本学技術統括監理本部を構成する組織のひとつである総合技術部医学系技術課の阿部匡史課長、楢崎正博技術専門職員、塚野萌美技術主任らが、11月15日に山梨大学医学部キャンパスのシミックプラザで開催された「第39回国立大学法人生命科学研究機器施設協議会」に参加し、主催関係者や各大学参加者との意見交換や施設見学を行いました。
同協議会は、国立大学法人が設置する生命科学における実験実習機器に関するセンターおよび施設ならびにこれに準ずる組織のうち、その設置趣旨に医学教育・研究支援を含む組織を会員校としています。今年度は各大学施設における研究設備・機器の共用推進に向けた動きおよびそれに伴う学内組織再編や新たな技術部門の設置・再編等について、その改革点や問題点が協議されました。
阿部課長は、「TCカレッジサテライト校岡山大学における取り組み 医工系コースの開講と概要」と題して招待講演に登壇。東京科学大学(旧東京工業大学)が行っている高度技術職員養成の取り組みである「TCカレッジ」について、本学が開講している医工系コースの特徴や実際のカリキュラムの具体的内容などの紹介を行いました。また要望の多い、医工系コースが開講するまでの経緯や受講してからの流れ、単位の認定、目指すべきTC像、実施されたカリキュラムなどについて詳しく説明を行いました。参加者からは「今回初めてTCカレッジの話を聞いて、目からうろこが落ちました」、「受講するにはどのような要項条件が必要なのか?」など、数多くの質問が寄せられました。本学医工系コースの運営を行い、受講生でもある楢崎技術専門職員、塚野技術主任も活発な意見交換を行いました。
また協議会では、ポスターセッションも開催。各大学担当部署における研究設備・機器の共用、機器保守メンテナンス管理、研究教育支援、技術貢献紹介、改善提案など、さまざまな事例紹介の発表があり、情報交換を行いました。
施設見学では、山梨大学総合分析実験センターの研究設備機器を見学しました。同センターは、機能解析分野、資源開発分野、放射線分野の3つの部門から構成されています。機能解析分野における、クライオ透過型電子顕微鏡JEM-2100(cryo-TEM構成)など、さまざまな先端機器を見学し意見交換を行いました。参加者は有意義な時間を過ごした様子でした。
今回の協議会について、本学総合技術部本部長を務める佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URAは、「阿部課長らの医学系技術課は、総合技術部が創部される以前から医学部等に技術職員が切磋琢磨し、高度化に向けた取り組みを続けてきました。博士人材もおり、科研費等の競争的資金で技術研究を推進している技術職員らもいます。高度化の下地があることは確かですが、それに甘んじることなく、更なる高みと大学における『技術者』としてのアイデンティティー確立などを目指して研鑽を積み重ねています。この取り組みを他大学・研究機関等にも共有、横展開し、わが国の科学技術・イノベーションの振興に役立てていければと思います」と、コメントしました。
本学総合技術部は、今後も大学・研究機関等との具体的な連携などに発展させられるよう、自らの情報発信とともに継続的な交流を促進し、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS) 」採択大学として、地域と地球の未来を共創し、社会変革を実現させる研究大学:岡山大学の一翼を担う価値ある存在となるように、全学的な戦略のもと、さまざまな取り組みを進めます。今後も本学総合技術部の取り組みにご期待ください。
〇TCカレッジの詳細については、東京科学大学のホームページをご覧ください。
<参考>
・TCカレッジ岡山大学サテライト校「医工系コース」開講 ~技術職員の「高度専門人材養成」を強化促進~
・文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
・「第1回総合技術部研修会 不易流行-総合技術部発足1年を迎えて-」を開催~研究ファーストの研究大学として常に時代の先端技術を担う技術者集団へ~
・岡山大学総合技術部活動報告書第1集を発行~創部1年目の実績と地域中核・特色ある研究大学:岡山大学として長期ビジョン2050実現に向けた歩みを紹介~
【本件問い合わせ先】
岡山大学総合技術部 医学系技術課(医工系コース担当)
阿部匡史
E-mail:tabe◎md.okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
総合技術部HP
総合技術部の阿部匡史課長が「第39回国立大学法人生命科学研究機器施設協議会」に登壇~岡山大学TCカレッジ医工系コースでの技術職員の高度化の取り組みを紹介~
2024年12月12日