βリポ蛋白, β-LP(β-lipoprotein)

保険適応外のため中止(平成20年10月8日)

臨床的意義
 
ヒト血清中の主なリポ蛋白には、高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、超低比重リポ蛋白(VLDL)、カイロミクロン(CM)などがあるが、その中でHDL以外のものをβ-リポ蛋白と呼ぶ。すなわち、血中に存在する大部分の脂質は、β-LPに含まれていると考えてよい。VLDLは肝で生成されたあと、LDL等に変化し、またカイロミクロンは小腸で生成され、胸管を経て血中に入る。リポ蛋白濃度の日内変動をみるとLDLやVLDLはあまり変化しないが、CMは食後から数時間にかけて高値を示す。一方、年齢別では加齢によりLDLやVLDLは高値を示し、女性は閉経後高値となる。組成からみるとβ-LPに含まれる脂質の約50%がコレステロールであり、リン脂質が35%、中性脂肪が15%を占める。β-LPの変動はこれらの動きを反映しており、個々の脂質やリポ蛋白分画の測定が、病態の判定には必要となる。

測定方法: 免疫比濁法

測定機器: 日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成20年10月8日まで)

        日立7170自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 和光純薬

基準範囲: 150〜500 mg/dL
             
   (平成12年11月30日まで 259〜828 mg/dl)

相関
平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.98X+23.2 r=0.995  n=200

平成12年12月
(旧=X)ネスコートV2BL 
(新=Y)β-リポ蛋白-HAテストワコー
Y=0.7542X-86.497  r=0.9925   (n=93)

小児の基準値
 
生後から5、6日まで一過性に増加した後すぐに減少し、1ヶ月から6、7ヶ月までわずかに徐々に上昇する。1歳以降はほとんど変化がないかわずかに減少する。思春期以降もはっきりした男女差は見られず、むしろ男性の方が低い。

異常値を示す疾患
高値: 高βリポ蛋白血症、家族性高脂血症(IIa、IIb型)、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群

低値: βリポ蛋白血症、低βリポ蛋白血症(赤血球の形態異常がみられることが多い)、肝硬変、甲状腺機能亢進症

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管
 
関連項目

HDL−コレステロール
LDL−コレステロール
アポリポタンパク
総コレステロール(TCHO)
LCAT

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