国立大学法人 岡山大学

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妊娠初期段階での母体の歯周病が出産まで継続して胎児の発育に影響を与える可能性を明らかに

2020年03月13日

◆発表のポイント

  • 妊娠期の母体の歯周病は、出生時の子どもの低体重と関係があることが報告されていますが、これまで母体の歯周病と、胎内にいる間の子どもの発育の状況との関連性を経時的に調べた研究はありませんでした。
  • 妊娠初期段階で歯周病があると、それ以降生まれるまで、胎児の推定体重は歯周病がない人の場合よりも低い値を推移することが分かりました。
  • 妊娠がわかった時点で歯科治療を受けるのではなく、妊娠前から健康な歯周状態を有することが、生まれてくる子どもの適正な体重に関係する可能性が示唆されます。

 岡山大学病院予防歯科の田畑綾乃助教、同大大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授の研究グループは、妊娠初期における母体の歯周病が、妊娠期間中を通して胎児の発育状況に影響を与えることを明らかにしました。
 妊娠期の母体の歯周病は、出生時の子どもの低体重と関係があることが報告されていますが、両者の関係に関するこれまでの研究のほとんどが、「妊娠中の母体の歯周状態」と「出生時の子どもの体重」との関係のみ調べたもので、胎内にいる間の子どもの発育の状況との関連性を経時的に調べたものはありませんでした。本研究では妊娠初期の母体の歯周病の有無と、胎児の発育の推移を調べました。その結果から、妊娠がわかった時点で歯科治療を受けるのではなく、妊娠前から健康な歯周状態を有することが、生まれてくる子どもの適正な体重に関係する可能性が示唆されました。本研究結果は1月29日、イギリスの学術専門誌「Scientific Reports」のオンライン版で公開されました。

◆研究者からのひとこと

 いずれ妊娠を予定している女性の方へ、自分のためにも生まれてくる我が子のためにも、日頃から口腔内を健康に保つことをお勧めします。
 また、研究を進めるにあたりご協力いただいた、岡山大学病院産科婦人科のスタッフの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

田畑助教

■論文情報論 文 名:Association between maternal periodontal status and ultrasonographic measurement of fetal growth: A longitudinal study.掲載紙:Scientific Reports著 者:Taniguchi-Tabata A, Takeuchi N, Uchida Y, Ekuni D, Morita M.D O I:/10.1038/s41598-020-58396-7U R L:https://www.nature.com/articles/s41598-020-58396-7

<詳しい研究内容について>
妊娠初期段階での母体の歯周病が出産まで継続して胎児の発育に影響を与える可能性を明らかに


<お問い合わせ>
岡山大学病院 予防歯科
助教 田畑綾乃
(電話番号)086-235-6712
(FAX)286-235-6714

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