国立大学法人 岡山大学

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3年間の追跡調査でむし歯が増加した大学生の唾液に多く含まれていた新たな細菌グループを発見

2020年07月30日

◆発表のポイント

  • 大学時代は、生活環境・習慣の変化によりむし歯が増加しやすい時期といわれています。
  • 近年、詳細に細菌を同定できる次世代シーケンサーを用いて、むし歯に関与する細菌に着目した研究が多くされてきていますが、大学生を対象としたものはありません。
  • 大学時代にむし歯が増加した大学生と増加しなかった大学生の唾液を用いて次世代シーケンサーで細菌叢を比較した結果、むし歯が増加した大学生には複数の細菌の割合が高いことがわかりました。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔形態学分野の福原瑶子助教、同大予防歯科学分野の森田学教授、同大保健管理センターの岩﨑良章教授の研究グループは、大学生におけるむし歯の増加に着目し、唾液中に含まれる細菌叢とむし歯の増加との関連を解析しました。4年間の大学生活中でむし歯が増加した学生・増加しなかった学生からそれぞれ唾液を採取し、次世代シーケンサーを用いて細菌のプロフィールを比較した結果、むし歯が増加した学生のほうで複数種の細菌の割合が高いことがわかりました。本研究結果は2020年5月25日、スイスの学術専門誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」のオンライン版で公開されました。

◆研究者からのひとこと

“むし歯”ときくと子どもの病気だと思っていませんか?どの年齢であってもむし歯にはなるんです。とくに日本の場合、大学生になって初めて一人暮らしを始める人が多く、生活環境・習慣も変化しやすいことからむし歯になりやすいです。楽しい大学時代にするためにもお口のケアもしっかり行いましょう!
福原助教

■論文情報 論 文 名:Caries Increment and Salivary Microbiome during University Life: A Prospective Cohort Study 掲 載 紙:International Journal of Environmental Research and Public Health 著  者:Yoko Uchida-Fukuhara、 Daisuke Ekuni、 Md Monirul Islam、 Kota Kataoka、 Ayano Taniguchi-Tabata、 Daiki Fukuhara、 Naoki Toyama、 Terumasa Kobayashi、 Kohei Fujimori、 Nanami Sawada、 Yoshiaki Iwasaki、 and Manabu Morita D O I:10.3390/ijerph17103713


<詳しい研究内容について>
3年間の追跡調査でむし歯が増加した大学生の唾液に多く含まれていた新たな細菌グループを発見

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
口腔形態学分野
助教 福原瑶子
(電話番号)086-235-6632
(FAX)286-235-6634

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