国立大学法人 岡山大学

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<救急隊を新型コロナウイルスから守る、ポータブルスプラッシュシールドを開発>~感染拡大から救急隊を守るために~

2022年02月14日

◆発表のポイント

  • 岡山大学病院救命救急科と株式会社ハイビックスの研究グループは、新型コロナウイルス感染症患者の救急搬送用シールドを共同開発しました。
  • 開発品は、柔らかく軽い素材で、畳んで救急車内に収納できます。救急車やストレッチャーでの患者搬送のほか、気道確保や心肺蘇生などにも利用可能です。吸引機構を用いることでエアロゾルを軽減することが確認できました。

 岡山大学病院救命救急科の塚原紘平助教と、バルーン素材の加工・製品化を行っている株式会社ハイビックス(岐阜県瑞穂市)は、救急現場で使用できるウイルスシールドを共同開発しました。
 コロナ禍では多くの医療従事者がウイルス感染のリスクと隣り合わせで活動しています。特に救命救急の最前線にいる救急隊は常に感染のリスクにさらされており、患者からの飛沫やエアロゾル曝露を軽減させることは重要です。従来からあるボックスタイプのウイルスシールドは、硬く重たいため、救急車内には設置が困難でした。
 今回、開発した製品は、柔らかく軽い素材で、畳んで車内に収納できるのが特徴です。また、吸引機構をつけることでエアロゾル軽減に効果があることが分かり、その結果は、米国の集中治療雑誌「Critical care」に掲載されました。
 商品名は、持ち運び(ポータブル)ができて、飛沫(スプラッシュ)から守る(シールド)という意味を込めて、「ポータブルスプラッシュシールド」と名付けました。
 令和4年2月14日から販売開始となり、病院前救護での利用が期待されます。今後も、病院前救護における安全性を高める研究開発を進めていきます。

◆研究者からのひとこと

 病院前救護の現場から着想しました。イメージ図をまとめて、一緒に開発してくださる企業が見つかったときは嬉しかったです。
 こうしてイメージが製品化できたことは、喜びもひとしおです。ご協力いただいた皆様に感謝いたします。
 実証実験では現場の救急隊員から、「シールドがあると安心感がある」などの声が届いています!

塚原助教

■論文情報
論 文 名:Feasibility study of a portable transparent vinyl chloride shield for use in an ambulance during the COVID-19 pandemic
掲 載 紙:Critical care,(2020) 24:651
著  者:Kohei Tsukahara,Hiromichi Naito , Tsuyoshi Nojima, Takashi Yorifuji and Atsunori Nakao
D O I:10.1186/s13054-020-03381-9
U R L:https://doi.org/10.1186/s13054-020-03381-9

<詳しい研究内容について>
<救急隊を新型コロナウイルスから守る、ポータブルスプラッシュシールドを開発>~感染拡大から救急隊を守るために~

<お問い合わせ>
岡山大学病院 救命救急科
助教 塚原 紘平
(電話番号)086-235-7426
(FAX番号)086-235-7427

<製品に関するお問い合わせ>
株式会社ハイビックス
営業部 粟井 正寿・小倉 久治
(電話番号)058-328-3131
(FAX番号)058-328-3136
(URL)https://www.hivix.co.jp

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