ヘパプラスチンテスト, HPT (hepaplastin test)
平成30年3月31日中止
臨床的意義
HPTは、ビタミンK依存性凝固因子活性の異常を検出する血液凝固検査の一つで、原理的にはトロンボテストと変わらない。トロンボテストと同様、試薬中に組織因子および吸着ウシ血漿が添加され、I、V因子が補われているので、ビタミンK依存性凝固因子であるII、VII、および]因子の変化をよく反映する。HPTでは、組織因子としてウサギ(またはサル)脳トロンボプラスチンを用いているためPIVKAの影響を受けない点がトロンボテストと異なっており、より鋭敏に肝の合成能を反映する。よってHPTは、肝の合成能障害の有無の判定およびビタミンK欠乏状態のスクリーニングを目的に使用される。
異常値を示す疾患
低値: 先天性II, VII, X因子欠乏症、II, VII, X因子異常症、劇症肝炎、肝硬変、肝癌、閉塞性黄疸
測定機種: CS-5100(シスメックス株式会社)(平成26年3月24日より)
ACL TOP(三菱化学ヤトロン社)(平成18年1月10日より平成26年3月23日まで)
STA(ロシュ・ダイアグノスティック株)(平成18年1月9日まで)
基準値:70〜130%(平成26年3月24日より)(添付書引用)
70〜120%(平成26年3月23日まで)
相関
y=0.826x+8.588 r=0.969
n=85 x:旧試薬 y:新試薬(平成18年1月9日)
検体採取・測定条件
・3.2%のクエン酸ナトリウム入り試験管にクエン酸ナトリウム1血液9の割合で採血し,転倒混和を5〜6回繰り返した後,すみやかに提出する。
・溶血すると不正確になるため注意が必要である。
・検体採取時には,組織トロンボプラスチンの検体への混入を避ける為,ダブルシリンジ法を用いるとよい。
関連項目
プロトロンビン時間(PT)
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
トロンボテスト(TT)
II因子活性
VII因子活性
X因子活性