リン脂質, PL(phospho lipids)
平成20年10月9日より外注BML
臨床的意義
リン脂質は生体内では主にレシチン,スフインゴ ミエリン,リゾレシチン,セファリンから成る複合脂質で,細胞膜の構成成分としてのその流動性,透過性の維持に関与している。血清中では主にリポ蛋白上に存在し,一部は遊離の形で存在している。PLの主要分画の一つであるレシチンは,高比重リポ蛋白(HDL)上でレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の基質としてコレステロールにアシル基を与えリゾレシチンに変化する。血中のリン脂質濃度は,リポ蛋白代謝,肝での合成能と胆汁分泌,LCAT活性などを反映しており,種々のリポ蛋白代謝異常,肝胆道疾患などの診断に利用される。
測定方法: 酵素法
測定原理: 試料中のリン脂質は、ホスホリパーゼDの作用により加水分解されコリンを遊離します。生成したコリンは、コリンオキシダーゼ(COD)の作用をうけベタインに酸化され同時に過酸化水素を生じる。生成した過酸化水素はペルオキシダーゼの作用により3,5-ジメトキシ-N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-アニリンと4-アミノアンチピリンとを定量的に酸化縮合させ青色の色素を生成させる。この吸光度を測定することにより濃度を求める。
測定機器: 日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成20年10月8日まで)
日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)
測定試薬: 和光純薬(平成20年10月8日まで)
相関
平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.95X+1.78 r=0.999 n=200
基準範囲: 150〜250 mg/dL(平成20年10月9日より)
152〜268 mg/dl (相関:Y=1.005X-0.264
従来法:X)(平成6年9月から平成20年10月8日まで)
139〜283 mg/dl(平成6年8月まで)
小児の基準値
小児期の年齢変化は新生児期では成人の約半分の値で、生後5〜6日で約2倍(ほぼ成人の値)となりその後ほとんど変化がないかあるいはわずかに減少する。
異常値を示す疾患
高値: 家族性高リポ蛋白血症 ・閉塞性黄疸 ・甲状腺機能低下症・ネフ ローゼ症候群 ・原発性胆汁性肝硬変
低値: β-リポ蛋白欠損症・劇症肝炎 ・非代償性 肝硬変 ・甲状腺機能亢進症
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
総コレステロール(TCHO)
リポ蛋白分画
リポ蛋白-X
L−CAT
トリグリセライド(TG)