国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

食道がんに対する放射線治療を併用した腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」の今後の臨床開発の加速について

2019年04月10日

◆発表のポイント

  • 腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」が厚労省の「先駆け審査指定制度」に指定されました。
  • 岡山大学発バイオベンチャー オンコリスバイオファーマ株式会社と中外製薬株式会社は、日本と台湾における「テロメライシン」についての独占的ライセンス契約を締結しました。
  • 4腫瘍融解ウイルス製剤「テロメライシン」の実用化がさらに加速することが期待されます。

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義教授、白川靖博准教授らの研究グループが食道がんに対して開発を進めてきた腫瘍選択的融解ウイルス製剤「テロメライシン」が、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。
 「先駆け審査指定制度」は、①治療薬の画期性、②対象疾患の重篤性、③対象疾患に係る極めて高い有効性、④世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思・体制、の4つの要件を満たす画期的な新薬等を世界に先駆けて日本で実用化することを目的とした厚生労働省の制度です。今回指定を受けたことにより、「テロメライシン」は、薬事承認にかかわる相談、審査において独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)により優先的な取り扱いを受けることができ、早期の実用化が期待されます。
 「テロメライシン」の開発を進める岡山大学発バイオベンチャー オンコリスバイオファーマ株式会社と中外製薬株式会社は、「テロメライシン」について日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンスを中外製薬に付与すると共に、日本・台湾・中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬へ付与するライセンス契約を締結しました。この連携によって、「テロメライシン」の実用化がさらに加速することが期待されます。

◆研究者からのひとこと

テロメライシンが、厚生労働省や大手の製薬企業に認めてもらえたことはうれしく思います。2019年4月2日のアメリカ癌学会(AACR)でもPlenary Sessionで研究成果を発表しました。やさしい治療を待つ食道がん患者さんに、早く届けられるように頑張っていきます。引き続きよろしくお願いします!
藤原教授

■論文情報
 
<詳しい研究内容はこちら>
食道がんに対する放射線治療を併用した腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」の今後の臨床開発の加速について

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)消化器外科学
教授 藤原 俊義
(電話番号)086-235-7257
(FAX番号)086-221-8775

年度