サイログロブリン, Tg (thyroglobulin)
平成22年12月21日より院内実施
外注会社:MCM(平成17年4月1日より平成22年12月20日までMBC;平成19年4月1日より社名変更)
(平成17年3月25日まで核医学診療室)
(平成13年3月31日まで外注会社SRL)
臨床的意義
サイログロブリン(Tg)は,甲状腺濾胞細胞のみでつくられる分子量66万の糖蛋白である。生合成されたTgは濾胞腔の中へ放出される。この経過中に,ペルオキシダーゼの作用によってTg分子中のチロシン基にヨード分子が結合して,甲状腺ホルモンの合成が行われる。よってTgは臓器特異性が高く甲状腺疾患にはきわめて有用なマーカーである。意義としては甲状腺分化癌の手術評価,および術後再発や転移の有無を知るマーカーとしての使用にある。その他バセドウ病での治療の効果,寛解の指標,先天性甲状腺機能低下症の病型の決定などにも有用である。
測定原理:CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)(令和3年3月1日から)
ECLIA(電気化学発光法)(平成22年12月21日から令和3年2月26日まで)
測定機器:ルミパルス L2400(富士レビオ株式会社)(令和3年3月1日から)
cobas8000(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)(平成29年5月8日から令和3年2月26日まで)
Eモジュール(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)(平成22年12月21日より平成29年5月2日まで)
測定試薬:ルミパスルプレスト iTACT Tg(富士レビオ株式会社)(令和3年3月1日から)
エクルーシス試薬 TgU(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)(平成29年5月8日から令和3年2月26日まで)
異常値を示す疾患
高値疾患: 甲状腺分化癌・甲状腺腺腫 ・バセドウ病・亜急性甲状腺炎
低値疾患: 甲状腺全摘・先天性サイログロブリン合成障害
基準範囲:3.71〜35.12ng/mL(令和3年3月1日から)
33.7 ng/mL以下(平成22年12月21日から令和3年2月26日まで)
30 ng/ml以下(平成22年12月20日まで:RIA 固相法)
相関:令和3年3月1日
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.997X-1.724 r=0.996 n=102
平成22年12月21日
平成27年9月11日
検体採取・測定条件
・甲状腺の触診を行った直後,甲状腺の針生検後24時間以内,TRH投与後などの場合には,Tgが上昇する可能性がある。
生理的変動
・女性は男性より高値傾向を示し,姓娠でも高値がみられる。
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
FreeT4
T3
FreeT3
TSH
抗サイログロブリン抗体
カルシトニン