国立大学法人 岡山大学

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真備町アンケート調査により水害片付けごみの排出行動を分析

2020年07月30日

◆発表のポイント

  • 浸水発生直後の被災者による片付けごみの排出行動を知ることで、自治体は適切な初動対応を立案できます。
  • そのため、平成30年7月豪雨で被災した倉敷市真備町の800世帯に、片付けごみに関する詳細なアンケート調査を行いました。
  • 排出ルールの認知、ごみ種類別の排出量と排出期間、不法置場の発生と原因などを分析し、排出者の行動様式を明らかにしました。

 大学院環境生命科学研究科の藤原健史教授らの研究グループは、平成30年7月豪雨により、真備町の浸水を経験した800世帯にアンケート調査を実施しました。(調査期間:令和元年7~8月)。回答結果より、排出ルールの認知、ごみ種類別の排出量と排出期間、不法置場の発生と原因などを分析し、排出者の行動様式を明らかにしました。
 本研究により、被災地域の最大浸水深が明らかになれば、片付けごみの排出量の変化が計算できるため、ごみが本格的に排出されるまでに一次仮置場や収集の計画を立てられる可能性があります。排出行動図も参考に、多くの自治体で暫定仮置場の検討の参考になります。また、他の被災地域にも同様の調査を行うことにより、被災者の排出行動がより明確になり、精度が上がると考えられます。
 本研究成果は9月16日、廃棄物資源循環学会の「第31回研究発表会発表講演集」に掲載されます。

◆研究者からのひとこと

梅雨に入り各地で水の被害が発生しています。災害廃棄物への対応の良し悪しは、片付けごみが本格的に発生するまでの短い期間に、自治体がどこまで計画的にごみを受け入れる準備ができるかによって決まります。そのために、排出者がどのごみをどのタイミングで排出するのかを正確に知ることが必要と考えました。そして、倉敷市と真備町の市民の方々のご協力により、被災後の片付けごみの排出行動を詳細に分析することができました。他の自治体の対策立案に役立てばと思います。
藤原教授

■論文情報
 論 文 名:片付けごみの排出行動の分析:倉敷市真備町の洪水災害を対象として
 掲 載 紙:廃棄物資源循環学会発表講演集 
 著  者:藤原健史、森脇直輝、浪越宥弥

 論 文 名:片付けごみの排出モデルの作成と収集戦略:倉敷市真備町の洪水災害を対象として
 掲 載 紙:廃棄物資源循環学会発表講演集 
 著  者:藤原健史、浪越宥弥、森脇直輝


<詳しい研究内容について>
真備町アンケート調査により水害片付けごみの排出行動を分析


<お問い合わせ>
岡山大学 大学院環境生命科学研究科
教授 藤原健史
(電話番号) 086-251-8994
(FAX) 086-251-8994

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