国立大学法人 岡山大学

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第二回「企業のCO2排出量可視化を目的としたワークショップ」を開催 学生たちが工場を見学

2024年10月07日

 本学は10月3日、岡山県商工会連合会との連携・協力協定に係る取り組みの一環として実施している「企業のCO2排出量可視化を目的としたワークショップ」の第二回を和気郡和気町の岡山技研工業株式会社本社工場にて開催しました。
 このワークショップは、管理会計・原価計算を専門とする学術研究院社会文化科学学域の天王寺谷達将准教授の研究室が研究活動の一環として実施するもので、商工会会員である岡山技研工業株式会社の協力のもと、同研究室の学生が、同社製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでのCO2総排出量を示す「カーボンフットプリント(CFP)」の算定に挑戦するものです。
 第二回となる今回は、岡山技研工業株式会社の本社工場において、学生が鍛造加工製品等の製造工程を見学し、それぞれの製品について原材料の調達から廃棄に至るまでの流れ(製品のライフサイクルフロー)を確認しました。
 工場見学を終了後には、同社社員や商工会職員、オブザーバーとして参加した中国経済産業局等を交え、今回のCFP算定対象製品の選定方法等について活発な議論が行われました。
 参加した学生は、「実際にものづくり工場を見学するのは初めてで、鍛造の迫力に圧倒された。頭の中でなんとなく思い描いていた製造工程をリアルに体感できたので、これからCFP算定にチャレンジするのがとても楽しみ」と話しました。
 また、同社の川上健二社長は、「学生たちにこんなに真剣に製造現場を見ていただけるとは想像していなかった。ものづくりの原点である鍛造加工技術を知っていただけて大変嬉しく思う。今回のCFP算定を通じて、脱炭素への貢献のみならず、製品の価値を高めるための取り組みにつなげていきたい」と話しました。
 今後は、同研究室の学生らが製品別のライフサイクルフロー図を作成し、それぞれの製造工程で投入される原材料やエネルギーを特定したうえで必要となるデータの収集・分析を行い、年内のCFP算定を目指します。
 本学は、今年7月に環境省「令和6年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に採択され、産学官金での連携により岡山における地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制の構築を推進しています。本ワークショップで得られた経験値について、地域へ広く還元することにより、地域全体の脱炭素経営への機運上昇を目指していきます。

※「企業のCO2排出量可視化を目的としたワークショップ」第一回の開催概要はこちら

※カーボンフットプリント
 製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組みのこと。
出典:カーボンフットプリント ガイドライン(経済産業省、環境省)

岡山県商工会連合会
 県内20の商工会を会員とし、各商工会の指導、商工業に関する情報収集・調査研究、経済団体との連絡・連携などを担う。商工会は、小規模事業者等を対象とした経営支援事業を行うとともに、文化事業なども実施し、地域振興に関して大きな役割を果たしている。2021年5月に、地域の発展とSDGs の達成へ貢献することを目指して、岡山大学と連携・協力に関する協定を締結。

岡山技研工業株式会社
 岡山県和気郡和気町に本社を置き、型打ち鍛造と金型設計製作の専門メーカーとして自動車部品、農業機械部品、船舶部品等の多種多様な製品を製造。

●昨年度のCO2排出量可視化チャレンジ
・2023年7月20日:本学学生が企業と製品のCO2排出量可視化にチャレンジする取り組みを開始
・2023年9月28日:CO2排出量の可視化を目指して学生たちが工場を見学しました
・2024年2月9日:岡山大学生による製品のCO2排出量可視化チャレンジ成果報告会を開催

令和6年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業に採択 ~産官学金で中小企業の脱炭素経営を推進~


【本件問い合わせ先】 
研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部 舩倉
TEL:086-251-7151

年度