レシチン-コレステロールアシルトラ ンスフェラーゼ, L-CAT(Lecitin-cholesterol acyltransferase)
平成15年4月1日より中止
測定法:ジパルミトイルレシチン基質法
外注会社:SRL
臨床的意義
LCATは肝でのみ合成される酵素であることから肝におけるタンパク合成能を反映する。血中でLCATはHDLと結合して存在し,末梢組織細胞膜などから受けとった遊離コレステロールにレシチンの脂肪酸を転移してコレステロールエステルを生成する酵素であり,血中コレステロールエステルのほとんどすべてが本酵素の活性に依存している。意義として目的は脂質代謝異常症における病態の解析であるが,LCATは肝で合成される半減期の短い糖蛋白であることから,肝の合成能の指標として用いられる。
異常値を示す疾患
高値疾患
原発性高リポ蛋白血症 ・肥 満症 ・脂肪肝 ・原発性胆汁性肝硬変初期 ・ネフローゼ症候群
低値疾患
家族性LCAT欠 損症 ・魚眼病 ・無βリポ蛋白血症・低βリポ蛋白血症 ・肝硬変,劇症肝炎
基準範囲
血清:M 67.3〜108.2 U F 53.3〜95.5 U
(nmol/ml/hr/37℃)
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
生理的変動
・加 齢,男女の性差等によるLCAT値は有意ではないが,妊娠時には,酵素活性が上昇する。
検体採取・測定条件
・凍結融解を繰り返すと 活性値が低下する。
・偽陰性となる要因として,活性阻害因子の存在(SH基阻害剤など)および活性化 因子(アポA-1など)の低下が考えられる。