国立大学法人 岡山大学

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口の中のアセトアルデヒド濃度に影響する舌表面の細菌の特徴を解明!

2019年07月25日

◆発表のポイント

  • 口の中において、発がん性物質であるアセトアルデヒドの濃度が高い人は、舌表面の細菌の数や種類が多いことがわかりました。
  • 口の中のアセトアルデヒド濃度が高い人の舌表面には、Genella sanguinis、Veillonella parvula、Neisseria flavescensと呼ばれる細菌が多く存在することを解明しました。
  • 口の中の細菌の種類とがんとの関係を明らかにする研究に役立つ可能性が示されました。

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)の森田学教授と横井彩医員、岡山大学病院新医療研究開発センターの丸山貴之助教、同病院医療支援歯科治療部の山中玲子助教、および北海道がんセンターの秦浩信歯科口腔外科医長らのグループは、口の中のアセトアルデヒド濃度に影響する舌表面の細菌の特徴を解明しました。
 舌表面に生息する細菌の数や種類が多くみられる人、さらに、Genella sanguinis、Veillonella parvula、Neisseria flavescensと呼ばれる細菌の占める割合が高い人は、口の中のアセトアルデヒド濃度が高いことを発見しました。これらの研究成果は6月13日、ブラジルの歯学雑誌「Journal of Applied Oral Science」に掲載されました。
 アセトアルデヒドは発がん性があるため、舌表面にこれらの細菌が多く認められることは、舌がんをはじめとする口腔がんの発症に影響するかもしれません。今後は、がん患者や、飲酒・喫煙者などを対象に舌上の細菌の特徴を解明していきます。

◆研究者からのひとこと

私たちの舌表面には多くの細菌が存在しています。その種類は700以上あり、複雑なネットワークを築いています。人に悪影響を及ぼす細菌が増えて、口の中の環境破壊を引き起こさないよう、人と細菌とが共生できる社会(口腔内環境)を目指していきます。
横井医員

■論文情報
 論 文 名:Relationship between acetaldehyde concentration in mouth air and characteristics of microbiota of tongue dorsum in Japanese healthy adults: a cross-sectional study
邦題名「健康な日本人における口の中のアセトアルデヒド濃度と舌表面における細菌叢の特徴について(横断研究)」
 掲 載 紙:Journal of Applied Oral Science
 著  者:Aya Yokoi, Daisuke Ekuni, Hironobu Hata, Mayu Yamane-Takeuchi, Takayuki Maruyama, Reiko Yamanaka, Manabu Morita
 D O I:10.1590/1678-7757-2018-0635.


<詳しい研究内容について>
口の中のアセトアルデヒド濃度に影響する舌表面の細菌の特徴を解明!

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714

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