トロンボテスト, TBT (thrombotest)
外注会社:BML(平成21年3月24日より)

臨床的意義
 
経口抗凝固薬であるワーファリンは、肝臓でのビタミンKサイクルの代謝を阻害することにより、ビタミンK依存性凝固因子のγカルボキシル化を阻害し、不完全な構造の凝固因子、すなわちPIVKA(protein induced by vitamin K absence and/or antagonist)を生成する。このPIVKAは凝固活性を有しないばかりでなく、逆に凝固阻害作用がある。TBTはPIVKAの凝固阻害作用に感受性があるため、ビタミンK依存性凝固因子活性の低下とPIVKAの凝固阻害作用を反映する。プロトロンビン時間(PT)では、II,VII,IX,X因子のうちIX因子の変化を検出できないので、これら4因子のすべてを包括した検査法として開発された。TBTはビタミンK依存性凝固因子活性を総合的に測定し、経口抗凝固薬(ワーファリン)治療のコントロール状態およびビタミンK欠乏の有無を知るための検査法である。

異常値を示す疾患
低値: 
先天性II,VII,IX,X因子欠乏症、DIC、ビタミンK欠乏症

測定機種: ACL TOP(三菱化学ヤトロン社)(平成21年3月23日まで)

平成18年1月9日まで
全自動血液凝固線溶測定装置 STA(ロシュ・ダイアグノスティック株)

基準値: 70%以上
      
70%〜120%(平成21年3月23日まで)
      
70%以上(平成18年1月9日まで)

相関:y=0.802x+4.225  r=0.963  n=93 x:旧試薬 y:新試薬(平成18年1月9日)  

検体採取・測定条件
3.2%のクエン酸ナトリウム入り試験管にクエン酸ナトリウム1血液9の割合で採血し,転倒混和を5〜6回繰り返した後,すみやかに提出する。
・溶血すると不正確になるため注意が必要である。
・検体採取時には,組織トロンボプラスチンの検体への混入を避ける為,ダブルシリンジ法を用いるとよい。

関連項目

プロトロンビン時間(PT)
ヘパプラスチンテスト(HPT)
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
II因子活性
VII因子活性
IX因子活性
X因子活性

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