
◆発表のポイントカフ型カテーテルは前胸部の皮下を通してから血管内に留置するカテーテルで、通常のカテーテルに比べて留置難易度がやや高い問題がありましたが、本器具を用いる事でより正確な留置が可能になります。これにより、カフ型カテーテルを用いた透析治療の安全性の向上とカテーテル廃棄ロス低減による医療費の削減が期待されます。
・血液透析に使用されるカフ型カテーテルは使用に難しい点がありました。
・この課題を解決するためにカテーテルの挿入補助器具の開発に取り掛かり、臨床研究の結果、有効性を確認しました。さらに販売も開始することになりました。
・これによりカフ型カテーテルを用いた透析治療の安全性の向上とカテーテル廃棄ロス低減による医療費の削減などが期待されます。
◆大原助教からのひとこと この研究の構想段階では、ビニール製の吸引チューブに釣り用のおもり(ガン玉)を詰めて、何回も位置や角度などの検討を行いました。また、実際の開発段階でもオートクレーブ滅菌ができ、曲げることもでき、さらに一時的に形を保つことができる加工法の開発のために、何回も試作のプレスを繰り返しました。この苦労が、一人でも多くの患者さんの安全とお医者さんの負担軽減につながってくれれば嬉しいです。 | 大原利章 助教 |
図1. 商品化されたカフ型カテーテルの挿入補助器具「Dot Marker®」
図2. 狙い通りの挿入を確認(A)。油性ペンでマーキングして穿刺(B)。X線で見ながら器具を配置(C)
■論文情報等論文名:New insertion support device assisted the accurate placement of tunneled cuffed catheter: first experience of 10 cases
「カフ型カテ―テル挿入補助デバイスの開発」掲載誌:The journal of vascular access
掲載号:2018 May 1:1129729818771884.著 者:Toshiaki Ohara, Kazufumi Sakurama, Satoshi Hiramatsu,Toshimasa Karai, Toshiaki Sato, Yuta NishinaD O I:10.1177/1129729818771884.
発表論文はこちらからご確認できます。
<詳しい研究内容について>
より正確なカテーテルの挿入ができるようになりました!~血液透析用カテーテルの挿入補助器具の販売開始~
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医学系)免疫病理学分野
助教 大原 利章
(電話番号)086-235-7143
(FAX番号)086-235-7648
(URL) //www.okayama-u.ac.jp/user/byouri/pathology-1/HOME.html