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オオムギのアルミニウム耐性を担うクエン酸輸送体の構造的基盤を解明
異分野基礎科学研究所の菅倫寛教授と大学院生のチャン・グエン・タオさんらの研究グループによるオオムギのアルミニウム耐性を担うクエン酸輸送体の構造的基盤に関する成果が、米国の科学アカデミー発行の機関誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されました。
・オオムギの根からクエン酸を分泌し、酸性土壌でのアルミニウム毒性を緩和するクエン酸輸送体AACT1タンパク質について、これまで不明だった立体構造を解明しました。
・この構造解析により、クエン酸を輸送する仕組みも明らかになりました。
・本成果は、AACT1タンパク質の働きを応用すれば、安定して収穫できる作物の開発に役立つことが期待されます。
<詳しい研究内容について(プレスリリース)>
オオムギのアルミニウム耐性を担うクエン酸輸送体の構造的基盤を解明
<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院先鋭研究領域(異分野基礎科学研究所)
教授 菅 倫寛(すが みちひろ)
(電話番号)086-251-7877
岡山大学 学術研究院先鋭研究領域(資源植物科学研究所)
教授 馬 建鋒(ま けんぼう)
(電話番号)086-434-1209
図 1. クエン酸輸送体タンパク質 AACT1 の立体構造とその中央部に見つかったくぼみ (A) AACT1 タンパク質の立体構造を細胞膜に対して横側の向き(左)と細胞の外側の向き(右) から見たものをリボン図で表示させた。実際の大きさのおよそ 1000 万倍に拡大して表示してい る。(B) AACT1 の細胞表面の電荷の分布を(A)と同じ方向で表示させた。AACT1 タンパク質は細 胞の外側に開いており、中央部には大きなくぼみがある。このくぼみにはプラスの電荷に帯電し た領域とマイナスの領域に帯電した領域がある。マイナスの電荷を持つクエン酸は AACT1 タンパ ク質のプラスの電荷の領域に結合し、プラスの電荷を持つ水素イオンはマイナスの電荷の領域に 結合する。