患者様へ

「妊孕性」と「妊孕性温存(妊孕能)」とは

 妊孕性とは、一言でいうと妊娠しやすさ、妊娠する力のことをいいます。

 妊娠には、女性では卵巣・卵子と子宮、男性では精巣・精子が重要な役割を果たします。しかしこれらの臓器は、抗がん剤や放射線治療に対して大変敏感でダメージを受けやすく、がんの治療によって機能が悪くなってしまう場合があります。また、がんの治療のために、子宮・卵巣・精巣を摘出しなくてはならない場合もあります。

 このように妊孕性に影響する可能性があるがん治療を受ける前などに、妊孕性を守るための処置を行う医療があります。近年がん治療が進歩し、がんを克服した患者さんが増えてきていることから、この妊孕性温存のための医療に注目が集まっています。

 妊孕性を温存する主な手段は細胞・組織の凍結保存です。臨床応用されているものとして、受精卵の凍結、また、ご結婚前であれば女性では卵子と卵巣、男性では精子の凍結があります。凍結保存の他にも、がん治療のダメージを少しでも軽くするための手段があります。
妊孕性は一度失ってしまうと回復させることは極めて難しい、貴重なものです。がんと診断された患者さんやそのご家族はきっとがんの治療のことで頭がいっぱいになっていらっしゃることだと思います。しかし、その中でも少し立ち止まって、将来のために知っておいていただきたいことが‘妊孕能温存‘なのです。

○資料:「ちょっと待って!! ~妊娠をご希望の皆様へ~」

がん治療と妊孕性温存

■乳がん
■血液腫瘍
■小児がん
■整形外科のがん
■泌尿器科のがん
■産婦人科のがん



妊孕性温存をする前に知ってほしい基礎知識(タイトルをクリックすると資料をご覧いただけます)

 ・知っておきたいシリーズ1「いのちのはじまりの旅」

 ・知っておきたいシリーズ2「年齢と卵子や精子のかんけい」

 ・知っておきたいシリーズ3「妊娠・出産 子育て事情」

 ・知っておきたいシリーズ4「今のうちに知っておこう!出生前診断」

 



 ・ライフプランを考えるあなたへ―まんがで読む―「未来への選択肢」